主婦と呼ばれたくない理由

先日子どもが新しいバレエスクールに入会した時，
親の職業を記入する欄があって，
開店休業中だけどフリーライターと書いた。
主婦も立派な職業だけど、
主婦とは書きたくないんだよな。

主婦って何だろう。
デジタル大辞泉(小学館)によると、
「一家の家事の切り盛りをする女性」とのこと。
…ってことは、結婚していなくて一人暮らしでも、
女性は“主婦”に分類されるのだろうか？
更に，仕事をしていない人は“専業主婦”で、
仕事をしていると“兼業主婦”？

とにかく主婦と呼ばれたくない理由は、
「私は仕事をしているのよ，主婦ではないわ！」
ということではない。
ではなぜかというと，一定の年齢以上の女性を、
主婦だと決めつけたがる人が一定数いるからか？

以前、近所でちょっとした事件があった時，
警察官に話を聞かれた。
その時，氏名，年齢，職業を聞かれたのだけど，
その時ちょうど一時的に仕事をしていない時期で，
「えっと…無職です」
と答えたのだけど，その時夫が隣にいたので，
「じゃあ，主婦ですね」
と，勝手に主婦と書かれてしまった。
本人が無職だと言っているのに！

無職よりは主婦の方が聞こえがいいからか？
その時は「え，じゃあ，いいです，それで」と，
特にこだわらなかったが，
なんで一定の年齢以上の女性を，
主婦にさせたがるのだろう？　
という疑問は残った。

ほかの時にも職業を聞かれて答えようとしていたら
「主婦でいいですか？」
とすかさず聞かれたことがあった。
その時は「会社員です」と否定したけれど。
主婦だと便利なのかな。
なぜ主婦にさせたがるのだろう？

そんなことが何度かあって，
主婦にされることに
嫌悪感を抱くようになってしまった。
それで意地でも職業欄には
フリーライターと書いたのだった。

無職でもいいんだけど，無職だとじゃあ，
どうやって収入を得て，
バレエを習わせているのですか？　
…とは聞かれないだろうけど，
親の職業を書かせるということは
そういう意味合いを含んでいるのだろうと
咄嗟に判断したのだった。

まあ，母親が無職でも
父親の収入があるからいいのだろうけど。
娘のバレエのお金は私が出しているので，
夫の名前は書きたくなかったんだよね。
バレエスクールとしては，
そういう内部事情はどうでもいいんだろうけど。

エッセイ｜花咲ありす｜note

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