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アララ日誌(11/11〜11/17)

11/11 (月)

・伊集院とらじお(藤井健太郎ゲスト) 
伊集院「水曜日のダウンタウンは、尖ってると責めてるという表現をされがちですけど、僕は単純に一番おもろしい番組だと思ってます」
藤井さんは『悪意とこだわり演出術』に沿ったことを話していた印象。あの時期から増えているのはクロちゃん企画で、「お化け屋敷だからね、あれは」と。

・小沢健二ライブ2019「飛ばせ湾岸」
4ピース編成で、ロックでラフで、横溢するほどのエネルギーに満ち溢れていた。アクセルガン踏み。楽しむことや生きることにブレーキなんていらない。
余談だけど、新木場の和食ダイニングで食べた栃生揚げ(おあげを焼いて味噌とネギをかけたおつまみ)こそ、宇宙だよ。と思った。その隣にあった「炙り道場」というホルモン屋も気になる。新木場飯、開拓したい。

・「AERA」小沢健二インタビュー
ライブを観る前に地元のコンビニで買った。子供と大人の差なんて社会の制度によって決められるもの。無理に大人になりなさいと言う必要なんてない。だって宇宙からみれば僕らはみんな一つの世代を生きているのだから。そんなことを言うオザケンは理想家なのかもしれないけど、分断の時代を生きる僕たちにとって、一番必要なスタンスだよね。

・『オノ・ナツメ展』@増田まんが美術館 
「横浜市」開催だと思っていたら、秋田の「横手市」開催だったので、諦め、、、ずに行ってきました。大好きな漫画家オノ・ナツメさんの原画やネームや未発表作品に溢れた超幸せ空間でした。基本Gペンではなく丸ペンを使うらしいです。この企画展は、講談社・集英社・小学館・文藝春秋・スクエニ・竹書房・太田出版が協力することで実現しているとのこと。「圧巻」という言葉は中国の科挙で巻物が積み上がるさまから生まれたそうだけど、ガラスにはめられた大量の原稿用紙も圧巻の景色。詳細は別記事書きます。

11/12 (火)

・『窓展』東京国立近代美術館

東京国立近代美術館窓は隔てるものでもあり、つなげるもの。そして、枠組みでもある。それをどう捉えるか、という想像力が芸術を生み出してきたのかもしれない。とある展示室(ナムジュンパイクが展示されていた場所)に書いてあった言葉がグッときた。何を映すかは、自由だ。 

・知らない人んち
二話更新。期待していたし、やっぱり企画として面白いんだけど、ドラマとしては下降線に見える。が、これはやっぱり中身じゃなくて新しいエンタメの方向性を探る実験だ。noteユーザーとしてこの企画を知った僕も、この企画の行方が気になったから一週間期待して待っているのだし。昔、バカリズムと木南晴夏メインで、ドラマ仕立て脱出ゲームを生放送していた。あれも実験的な番組だったが、すこぶる評判がよくて何かしらを受賞していた。視聴者をターゲティングした方法で何かを作ることは正しいはずだし、いずれ絶対面白いモノができると思う。そしてやっぱり、それをやるのはテレ東なのだ。すでにnoteとの共同企画第二弾が発表された。

11/13 (水)

・『So Kakkoii 宇宙』小沢健二

宇宙的なスピリチュアルな視点から、世の中を肯定した言葉たちにぎょっとさせられる。そんなことを歌にしてしまうんだ、という驚きと、往年のファンク・ミュージックや歌謡曲を下敷きにしたアレンジ。そして、奇妙なポップさを感じるメロディ。わかりにくいようで、明快だし、新しいようで古い。そんな捻れた魅力を持った作品だった。誰も真似できないし、誰もやろうとしなかったことを、小沢健二はやっているのだろう。

・『エアにに』長谷川白紙

ジャズ、エレクトロ、ボカロ、なんでもあり。カオスな音像の中に響く透き通った声とメロディ。意図した未整理感が新鮮で美しい。あらゆる文脈を網羅した新しい感性が、小沢健二のアルバムと同じ週にリリースされたことは、ある種運命的なことなのかもしれない。

・「丸ノ内サディスティック neetkills remix」椎名林檎

たしか夏の音楽特番で披露されたバージョン。Perfumeばりに踊る椎名林檎がフラッシュバックする。昔の曲をダンサブルに派手にするのってもしかしてオリンピックの開会式意識してる?

