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音楽祭ボランティア

毎年5月の連休を中心として石川県で催される
「風と緑の楽都音楽祭」
英題「Gargan Music Festival」
略して(?)「ガル祭」

僕はこの音楽祭を毎年楽しみにしています。

それより前に開催されていた「ラフォルジュルネ金沢」に変わって開催されるようになったクラシック音楽のイベントですが、僕はラフォルジュルネの時から——
2012年からだからもう11年以上になるのか——
運営ボランティアとして携わっています。
だから、ゴールデンウィーク中はずっと石川県立音楽堂にいて、自分が聴きたい公演の時以外は、青いTシャツを着て動き回っています。


旅行とか他のところにいったりとかも‥という気持ちはほとんどおきないです。このイベントが好きなので。
というより、本公演の前のプレイベントで、「市民オーケストラの祭典」として、この素敵なホールで演奏させてもらえているし、イメージキャラクター・ガルガンチュアの(SNSの)いわゆる「中の人」をはじめ、スタッフの方に本当にお世話になっているから、その恩返しです。
ボランティア活動の中で、公演の保安業務で客席内に入ることもあり、何事もなければ一番後ろの立ち見ではありながら演奏が聴ける!というおまけ(?)もついてきます。

きっかけはラフォルジュルネ金沢のころ、同じトロンボーンアンサンブル仲間がボランティア活動をしていたのを見たこと。
「交通費と昼食代出るし、演奏聴けたりもするし、いいボランティアだよ」
と紹介してもらい、翌年から参加してみたら、とにかく楽しい!

もともと「人のために何かをする」ということが好きな性格ということもあり、クラシック音楽の中で楽しく活動できるこのボランティアは、一度も「つらい」と思ったことがありません。

また、とある年に、合唱とフルートをやっている一人の女性と出会い、ひょんなことからモーツァルトの『レクイエム』を彼女と富山で歌うことになり、そこから2年後、ヴェルディの『レクイエム』も歌いました。

会うたびに彼女のことが好きになっていきましたが、想いを伝えられないまま、彼女は同じ合唱を趣味としている男性と結婚し、幸せな生活を送っているのを知っています。
それでもいいんです。
彼女から大切なことを学んだから。


2018年の音楽祭のクロージングコンサートでも、オーディションに合格してモーツァルトの『レクイエム』を歌うことができたのは、彼女との出会いがあったからですし、フルートも演奏する彼女は僕に
「オーケストラを演る管楽器奏者が、オーケストラをバックに合唱で歌うことを経験すると、合唱に優しい奏者になれるよ」
と、教えてくれました。


その通りでした。
風と緑の楽都音楽祭2018内の、「市民オーケストラ&市民合唱団の祭典」のために組まれた特別編成オーケストラ「ガルガンチュア第九管弦楽団」に加わったとき‥。
「プロじゃないから、そんなに上手じゃないんだろ」
と半ばナメてかかる奏者がプロアマ問わずいる、という中で、トロンボーンは合唱団のすぐ前に座ることや、第九においてバストロンボーンはバスパートのガイド役を務めることが大半なので、僕は合唱団の方とはよくコミュニケーションをとっていました。
その甲斐あってか、本番は自分の中ではすごく上手くいきましたし、男女問わず、合唱団で方と仲良くなれました。
その中には、今でも交流が続いていて僕の演奏には必ず応援に駆けつけてくれる、御歳80半ばの女性もいます。


このように、素晴らしいものをたくさん僕にくれた音楽祭ボランティア。


ボランティアじゃあ仕事に責任はもてない
金はキチンと受け取れ そして責任をもつ
(アニメ『湾岸Midnight』より)

ボランティアだから=お金は出ないから、仕事に責任をもたなくていい‥
そんなことは微塵も思ったことはありません。
石川県立音楽堂のアルバイトの一つ、ホールの案内スタッフ(レセプショニスト)さんとは扱いが違って気楽だ、という人もいましたが、スタッフの方は、僕の得意な仕事や僕の発達障害の特性に合わせた仕事を選んで配置してくれているので(カミングアウト済み)、すごく積極的に動けるのです。
臨機応変が苦手な僕でも臨機応変できるんです。

その働きぶりをたくさんの方が褒めて・認めてくれている実績もありますし、今ではもうベテランの域になっていて、
「言われたことだけやっていればいいんです」ではなく
「あなたの動きっぷりを頼りにしてます」と言われるほど。

「また今年もよろしくね」
「機転をきかせて動いてくれて助かります」
そんなふうに声をかけていただけるのが嬉しいのです。


結局ボランティアって、他人のためではあるけれど、自分が好きなコト・得意なコトで動くことによって人の役に立てた自分が嬉しいから。
自分の心を喜ばせることができるから進んでやれる・続けられるんだ‥て思いました。


そんなボランティア活動を含めて、今年も音楽祭に参加することになったのですが、そこから素晴らしい出来事がたくさんおとずれたことは、別の記事にしたいと思います。


最後までお読みいただきありがとうございました。

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