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『神様になった日』第三話/第四話備忘録

第三話のみで記事を書くのが困難だったので、四話を待とう…というムーブが仇となるとは……第四話はナンダッタノデショウ

麻雀知識ゼロのわたくしですが、記事を書くためだけに覚えるには麻雀の世界は深すぎたため、今回は麻雀に関しては言及せずに……というか麻雀分かる方には別の世界が見えていたのでしょうか?ボクは何もわからないまま終始爆笑していました()

……取り敢えず坂上秋成さんはお疲れさまでした

 過去ログ

第三話と第四話は麻枝准のツイート(今確認したら消えてしまっていた)からも構成的に、導入部に続く日常パートであったといえるだろう。ラーメン屋再建と麻雀というそれぞれ全く脈絡のないエピソードではあるが、「お祭りのように楽しい」日々であったといえよう。それと同時に物語のもう一つの軸である鈴木少年側のエピソードが挿入される。今回は現時点では別個に進んでいるように思える二つのエピソードの連関を見出すことを試みる。

それでは毎度恒例のシーン毎のメモを……まとまった文章が読みたい方は後半までスキップしてくだされorz

メモ 第三話「天使が堕ちる日」

アバンタイトル(00:00~01:51)

「母親想いの先輩だし!」という空の声に反応するひなとそれに気付く陽太。ひなはやはり親という存在に何かしら反応している気がする

空の部屋の映画ポスター 『ANGELS』天使

土星と太陽のTシャツ

お父さん一人称「俺」アニメとかだと「父さん」であることが多い

「わしがこの服を脱ぐのは神ではなくなったときじゃ」(04:18)

ノベルゲームに限らず、服はそのキャラクターの身分を表すものとして機能するが、夏休みということもあり回想シーン以外では制服を着ていない陽太たちとは対比的にひなの服は民族衣装っぽい「コスチューム」性の高いものになっている。はたして最終話までに脱ぐことはあるのだろうか

Aパート(~13:08)

スイカからかき氷に 第二話から引き続き縁側に座る二人。ノベルゲームの背景CG(スポット)的?

「天翔」⇒「堕天使」 AB!では天使ちゃん、Charlotteでは有宇が闇堕ち(この言葉が適切かどうかは疑問だが)をしているが、『神様』でも「堕とす」展開はあるのだろうか……

神宮寺さんの髪型、三つ編みとロング

ゲーム画面 毎回ゲームは進んでいくのだろうか とてもチープなRPG もちろんパーティーは全員神の名前 海の上に立っているモンスターへの、ゲーム的なお約束への突っ込み

Bパート

今回も食器が割れる…ギャグ的に。チープな演出も用いつつ、それに対する自己言及的な自虐(ギャグ堕ち)もやっているという

鈴木少年登場 テレビ番組というスクリーンを通じて繋がる…ひなと陽太のお話と鈴木少年側のお話が並行して進むことは予想されていたが、それがテレビという同じ世界であることが強調されるメディア越しにつながるとは。しかしメディアを咬ませている以上もう一捻りありそう

鈴木少年の能力 唐突に世界観を壊すようなデバイスの登場 ハッキングという行為は本質的に「覗く」ものであり、ハッカーである彼は「覗く人」だ

安っぽいチンピラと暴力 やはりアニメという媒体では麻枝准のこういった側面はマイナスに働く。所謂昭和的な不良、チンピラのイメージ。このようなモブキャラでも姿かたち(顔)が出てしまうことはノベルゲームとの差異

ひなと陽太の関係性 ひなは一話のバスケ、ラーメンという欲求以外、基本陽太の望みを叶えようとしている(叶ってないし、望んでもいないことだったりするが) 単なる主人公とヒロインの典型である積極/受動の関係性ではなく

CEO 眼と名前を奪われた存在 公式サイトを見る限り、眼は描かれているが、やはり固有名は奪われている

物理学者 情報工学と量子力学理論 ソフトウェア開発 生命科学の文字 鈴木少年が追う存在だが……

17日 ラーメン屋再建で7日も経っているという

メモ 第四話「闘牌の日」

アバンタイトル(00:00~02:50)

