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天職だと感じた瞬間~固定概念に囚われるな!


#天職だと感じた瞬間

大学卒業後に入った会社はメーカー。
そこで担当していたのは営業だった。
当然の如く、社会人一年生に大きな仕事は任せて貰えず、与えられた担当商品は長年赤字続きの商材。
社内に居ると、経営企画室のお偉いさんに呼ばれて、
「毎年、毎年この商材は赤字を出し続けているんだ!」
と説教されても、前任者が悪いんじゃんと位にしか思ってなかった。

ある日、工場に行ってその商材を生産している現場の方々と話をする機会があった。
正直、その方々も毎年赤字続きの商材と言われ続けて、腐っているなと感じた。
そんなとき、その商材の研究開発担当の方が試作したサンプルを見ながら現場の方も交えて色んな意見を貰った。その時の皆さんの目はキラキラして楽しそうだった。皆さんいい意味で職人の顔をしてたんだ。
それを目の当たりにした俺は

『この人たちを本当の意味で笑顔にしなきゃ!』

って義務感に駆られた。
俺も経営企画室のお偉いさんには嫌味言われてるけど、この人達だってきっと冷遇されてて、社内では”おもちゃプラント”とまで揶揄されているんだから立場は同じ。単純に俺がこの商材を売れば問題は解決するやん?って何の根拠もない自信が湧いてきたんだ。

その商材が赤字続きの大きな問題点は販売チャネル。
土木用用途で、販路は商社を通じてのルート1本だった。その価格は建設物価版に掲載され変えようがない。ならば、用途を見直して新たな販路を作れば、価格はこちら主導で決められると思った。

そこから、自分だけではなく取引のあった他の販売ルートの商社も通じてサンプルを配り歩いた。

そんなことを始めて数ヶ月経過したころ、1軒の大手薬品メーカーからお声が掛かる。
その商材を欲しいと言ってこられた。
直ぐにその会社に伺って、詳しく話を聞くとその商材を使って消臭剤を作るという。
うちの商材と言うのは球状の吸水ポリマー。当時は未だ国内で生産しているのはうちとそのシェアをほぼ持っている大手メーカーの2社だけだった。
しかし、うちの会社の特徴は当時、その大手メーカーより大きな球状のものが出来るということ。
これに着目した大手薬品メーカーさんがそれに消臭剤を吸水させポリマーが膨張、使用すると消臭剤が拡散してその吸水ポリマーも痩せていくことに着目して、使用期限が一目で分かる物を作ろうとしていた。

結果的にその商品は当時、発売して直ぐにヒット商品となり、メディアでも取り上げられたことがきっかけで更に売り上げを伸ばした。

当然、うちの会社の商材の売り上げも毎月倍々ゲームのように増え、私が担当開始時点の月間売り上げが200万程度だったものが、簡単に毎月1000万円を売り上げる商材となった。
勿論、価格も強気の設定で赤字解消できる価格帯で売っていた為、一気に黒字転換した。

結果的に私が担当していた僅か2年でコンスタントに売り上げは年間1億円を軽く突破。文字通り、私は経営企画室のお偉いさんには嫌味を言われなくなったし、現場の方々にも笑顔が戻って社内でも胸を張って仕事をして貰えるようになった。

これが、俺の産れて初めて『転職だと感じた瞬間』

それをやってのけた当時の俺の年齢は23~24歳の頃。
その経験が活きているのか、未だに

『固定概念に囚われるな!』

と言うのが信条。

何処にチャンスが転がっているか分からないから、人の話はよく聞く。
想ったらそれを信じて行動するのみ!
やってみなきゃ、何事も分からない。
成功か失敗かの審判は世間が下すもの。

何かそういうことを身をもって教えられた気がした。

俯瞰的に物事を見る大切さってこういうことなんだなって…

あれから、約30年経つが、当時その大手薬品メーカーの担当者の方は当時の看板商品に変わる次世代の看板商品にしますと豪語されていたが、仰る通り今もその商品が店頭に並んでおり、ロングセラー商品となっている。

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