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【連載小説】ファンタジー恋愛小説:星彩の運命と情熱 第十七話 蒼い幸運のフェアリードラゴン。短命種ってどういうことなの?

前話

「リアナ。少しいいか?」
 セレスと昼寝しているリアナにセイランは声をそっとかける。
「なぁに?」
 ぼけーっとしている。そんな姿も可愛い。
 
 って。何、色ボケしてるんだ。
 
 自分に突っ込んで、コホン、と咳払いする。
「セレスの事だ。少し調べてわかったことがある」
 自然と内容を考えると眉間にしわが寄る。さすがにその表情を見てリアナはセレスを暖かい布の上にそっと置き直すとセイランに近づく。
「セレスの色合いが珍しくて少し調べたんだが……」
 そう言って隣の部屋のテーブルに座るように示す。
「なに?」
 早く、セレスの側に戻りたいリアナは不機嫌だ。
「短命かもしれない」
「たん……めい? 命が短いってこと?」
 ああ、とセイランは肯く。
「うそよ。フェアリードラゴンは主人よりも何百倍も長く生きて多くの主に仕えるって……」
「蒼い幸運というらしい。飼い主に幸運を運ぶ代わりに自分の命を削ると」
「そんな! セレスに幸せにしてもらわなくたって私は十分幸せだわ!」
「怒鳴らなくてもいいから。セレスが起きる。飼い主の心に敏感だから」
「って、あなたが主じゃないの」
「まぁ。最後まで聞け。フェアリードラゴンに詳しい里があるらしい。そこでよく話を聞けばセレスの命を削らないで良い方法が見かるかもしれない」
「じゃ、今から行きましょ。すぐに!」
「リアナ!」
 完全に自分を失っているリアナを叱咤する。
「セレスが旅に耐えられない。もう少し大きくなるまでは……」
 すとん、と気が抜けたようにリアナは椅子に腰を落とす。
「そう。そうね……。まだ小さすぎるわ。どうして、短命種なんて」
 リアナの瞳からぼろぼろ涙がこぼれる。リアナは壁画の次にもう次の悲しみにぶつかっている。こんな思いを何度もさせないといけないのか?
 セイランはリアナの悲しみに悲しくなる。
「里よりもシェイラ様の元へ行くか?」
「シェ……イラさんに? ……」
「あの方は遠くを見ることができる方だ。セレスが短命ならすぐに見破る。そうでない方に賭けるか?」
 セレスとシルヴァリアが休んでいる部屋をちらり、と見ると肯く。
「シルヴァリアで王都まで戻りましょう。里に行っても解決方法がわからないわ。よそ者は追い出されるもの」
「そうだな。俺達はよそ者だったな……。それじゃ、王都に」
「ええ」
 またセレスの元に行こうとしたリアナの肩にセイランは手を置く。
「無理するなよ」
「パパこそね」
 立ち直ったのか切り替えたのか、わからないが、にっと笑うと我が子達の元へ戻るリアナである。
「強いな。谷に落ちても這い上がるか」
「マルコ」
 マルコとフィオナがそこにいた。
「もっとひどい谷に落ちるかもしれない。それに比べればまだ希望があるんだろう。シェイラ様に信頼を置いているから」
「そうね。私達を旅に導いた方だもの」
 フィオナが言ってリアナの後を追う。すぐに女の子達のきゃっきゃとした騒ぎが聞こえてきた。二匹のフェアリードラゴンと二人で何かはしゃいでいるようだ。
「女は強い」
「そうだな。旅の装備を調達してくるよ。リアナを頼む」
 セイランはそう言って装備を調えに行ったのだった。


あとがき
早速谷に突き落とされましたが、持ち前のポジティブさで乗り切った二人。その後もまたまたやらかしてくれます。それからすぐゲーマーとかく元型はゲームボーイというのです。ついゲーム機を思い出しますが、日本語に直してもらったとき、違う意味ででたのです。いや、ネットでしらべたのかしら。とにもかくにもゲームボーイが来るまでお待ちください。そのあとがきで日本語訳させて頂きます。いつでもどこでもやってくるあの方です。
では、眠いので少し眠気覚ましにお茶飲んできます。三記事目はどれを置くか決めてません。ので、意識がはっきり次第何か考えます。まずは、夜中起きず、ぐっすり眠れたことに感謝、ですね。
ここまで読んで下さってありがとうございました。

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