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【連載小説】ファンタジー恋愛小説:氷晶の森の舞姫と灼熱の大地の王子 第三十九話 アルティック・ガーデンの結界

前話

 おーっという答えの声が返ってくる。
「それじゃ、私達はローレライに……」
「そうだな」
 うなずき合うと剣を持ち、魔力を乗せていく。剣から氷と炎の力が揺らめいて放出される。それをローレライが祖父に合うように周波を変えて預ける。異常なまでに大きい魔力を二人は出していく。
「これが王と女王の気……」
「ニコ。手を緩めるな」
 一瞬気がそれたニコにカールが注意する。
「わかってますよ。ローレライに愛の力を……」
 ニコもまた魔力をローレライに預ける。そしてローレライの助けになるように、とローレライの補助的な魔力も送る。ローレライもすぐそれがわかり、視線をなげかける。
「戦の後に婚礼だね」
「ニコ様……」
「こら。そこの二人、いちゃついてるんじゃない!」
 目を閉じたままレオポルトが注意する。
「わかってるよ」
 ニコが答えた瞬間、どぉん、と結界に何かがぶつかる音がした。
「アドルフか……! 氷の国はお前にはやらん! ユレーネの国だ!」
 一層力を込める。氷の粒でできた鉄壁の壁がアドルフを阻む。結界の中では逆に、自然と調和した魔力が魔術師達に還元してさらに魔力を増幅させる。アドルフの軍には黒ずくめの人間が複数いるのをレオポルトは触れた気から察知した。
「闇の組織、か」
 さらに、力を、と込めたとき、レオポルトの手からユレーネの手が離れた。気配が変わる。
「ユレーネ!!」
 ユレーネはくずおれて座り込んでいた。
「ローレライに庵に連れて行ってもらえ。俺は今はここを離れられない」
「いやよ! 今、ここであなたと別れたら死しかないわ! 絶対に離れない!!」
 わかった、とレオポルトは静かに言う。既に王の威厳が身についていた。
「絶対に離れるな。その代わり、魔力は結界からもらっておけ。放出することはだめだ」
「でも!」
「夫の言うことは聞いておくものですよ。姫」
 カールが軽く言う。
「お前はとっとと魔力使い果たせ!」
「ひどい御言葉ですね。レナと逃避行しますよ」
「その前にユレーネに椅子でも座らせろ」
「はいはい」
「お兄ちゃん! お姉ちゃん!」
 すっとリリアーナが現れた。
「お前……!」
「お姉ちゃんの分はリリアーナが助ける。いいでしょう? お姉ちゃん」
「ええ。頼むわ。愛しいリリアーナ」
「お姉ちゃんはこれを飲んで。妖精の水なの。元気になるから持ってないなさいと言われたの。お兄ちゃん達の分もあるから飲んで」
「ありがとう。リリアーナ。大好きよ」
 一瞬、ユレーネの力が抜けた。慌ててリリアーナが水筒から水を出して飲ませる。ユレーネの周りに虹色の波ができる。ユレーネが瞼を閉じた。
「ユレーネ!」
「大丈夫。消耗しないように眠ったの」
 大人っぽいリリアーナに戸惑いつつも魔力を放出するレオポルトである。リリアーナも力を出し始める。誰よりも大きい魔力にその場にいた者は一瞬動きを止める。
「動きを止めるな! アドルフに突破される!」
 レオポルトの声で、皆また元に戻る。
 何度も力がぶつかる。氷の力と炎の力が。これほど相反する力で良かったと思うときはなかった。
 
 戦は始まった。それは、アドルフ帝国の野望を阻止することから始まった。


あとがき
さっさと寝ようとGoogleネストハブにまでリマイダー入れたのに眠れない。で、ここ数日「星彩の運命と情熱」を執筆中ですが、閃いた設定までにまだ
到達しない。もう5話は書きましたが、それでも届かない。あんな数行の設定が……。って、また話を作ってもらおうとchatに打ち込んでいたら、数行でここ数話のプロットが出来上がり、名称のみの設定をChatGPTさんとしました。その後はもう、書くに書きまくり。

漢検のテキストは基礎はしてますが、四文字熟語を1個しませんでした。今日する予定。(予定は未定)。

今日はまとめのテストだらけなので時間を取ってと思いつつ、ついに体重計を買い、アプリを見ていれば運動計などがあったので見に行ったのですが、オムロンしかなく、最近オムロンは通信がおかしいので辞めました。で、アマゾンで運動系を取り寄せ中。血圧も欲しかったのですが、今のはオムロンで正解だと思うため、やめました。手首式欲しいんですが。アプリはあまり評価が悪いのですが、骨量がでるのはたすかる。立てかけられるし。

今、非常に眠いです。おかげで、執筆も更新作業も滞っております。キータッチミスが多く、これ以上任務はできませんので、しばらく後にまたやって来ます。

ここまで読んで下さってありがとうございました。

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