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【アレルギー性鼻炎】鼻炎におすすめ漢方薬の紹介

いつき博士です。
アレルギー患者教育向けサイト
を運営しています。

今年もまた天気予報で
花粉が話題となる季節が
やってきましたね。

アレルギーの症状は
患者さんによって幅広く
日々コントロールが必要な方から
季節性に苦しむ方もいます。

現代の医療の進歩においても
スッキリしない症状に苦しんだり
薬の副作用に悩む方も多いです。

そんな時の選択肢として
漢方薬が使用されることがあります。

今回は、治療の幅を広げるために
漢方薬の可能性を考えてみましょう!



0.漢方薬?生薬?

0-1.漢方薬とは

日本の伝統医学である漢方医学理論に基づき
自然の生薬を混合して使用する治療薬です。

病院で処方される漢方薬の多くは、
健康保険が適用される「医療用漢方製剤」
148処方が厚生労働省に承認されています。
(2015年2月現在)

0-2.生薬とは

植物の葉・花・つぼみ・茎・枝・根、
また菌類鉱物昆虫など、
長い経験の中で効きめがあるとされた物質を
利用しやすく、保存や運搬にも便利な形に
加工したものを「生薬」といいます。

代表的な生薬一覧

医療用漢方製剤の中には
生薬がそれぞれ成分として
複数含まれています。

では、鼻炎の漢方薬には
どのような成分(生薬)が含まれているのか
確認していきましょう!


1.鼻炎に使用できる漢方薬一覧

アレルギー性鼻炎の三大症状は
「くしゃみ、鼻水、鼻詰まり」です。
今回は対症療法として用いられる
代表的な漢方薬について解説していきます。

鼻炎漢方薬一覧

1-1.小青竜湯(19)

●ショウセイリュウトウ
症状:サラサラ鼻水くしゃみが多い
寒熱:冷えを伴う方

★いつき博士が考えるこんな方にオススメ!
・鼻水、くしゃみが止まらない
・普段体力はあるけど寒気や冷えを感じる

1-2.葛根湯加川芎辛夷(2)

●カッコントウカセンキュウシンイ
症状:鼻詰まり、蓄膿症
寒熱:冷えを伴う方

★いつき博士が考えるこんな方にオススメ!
・鼻詰まりでしんどい
・普段体力はあるけど寒気や冷えを感じる

1-3.越婢加朮湯(28)

●エッピカジュツトウ
症状:粘膜の腫脹が強い
寒熱:熱感を伴う方

★いつき博士が考えるこんな方にオススメ!
・炎症が強い、目が充血し痒みがある方に
・普段体力がありほてりや口の渇きを感じる

1-4.荊芥連翹湯(50)

●ケイガイレンギョウトウ
症状:蓄膿症
寒熱:熱感を伴う方

★いつき博士が考えるこんな方にオススメ!
・目や鼻のまわりがだるい、慢性化している
・普段体力はあまりないがほてりや口の渇きを感じる

1-5.辛夷清肺湯(104)

●シンイセイハイトウ
症状:鼻詰まり、蓄膿症
寒熱:熱感を伴う方

★いつき博士が考えるこんな方にオススメ!
・鼻詰まりでしんどい
・普段体力はありほてりや口の渇きを感じる

1-6.苓甘姜味辛夏仁湯(119)

●リョウカンキョウミシンゲニントウ
症状:サラサラ鼻水くしゃみが多い
   胃腸虚弱
寒熱:冷えを伴う方

★いつき博士が考えるこんな方にオススメ!
・鼻水,くしゃみが止まらない
・普段体力はなく寒気や冷えを感じる

1-7.麻黄附子細辛湯(127)

●マオウブシサイシントウ
症状:感冒鼻水くしゃみ、鼻詰まり
   体力衰弱
寒熱:強い冷えを伴う方

★いつき博士が考えるこんな方にオススメ!
・鼻水,くしゃみが止まらない
・普段体力はなく強い寒気や冷えを感じる


鼻炎漢方薬こんな方にオススメ!一覧

2.漢方薬のリスクは?

一般的に漢方薬に対して
「効きが弱い」「副作用が少ない」
などのイメージを持たれる方が多いです。

しかし実は入院を要するような
危険な症状が出る場合もあります。

下記に示すような症状が出た場合は
すぐに医師に相談してください!


2-1.偽アルドステロン症

初期症状:手足のむくみ体重増加尿量減少
原因生薬:甘草
症状発現時期:1〜数ヶ月


2-2.心血管系症状

初期症状:動悸息切れイライラ
原因生薬:麻黄附子末甘草


2-3.間質性肺炎

初期症状:発熱空咳息切れ
症状発現時期:2ヶ月以内

代表的な副作用

3.いつき博士の考察

今回は鼻炎に対して使用する
漢方薬の特徴についてまとめました。

冷え熱感の区別を記載しましたが
漢方薬には身体を温めるものもあれば
冷やすことを得意とするものも存在します。

その点を理解せずに使用すると
かえって症状が悪化する可能性があります。

また、漢方薬は西洋薬と比較して
エビデンスが多いわけではありません。

ただ、一部の研究報告で
小青竜湯は、実際に花粉症で使用される
抗アレルギー薬との比較試験(*)が実施され
同等の有効性であったと報告されています。

今回は医療用の漢方薬の紹介でしたが
市販薬の薬で迷ったら
ALLERUのInstagramから
相談してみてください!

★漢方薬についてもっと知りたい方は
【アトピー性皮膚炎】皮膚炎におすすめ漢方薬の紹介
【気管支喘息】喘息におすすめ漢方薬の紹介

<参考文献>
・ツムラHP、クラシエHP
・薬局2023 Vol.74 No.9 第4回 鼻炎・花粉症
・治療 Vol.104 No.10 (2022.10)
・看護師のための漢方薬がわかる本
*スギ花粉症に対する小青竜湯の季節前 投与の有効性について(1991)