ストレージは消せても記憶までは消せない。情報と記憶、これはひなの全知の力にも絡んできそう

鈴木少年の部屋は畳、雑誌も散乱してる 机とコンピューターの下の畳ははがされて立て掛けられている 

浅間博士 八幡大学哲学科で言語学を修めている…コーパスデータベース(自然言語の文章を構造化し大規模に集積したもの)の開発を 溝呂木と情報工学で論文を共著 自然言語処理

愛について 愛そのものを主題にするイメージはあまりなかった(それは家族や友情によって媒介されてきた)のだが、今回はどうなのだろう 愛の歌も勇気の歌も書いてきた麻枝准だが

「愛により生まれ、愛されることで幸福になるのなら、それを数値化してみたい、と。」(02:09)  ——浅間博士

溝呂木博士には家族がいた その家族が愛を数値化することを求めた?

現状父を失っているのは鈴木少年とひなのみだが……

兎に角密度の濃いアバンだった

Aパート(04:20~10:16)

陽太の家のテレビの上にあるのは一体……水平線のアート?

美人にだらしない陽太 お前伊座並さんというものがありながら……

ネット麻雀…これだーまえがやってたやつと同じやな

陽太の部屋にはたくさんの写真?ポストカードが貼ってある。思い出の痕跡

「なにそのトンデモ展開!!」という風に割と自己言及的というか、いい意味で開き直っているというか

恒例のゲームシーン 敵から宝箱が落ちるのに突っ込むひな 前回と同じくゲームのお約束に対してひなが突っ込み、それに対して陽太が屁理屈で返し、ひなが納得する ここはとても重要な気がする ひなはゲーム世界をどのように認識しているのか

一話ぶりの「イザナミサン!!!」

仲が良いという言葉に勘違いだよ!と返す陽太にムッとするひな

リベルタス、ローマ神話における自由の女神

Bパート

白いのは予備の牌じゃないのか……(成神くんと同レベルの麻雀知識)

前回のテレビ越しのラーメン屋再建もそうだが、今回の麻雀もカメラで放送されている

麻雀もまたゲームではあるが……

無限立直は伏線なんですかね……?あがるまで無限に続ければ良い

黒歴史製造機として着実に階段をのぼっている陽太くんだが、記録として残されることは重要そう

闘牌監修 坂 上 秋 成

残り13日 今回は4日間 このままだと六話ぐらいで世界が終わるのか??

麻雀分からない民だったので( ゚д゚)ポカーンだったが、分かる人には大爆笑の回だったそうで

とはいえすべてラストから逆算して作られているというこの『神様』なので、全くの無意味ということはないだろう。いくつか気になった点を纏めていく

1.カメラ テレビ ハッカー=覗く人

メモのなかでも語った通り、第三話では成神のプ〇フェッショナル風のテレビ番組を車内で見ているという形で鈴木少年が初登場する。これを素直に受け取るのであれば、陽太たちと鈴木少年は同じ世界の同じ時間軸にいると考えられる。

君と同じ世界を見る 
それはどうか 美しいか
君と同じ 時を刻む 
それはどうか 許されるか
——「君という神話」

(OPの「君」は当然陽太→ひなorひな→陽太であるとは思うが)

そして第四話の闘牌もテレビで放映されている。成神くんからすると黒歴史が消せない記録として残されているので将来が心配(そもそも世界が終わるのか)だが、陽太は主人公でありながら「見られるもの」なのだ。それに対し、鈴木少年はハッカー、つまり「覗く人」である。今のところ鈴木少年は溝呂木博士の情報をハックする役柄を担っているが、第三話では陽太の様子を「くだらない」と画面越しに覗いており、第四話ではCEOと浅間博士との会談を覗き見している。

溝呂木博士といえば、ここでも「家族」というワードが。麻枝作品で博士のような知識人がここまで明確な設定込みで登場するのは珍しいように思う。(『Charlotte』の博士は博士以上の情報は与えられていなかった)自然言語処理やコーパスデータベースが物語の中で設定として活きてくるのかは今後に期待だ。

