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蠍凛子
2019年9月12日 11:32
「もうすぐ完成!もうすぐ完成!あとちょっとだから、頑張れ私!!!」暗闇に光るノートパソコンの画面を睨みながら、女は小説を書いていた。ブルーライトのせいで、目が冴えてしまい、半ば興奮気味でキーボードを叩いた。女はここ数日、殆ど寝ずに小説を書いていた。寝たとしても机にうつ伏せか、先日なけなしの金で購入した程よい硬さの椅子に寄り掛かって寝ていたため、それほどしっかりとは寝ていなかった。それから、小
2019年9月11日 00:42
ある猫はいつも飼い主の足元を歩き回っていた。飼い主が大好きだったのだ。飼い主の足の臭いが好きだったのかもしれないが、とにかく大好きだったのだ。時々、その飼い主は、その猫をうっかり踏んづけたりしていた。それでも、その猫は飼い主の足元を歩き回るのをやめなかった。そんな日々を、その猫は飼い主と過ごしていた。ある日、猫がいなくなってしまった。飼い主は「腹が減ったら帰ってくるだろう」と玄関先にエサ