【雑談の授業】実況中継してみよう!
先日、私がしている雑談授業の中でとりいれた「30秒で単語を10個言う」のお話をしましたが
初日の授業で実践してみたもう一つの活動が「実況中継」です。
こちらも「5日間で言葉が「思いつかない」「まとまらない」「伝わらない」がなくなる本」に載っているメソッドです。
その「実況中継」ですが、こちらは目に入ったものを咄嗟に言葉をアウトプットさせる練習方法です。
目の前にある景色でも写真でも動画でもなんでもいいのですが、目に入ってきたものを瞬間的に言葉にしていくのは我々でもかなり難しいです。
この練習を繰り返して身に付くのは、見たものをそのまま言葉にする力。
ただし、今度は単語ではなく文としての単位で言葉にする訓練です。
本の中には「点と点をつないで線にすることができる」と書かれています。
これは母語であれば表現力をアップさせられますし、 外国語であれば、語彙力や文章力の定着にもなります。
偶然ですが、私も英語に本気で取り組み始めた高校生の時にこれをやっていました。
目の前を歩いている人のこと、レストランで運ばれてきた料理、ドラマ「フレンズ」のシーン・・・など、なんでも見たものを頭の中で英語化して、たまに自分の感想や気持ちも付けたします。
そして、これを文章にすれば立派な日記やエッセイになるのです。
この「脳内実況中継in英語」は今でもやっています。
自分の思い付きでやっていたことが、本に出ているとなんだか安心しますね。
実際の授業では、あらかじめ用意しておいたYoutubeの動画を各自の端末で再生して、練習しました。
今回はペアになって一つの動画を一緒に見ながら練習しました。
一番上の「山の手線」は最初に皆で一緒に再生して、練習をしてみました。 この動画は60分の動画で、山手線からの車窓をずっと映しているものです。
「あっ、秋葉原のアニメのビルが見えます」
「上野駅に到着しました」
「みんな半袖でマスクだから、たぶん2021年の夏だと思います」 など、見えるものを次々に言っていきます。
タイトルは私が勝手に変えて、リンクを開かないとわからないようにしてあります。
たとえば「かわいい双子」は最近公開された上野動物園の双子の赤ちゃんパンダがじゃれ合う様子です。木から落ちたり、お互いの背中を踏んづけたり、お母さんによじのぼったりしています。
既に日本語レベルはある程度高い人たちなので、頑張って難しい単語を使おうとしたり、複文を作ろうとしているうちに映像に置いていかれる人が多く、はじめはなかなかうまくいきませんでした。
でもこれはまさに私の狙い通りで、特に雑談などで「咄嗟に反応する」のに役立つスキルのための練習なのです。
これまでに吸収してきた豊富な表現力を駆使するのも大切ですが、同時にシンプルな表現でサッと反応できることの大切さやコツに触れられると思います。
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