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53歳女のソロキャンプデビュー記録③肉と焚火とずっと雨


2021年9月某日、53歳にしてソロキャンプデビューした。
前回、前々回のnoteではNEWギア購入から初日の夕方までについて書いた。

今回は初日の日没から就寝までの記録。

1、火を灯そう

日没前、焚き火のいい匂いがしてきた。
わたしの見える範囲でキャンプしている区画は4つ。
かなり遠くに幼い子供連れのファミリー。
前方40mあたりに4人組の大学生男子グループ。
そして、20mほど離れた隣の隣のサイトに中年?の男性ソロキャンパー。

焚き火の匂いはそのソロキャンパーのタープの方から漂ってきた。
わたしも相手もお互いの視線を遮るために間に車を配置している。
だから、よく見えないのだけどどうもテントが無いっぽい。
タープ泊ってやつですか?
タープの下でハンモックで寝ちゃうプロっぽいやつですか?
テントなんかいらねえよってワイルドなやつですか?
興味津々ではあるが、聞きに行くほど強気なおばちゃんではない。
覗きたいなあ…覗けないなあ…と思いながらのんびり夜の準備。
まずは、オイルランタンに火をともそう。

燃料のパラフィンオイルは500mlのペットボトル入りだが、
ちゃんとYouTubeで予習して「100均のオイルボトル」に詰め替えてきた。
ちょうど100ml入る。
カメヤマのオイルランプのタンク容量は200ml。
今回は100mlでどれくらい燃えててくれるのか測ってみようと思った。

17;30ごろ点灯。

エモい。
エモいって、こういう時に使うんでしょ?
そうじゃなくても使うわよ!ってくらいエモい。
やっぱり炎はいいなあ。
ほのかな虫除けオイルの香りもいいなあ。
オイルランタンの向こうに見える赤いランタンは1500円のLEDランタン。
安くて可愛いので役に立つかと買ってみたが、
本物の炎のエモさには勝てない。
赤ランタンは結局出番なしだった。

2、ご飯を作ろう

ソロキャンプの何が良いって、
完全に自分のことだけ考えれば良いってのが素晴らしい。

20年以上主婦をしてきて、
常に
「お腹空いてる?」
「おかず、これで良い?」
「何時ごろ食べる?」
「量は足りてる?」
「味、おかしくない?」と
ずっとずーっと、他者(家族)の様子を見て伺って気にしてたけど、
今日は自分だけ!
いつ食べようが、何食べようが、
旨かろうが不味かろうが、
誰にも気兼ねなし!
ワンダフルだ!
もうそれだけで小躍りしたくなる。
ソロキャンプが辛いのは
小躍りしてるとちょっとヤバい女かと思われることだな。

NEWギアのメスティン600mlで1合の米を炊く。
3個100円の固形燃料ひとつをポケットストーブ(ダイソー300円)に置き
火をつけてメスティンを乗せる。
火が消えるまで放置。

その間に安売りのミニトマトのヘタをとり(洗わない。自分が食べるだけだから)
安売りのアスパラを切り(洗わない。皮も取らない。わたしだけだから平気)
30%オフの茹で蛸とカマンベールチーズを切る。
チーズ以外の全てを鍋に入れて
適当にジャバジャバとオリーブオイルを入れて
適当にバサバサとクレイジーソルトを入れて
適当にニュルっとチューブニンニクを入れて
ぐるっとかき混ぜる。

固形燃料の火が消えたらメスティンを降ろして
ひっくり返してタオルに包んで蒸らす。
新しい固形燃料に火をつけて鍋をかける。

肉くらいは焼こうかと思ってオージービーフを買ってきた。
和牛をいただきたいのは山々なれど、
家族を差し置いてひとりで良い肉を食べる度胸がない。
美味しいものは家族に食べさせたいと思ってしまう。
昭和の母かと思うけどそう思っちゃうから仕方ない。
1パック2枚450円のステーキ肉を焼く。

こんなに映えないBBQフォトある?
全然美味しくなさそうやん。

雨の中でひとり安い肉を焼く53歳女。
幸せに見えないだろうけど、幸せなんだよなあ。

使っているのは卓上七輪。
これも15年以上使っている。
七輪は炭が少なくても効率よく料理できて気に入っている。

遠火の強火の炭で焼くと、お安いオージービーフでもあら不思議、

…かたい…。
…全然美味しくない…。

でも平気!ひとりだから!
誰にも気兼ねなく、不味くてごめんねって思う必要もない。
ソロキャンプ、ワンダフルだ!

オリーブオイルがグツグツ言っている鍋に
切っておいたチーズを放り込んで
トロリとしたら「アヒージョ?」の出来上がり。

肉とアヒージョと炊き立てご飯!
食べるそ!と意気込んだのとは裏腹に53歳の胃袋は情けない。
肉1枚とアヒージョを半分食べたら満腹になってしまった。
肉が固すぎて必死で咀嚼しているうちに
満腹中枢がいかれたのかもしれない。
お米は一粒も食べられなかった。

3、焚き火をしながら手紙を書く

食事関係の道具や食材はさっと片付けて速やかに車に積んだ。
ハイルーメンのLEDランタンはかなり明るくサイトを照らせるが、
あんまり煌々と自分のしみじみソロキャンプを晒すのも憚られ
おでこにヘッドライドを装着して作業した。

20:00くらいからお待ちかねの焚き火タイムをスタートした。

子供の頃は普通に地面の上で焚き火をしていたように記憶しているが、
最近は直火禁止のキャンプ場がほとんどだと思う。
アウトドアショップやYouTubeではかっこいい焚火台がたくさん紹介されている。

でも、わたしには七輪がある。
七輪の網をどけて薪をくべる。
十分素敵な焚火台になる。

素敵か?
写真の腕が無さすぎる。
でも、これ一枚しか焚き火の写真がない。
映える映えない以前のレベルだな。

焚き火をしながらお酒やコーヒーを嗜む人が多いのかな?と思う。
わたしは下戸で、コーヒーも好きじゃない。
わたしは焚き火をしながら手紙を書いていた。

いや、正確には焚き火をする前からずっと手紙を書きながら作業していた。
膝の上に置いたスケッチブックを机がわりにして。
手紙の相手は15年来の文通友達Kちゃんだ。

キャノピーのポールにハイルーメンのランタンをぶら下げて
小さな虫をはらいながら手紙を書いた。
時々薪をくべたり動かしたりして火の世話をしながら。
炎はいくらでも見ていられる。
焚き火はいくらでも続けていられるなと思った。

思った…。
けど。
寒い。

一旦寒さが身に染みてしまうとあったまるのが大変なので
日が暮れた時点で結構重ね着はしていた。
ジーンズはスリムの上にワイドを重ねばきしていたし、
上はTシャツ、トレーナー、薄手パーカー、厚手パーカーを重ねていた。
でも寒い。
9月だからって、なめていた。
フリースのズボンもライトダウンも車に積まなかったことを後悔した。
だって家を出る時は暑くて暑くて、流石にいらないだろうと思ったのだ。

21;20ごろ、寒さに負けて撤収を開始。
全ての火を消し、トイレや歯磨きを済ませてテントに潜り込んだ。
テントの中で手紙の続きを書こうと思いながら、
睡魔に負けて22時には就寝した。

書くの忘れてたけど、日没前からずっと雨。
テントの中は雨の音に包まれていた。

翌朝のスズメバチ戦争の話までいかなかった。
ごめんなさい。
次回は必ず書きます。



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