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「ナイルに死す」~YouTuberとの読書会がレべチだった~

タイトルのまんまなのだが、本日参加したYouTuberとの読書会がすごかった。"レべチ"とかそういう崩れた若者言葉はなるべく使いたくないが、使っちゃうくらい興奮している!

Zoom開催で参加者は10名ほど、うちYouTuber2名。一人は登録者5万人。もう一人は登録者1万人ほど。どちらも映画考察系YouTuberだ。

私は映画考察を見るのは好きなので、二人のことはもともと知っていたし、動画もかなり面白いのでちょくちょく見ていた。

今回の読書会は一冊課題本を決めてそれについて語り合うというもの。今回は今年映画化するということもあって、アガサクリスティの「ナイルに死す」が課題本だった。(映画タイトルは「ナイル殺人事件」)

古典ミステリ、しかも500ページ越えということでかなりとっつきにくかったが、意外にも文章が平易でどんどん進む!ただ私は登場人物が多く&英名ってのがどうも無理で、まったく誰が誰だか分からなくなり、「ふ~ん、こんなもんかぁー。」というなんとなくの雰囲気で読了。

読了直後の感想としては、

・ポアロが推理勿体ぶりすぎてイラつく。

・殺人事件と関係ない細かい事件が鬱陶しい。

・無駄な伏線多すぎ。

・序盤で犯人の察しが付いた。

というようなネガティブなもので、面白かったと言えば面白かったけど、こんな令和にまで読み継がれるものかぁ・・・?としっくりこなかった。

読書会開始早々、YouTuber二人は「めっちゃ面白かった!」と興奮気味、参加者は無言の笑顔でうんうんと頷いている。もちろん私も。Zoomだとなかなか自由に声を発しづらい・・・。

私は序盤に指名され、感想を求められた。取り繕っても仕方ないので正直に言った。「登場人物が多くて、よく分かりませんでした。結局主要人物3人しか頭に残らず、結果的にあの二人が犯人だったって感じで、あんまりサプライズも無く・・・って感じでした。」

・・・私は一時間後、このあまりにも浅はかな自分の発言を大いに恥じることになる・・・。

というのも、このYouTuber二人の考察が本当にすごい。普段は映画を考察している二人だけれども、本においてもその本領を発揮。

アガサが冒頭で「これはゴシップだ」と言い張って、その姿勢が最後まで貫かれていることと、500ページ越えの大作を書いておいて、その書いた本人が著作をただの「ゴシップ」と言い張ることのすごさ。物語が進むにつれ変化するエジプトの描写、最後の一文「問題は未来であって、過去はどうでもいいのである」に含まれた皮肉の意味、登場人物全員を怪しくする描き方、伏線回収の丁寧さ、一気に読ませる展開と文章のうまさ、ミスリードの数々、登場人物全ての人物描写・・・

私が「ふーん、こんなもんかぁー」で終わらせたこの小説にそんなにも多くの面白いエッセンスや読み方があったなんて!そして私がイラッとしていた無駄な伏線の数々、それこそ楽しむべきところだったいうこと・・・。なんと私の読み方は浅かったのだろう!!私は本を読む方なので読書に関しては自負している部分も大きかった。が、これは自分の読書の仕方を見直さなければならないレベルの読解力の違いを見せつけられた、、地味にショック・・。

おまけに、二人のしゃべり方(もはやプレゼン)もめちゃくちゃすげぇ!と感動。普段は動画の中でしか見ないような人たちだけど、こうやってリアルで話を聞いてもやっぱり面白い・・・ということを実感した。

正直、本音を言うと、やっぱりどこかでYouTuberって、、、プププッ、芸能人になり損ねた人たちね!ふざけて動画取って金儲けしてる人たちネ!はいはい!みたいな超絶穿った見方をしてしまう性格の悪い私であるが、リアルでこうして少しだけど会話もしてみて、やっぱり作品の理解力とか考察力とか本当にすごいし、話し方や表現もめちゃくちゃ惹き込まれるもので、素直に魅力的な人達だった。YouTuberって、すげぇ・・・、編集無しでも面白いんだな・・・ってのが今日一番の発見。だってもはやもう一度読み返したいくらいの心境だし、なんならアガサクリスティもっと読みてぇー!衝動で「オリエント急行殺人事件」アマゾンでポチったもんね。

嫌いだったものを好きにさせるってすごい力。


以上、YouTuberはすげぇよという話でした。

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