初雪緑茶

感想とか批評とかそれに類するもの 私自身が媒質であり、祝祭であり、確かにここにあるのは私にしか書け/読めないものだ

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感想とか批評とかそれに類するもの 私自身が媒質であり、祝祭であり、確かにここにあるのは私にしか書け/読めないものだ

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最近の記事

短編未満①

 一 ——目が覚めた。 昨日の自分と今日の自分が別人なのではないかと悩むという話を聞くが、その人の目覚めはきっと良いのだろう。就寝や目覚めはそんなに断絶然としたものではない。眠ろうとしても眠れないし、起きようとしても起きられない。気が付いた時には気を失っているし、気が付いた時にはもうすでに夢の内容は忘れている。 だから、自分の連続性を信じられなくなるのは眠りや恍惚のような生易しい揺り篭のなかではなく、真昼の出来事、まさにその断絶によってでしかない。 布団から這いずり出るのに

    • 「手描き作画と3DCGの融和——『イノセンス』から『海獣の子供』まで」(『REBOX2』頒布記念)

      背景説明この文章は2021年9月26日大阪文フリで頒布予定の同人誌『REBOX2 特集:反映画』(@re_boxing)に寄稿した、「『海獣の子供』という寸断された身体」に付随する形で発表するものである。 経緯としては、映画に関する原稿を書かないかと誘われた際に、以前に書いたアニメ映画『海獣の子供』についてのレポートで語ることのできなかった、この映画を観ること自体の側面を文章にする良い機会だと思い、着手した。そこで『REBOX2』の頒布と同時に以前に書いたものをアップしよう

      • Little Snakeについて/において (前編) 「語られていないものを語る」第二回 (機械、音楽、環境)

        「語られてないものを語る」第二回はLittle Snakeというアーティストについて、そのなかでも特に重要と思われるアルバム『YATDC』を中心に語っていこうと思う。 第一回の記事はこちらから。扱うアーティストこそ異なるが、テーマは一貫している。 引き続きキーワードとなるのが「機械、音楽、環境」である。つまり、対談相手は第一回と同じMarusanにお願いした。  初雪緑茶(@AliceRyokutya) この企画を思いついた人。音楽に関してのド素人っぷりが第二回にして完

        • 読書会ログ

          初雪緑茶(@Aliceryokutya)が主催する読書会のログ、備忘録。 なんだかんだ適当でも一年以上続けているとそこそこ蓄積するものだ。 現在はDiscordで行っているので、このリストを見て興味が湧いた方はTwitterのDMにでも。 試験運用期(2019年秋~2020年春)友人でこのnoteにも登場しているStudio Marusanと二人で試験的にやっていた時期、別名迷走期。この頃はコロナもなく、大学の片隅やカフェでやっていたのが懐かしい。 浅田彰『構造と力』 言

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        • 語られていないものを語る
          3本

        記事

          Lars, Lucy & 8Legions「Lars Lucy 8legions」について(後編) 「語られていないものを語る」第一回 (機械、音楽、環境)

          Lars, Lucy & 8legionsの1stアルバム「Lars Lucy 8legions」について可能な限り深く、語り、紹介する記事。後編です。 前編はこちらから  初雪緑茶(@AliceRyokutya) この企画を思いついた人。日ノ本のオタク。音楽に関してはド素人。今回はMarusanの語りを進行しつつ、アニメカルチャーの視点からアレコレ言う。  Studio Marusan. (@RyutaroKawamura) 初雪緑茶の友人で、音楽を作ったりプログラムを使

          Lars, Lucy & 8Legions「Lars Lucy 8legions」について(後編) 「語られていないものを語る」第一回 (機械、音楽、環境)