また、毎週恒例のひなのゲームシーンだが、スポーツ(バスケ、野球)も麻雀も一定のルールのもと行われるゲームには他ならない。ひなが最初に興味を持ったものはバスケであり、しかも「これに何の意味があるのか」といってプレイをやめてしまった。またRPGのお約束(海上に二本足で立つ敵、倒すと唐突に現れる宝箱)に対して突っ込みを入れ、それに対して陽太が律義に屁理屈で答える、という会話は興味深い。ひなは全知でありながら、理解できないものが多く、「意味」については陽太たちに尋ねる場面が散見される。自然言語処理など連想されるものは多いがはたして……

2.メディアの違い 顔・暴力・飛ばせない

第一話、第二話がアニメーションという表現媒体であることがひなの動きであったり、会話のテンポであったりとプラスに働いていたように思うが、第三話、第四話は裏目に出ている部分も多かったように思う。そもそも麻枝准は自他共にアニメの脚本が上手くないと言っているが、上手い下手以前にアニメの画を想像しながら書いてはいないように思える。批判的な論評に聞こえるかもしれないが、麻枝准脚本の唯一性の一部はこの点に立脚するものあると思うし、『Angel Beats!』が10年経つのにもかかわらず後続の作品によって消費されない理由として、彼の本来ノベルゲームでしか成立しない文学性をむりやりアニメに輸入した結果起こる拒絶反応を一因に挙げられるだろう。

具体的な『神様』のシーンに移る。(私は鍵っ子ではあるけれど、批判をしないわけではないので、嫌な方はこの段落を読み飛ばしてください)第三話の安っぽいチンピラだが、ラーメン屋再建という唐突なエピソードを動機づけるためだけに登場した彼は、(無論悪役ではあるものの)陽太の暴(+ひなの全知の)力によって撃退される。ノベルゲームであれば立ち絵がないモブとして描かれたであろうチンピラだが、アニメでは顔があり、動き、他のキャラクターと同じ密度の存在感をもって画面に映ってしまう。その結果、本来非人称的なモブが個人として成立してしまい、それに対し無批判的に暴力的解決を図るひな及び陽太の行動を素直にギャグとして処理できなかった人もいるだろう。こういった麻枝准の暴力への鈍感さ(cf.『Charlotte』の友利への暴力描写)は明確に批判されるべき点ではあると思う。

第四話の麻雀ネタもアニメという放送されるメディアに適していたか、と問われれば疑問だろう。ある意味アニメというのは全員が見てしまう、「飛ばせない」ものだ。ノベルゲームで自分に分からないネタが出てきた際はササっと読み飛ばすことができるが、アニメの場合決まった時間付き合わなければならない。正直私は分からないなりに楽しかったし、麻雀が分かる人は絶賛している人も多々いたように思う。しかし、感性ではなく特定の知識を前提としたギャグはテレビアニメでは拒否反応を起こされても文句は言えないだろう。

と、ここまで辛口に感想を書いてきたが、私が麻枝准アニメに求めているものにこういった側面も含まれているのは否定できない。暴力への鈍感さはともかく、視聴者を楽しませることを第一義に設定していながら、野球や麻雀など自身の欲望に従順(なように見える)という矛盾に対して抱くアンビバレントな感覚は確かに麻枝准作品の魅力であるように思う。脚本の段階では成立(統一)していないものが楽曲や声優の演技によって完成するという麻枝准のマルチメディアクリエイター性については『神様』全体を振り返る際によりつぶさに考えていきたい。

雑感

今回はなんだかまとまりのない記事になってしまったなぁ…まぁ各話感想なので先週の振り返りとしてでも読んでくれる方には感謝しかないです。次回五話は伊座並さんの家族に関わるお話とのことで、誰が見ても超重要な回になるのは明らかですね。個人的には第四話で登場した天願さんがこれからどう物語に絡んでくるのか気になりますね。今のところただの頭のおかしいエッチなお姉さんなので……

あとは前回記事で熱く語った金魚と金魚鉢が全然出てこないので不思議ですね……流石にロゴにも入っている以上、物語のカギにはなりそうですが




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