変な人がついてくる…
小児性愛者? 変質者? よくわからないが、
変なおじさんに跡をつけられたことって、
子どもの頃に誰でも1度や2度、
もしくはそれ以上、経験したのではないかと思う。
私も小学校3〜4年生の頃に、
明らかに変なおじさん…いや、
お兄さんだったかもしれないが、
とにかく変質者らしき人に
跡をつけられたことがあった。
ピタッと50センチくらい後ろの距離で
ずっとついて来られていることに気づいて、
でも気のせいかなと思って止まってみたのだが、
一緒にその人も止まったので、
間違いないと思った。
幸い私は小学生の頃、足だけは速かったので、
本気で走って逃げたら勝てる自信はあった。
そして角を曲がった時に勝負に出て、
全速力で走って、一度振り向いたら
その人も走ってついて来ていたけれど、
何度か曲がって結局その人を巻くことができた。
今考えると危ない賭けだったが、
当時の私にはその方法しか思い浮かばなかった。
そして今ちょうど娘のチビ子が
当時の私の年齢に差し掛かり、
「この前、駅で変なおじさんにつけられた」
と、あっけらかんと言い出したので、
とうとうそういう時期になったかと不安になった。
しかもよく聞くと、
そのおじさんには2度もつけられたらしい。
1度目は友達と遊んでいる時。
2度目は一人で電車に乗って、
バレエのレッスンに行く時で、
同じ車両に乗り込んで来たらしい。
「で、で、どうしたのッ?」
と心拍数が上がるのを感じながら聞く私に、
「電車を降りて人混みに紛れたら、
いつのまにかいなくなった」
と、無邪気に答えていた。
その危険性をよくわかっていなさそうだったので、
きちんと説明して、
次回ついて来られた時の対策まで話しておいた。
そして私も小学生の時に
「今日、変なおじさんにつけられて、巻いたの!」
と自慢気に母に報告した時、母が血相を変えて
「今度そういうことがあったら…」
と真剣に色々言われたのを思い出した。
こういうのって、自分のことなら
なんとかできるような気がするけれど、
自分の子が親のいないところで
危険な目に遭っているとなると、
いたたまれない怖さがある。
もう何をするのにも
親がついていなければならない年齢ではないし、
一人ではまだ危なっかしさも残る微妙な年頃。
やっぱりいつも付き添っていた方がいいのか?
いや、そろそろ自分で
自分の身を守る方法を学ぶ時なのでは…?
親として葛藤の日々が急きょ訪れた。
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