          麻枝准『猫狩り族の長』 「世界の外側から愛を注ぐ」

          短いですが、麻枝准『猫狩り族の長』の感想です。初めて麻枝准に触れた方には書評として、彼の過去作を知っている人には批評として伝わるように書きました。 「ただの四種類の和音だけで、Shining Wizardは作られている、ということだ。(中略)この単純な四つの和音は大抵教則本の十ページまでに出てくる。遅くとも二十ページまでだな。そこから先に書かれている難しい知識や理論は、私はまったく使っていない。つまりは、それぐらいは誰だって出来るということだ。私の素養とは、素人に毛も生えて

          麻枝准『猫狩り族の長』 「世界の外側から愛を注ぐ」

          Lars, Lucy & 8Legions「Lars Lucy 8legions」について(前編) 「語られていないものを語る」第一回 (機械、音楽、環境)

          「語られてないものを語る」第一回は謎のアーティストLars, Lucy & 8legionsの1stアルバム「Lars Lucy 8legions」について可能な限り深く、語り、紹介していこうと思う。 キーワードとなるのが「機械、音楽、環境」ということで、これは初回の語ってもらう相手として付き合ってもらったStudio Marusan. のテーマであり、今後も彼と語る際にはこの副題が付くだろう。軽く自己紹介を。  初雪緑茶(@AliceRyokutya) この企画を思いつ

          Lars, Lucy & 8Legions「Lars Lucy 8legions」について(前編) 「語られていないものを語る」第一回 (機械、音楽、環境)

          『神様になった日』第三話/第四話備忘録

          第三話のみで記事を書くのが困難だったので、四話を待とう…というムーブが仇となるとは……第四話はナンダッタノデショウ 麻雀知識ゼロのわたくしですが、記事を書くためだけに覚えるには麻雀の世界は深すぎたため、今回は麻雀に関しては言及せずに……というか麻雀分かる方には別の世界が見えていたのでしょうか?ボクは何もわからないまま終始爆笑していました() ……取り敢えず坂上秋成さんはお疲れさまでした  過去ログ 第三話と第四話は麻枝准のツイート(今確認したら消えてしまっていた)から

          『神様になった日』第三話/第四話備忘録

          『神様になった日』第二話備忘録

          第二話!今回も笑って泣いてと素晴らしい密度とテンポ感でしたね!!  OPについてとうとう解禁されたOP「君という神話」 麻枝准自身がここ数年で一番の出来と太鼓判を押した曲だが、本当に素晴らしい。麻枝准の曲は「時を刻む詩」(『CLANNAD AFTER STORY』)や「CANOE」(『Rewrite』)などの変拍子、変態曲のイメージが強いが「Karma」や「Life is like a Melody」(『智代アフター』)など 渾身の神曲は4/4拍子なのである 「君という神

          『神様になった日』第二話備忘録

          『神様になった日』第一話備忘録

          『神様になった日』第一話最高でした。こちらが勝手に抱いていた不安を消し飛ばすような素晴らしさ、もう数日が経っているのにずっと囚われています。 最初は各話感想もしっかりと読めるものを書くつもりだったのだが、リアルが忙しくて毎回上げられる気がせず、読み手に向けた文章は全話終了した後にのみ書くことにする。というわけで、これは私的な備忘録である。とはいえ、自分が気になった部分を羅列していくものなので、読んでアニメの中に何かしら再発見していただける人がいればうれしい。  アバンタイ

          『神様になった日』第一話備忘録

          『神様になった日』放送開始直前!!

          俺たちの麻枝准が帰ってきたぞ——!! というわけで、もう一週間もしないうちに麻枝准の新作アニメ『神様になった日』(以下、『神様』)が放映開始される。 いきなり個人的な話になってしまうが、アニメ『Angel Beats!』とゲーム『AIR』という二つの傑作にほぼ同時に触れ、麻枝准とKeyの虜になった私である。それから早六年、今ではすっかり鍵っ子になり、今回の『神様』は過去最高の熱量をもって待機している。 その熱の発散先を求めて周囲のあらゆるオタクに語っていたのだが、いささ

          『神様になった日』放送開始直前!!