・『ROCK』木村カエラ(2013)

80年代の名曲を様々なアーティストがアレンジして、木村カエラが歌う、というカバーアルバム。高校生のときに狂ったように聴いていたこれを、Spotifyで見つける。
アーティストごとにアレンジの色が違って面白いんだけど、どんなアレンジでも歌いこなす木村カエラの凄さに気がつく。岡村ちゃんの「Take On Me」と夙川ボーイズの「Girls Just Wanna Fun」が強烈。

・「若者のすべて」槇原敬之

カバー繋がり。
声が特徴的なシンガー(桑田佳祐とか櫻井和寿とか)のカバーって曲名だけで歌ってる姿が想像できるんだけど、マッキーのフジファブリックのカバーもそうだった。マッキーの声は原曲に負けてないし、志村さんのメロディもマッキーの声に負けていない。なにより、国民的シンガーソングライターにカバーされることによって、「若者のすべて」が本物の名曲であることを思い知らされる。

・「Night Waves Come」Mo Moma

ザラついたエレクトロサウンドに、浮遊感のあるボーカルのループ。不穏な香りと奇天烈さは漂うんだけど、メロディと女性ボーカルの声がシンプルにクールでポップです。最近この手のエレクトロポップスでいいものが多い。

・爆笑問題カーボーイ
27時間テレビ向上委員会の流れで鬼越トマホークゲスト。「収録だったら殺してた」「ヒデさんの通販めちゃくちゃ売れるらしい」田中が煽り続ける絶賛ぷりだけど、お前松之丞出立てのときウエストランド見習えとか言ってたからな!本当に面白かった。『ざっくり』で発掘されたときのジャルジャル「シュールに逃げんな」今も覚えてる。毒舌キャラというもの、事務所、ネタ、コンプラ、たけし、27時間テレビ、いろんな話を太田光が若手に教えながらいじられるラリーが面白い。太田をピカソでいじる松之丞すごいなあとも思い出す。「向上委員会に呼ばれる若手はさんまの喜び組」も。ファミリーヒストリーの収録日が母親の命日、というところから始まる母が書いた社内報を読んだ時の太田さんのフリートークもすごくよかった。

・noteを運営するピースオブケイクスの深津氏のtwitterでリツイートされて知ったのだが、『科学オタがマイナスイオンの部署に異動しました』という書籍が面白かった。『私、定時で帰ります』の作者による小説。「自分の主義に反するものをあなたは売れますか?」というワンテーマでとてつもないテンポで走り抜ける、NON STYLEの漫才のような小説だった。

11/14(木)

・「Satozakiチャンネル」(You Tube)
元千葉ロッテの名捕手、里崎智也のYouTubeチャンネルが面白い。一日最低1時間は観てる。プロ野球系の時事ネタからコーチ論、チーム論まで語り口は軽妙ながら本質をついている。アスリート版宇野常寛。おすすめは「いいコーチの見分け方」。

・「合法JK」Marukido
媚びたような声と、わざとらしい気だるさ。でも、それが「パパ活」を歌ったものだからこそ、批評性がある。止むに止まれずドラッグを売っている子供を題材にしたUSのヒップホップがあるように、止むに止まれずパパ活や売春をしている子供たちを歌った日本のヒップホップがあったっていい。というか、あるべきだよね。ビート解釈は現行のトラップブームに乗っかっているけど、フロウやラップスタイルは借り物じゃない。これはコミックソングのふりをした日本語ヒップホップの静かな革命、なのかも。

・紅白歌合戦2019 出演者発表
髭男とKing Gnu、菅田将暉、日向坂は今年の顔。LiSAとキスマイ、GENERATIONSは実績からして妥当。けれどもFoorinが紅組?とも思ったし、あいみょんが外れて純烈とDA PUMPが残ることへの違和感。そして紅組と白組という枠組みも古く思えてくるのが2019。けれども、日本で一番客観的に音楽を映し出す番組だと思ってはいるから、大晦日はテレビとTwitterに貼り付くことになりそう。

・ウレロ!未確認少女
2011年放送の第一シリーズ。バカリズムの動きが軽やかという点が一番印象的。演者の芝居もゲストの使い方も、今作られたものと言われても分からないクオリティ。東京03『FLOLIC A HOLIC』のきっかけであり、佐久間×オークラ組のベストアルバム1枚目的な尊さ。ハマケンのOPライブや、早見あかり×ももクロの絡め方などが見事。『SICKS』が見たくなった。

11/15(金)

・NICO Touches The Walls活動終了発表
こういうことがあるたびに常々思うが、バンドやミュージシャンがずっと活動を続けていることは、当たり前ではない。だから、今目の前にある音やライブを追い続け、記述し続けなければいけない。
ニコに関しては、熱心なファンじゃなかったけれども、確実に僕たちの中高生時代を素敵なものにしてくれた存在だと思う。ハッピーさの中にある苦さや、ヒリヒリした感情のなかにある充足感を、彼らは歌にしていた。非常に稀有なバンドだった。失礼ながら、もっと評価されてもいい、と思う。だからこそ、メンバーが次に作り出す音楽が楽しみだし、活動終了という言葉からポジティブなニュアンスを感じ取った。

・Friday Night Plans EP
メロウでたゆたうような音楽。けれども強靭なのは、サウンドを丁寧につくっているから、なのかも。

・「Chelmico -Get It Out- 」(You Tube)
vol.3 小袋成彬@Tokyo Recording
vol.5 EXIT
仕事を遊ぶようにする、小袋成彬。遊ぶことを仕事のようにやるEXIT。どちらの価値観も、今の時代にふさわしいように感じた。そこに上手くハマるChelmicoの懐の深さと存在感のデカさ。いいよね。余談だけど「マクガフィン」って言葉最近よく聞く気がする。ライムスターと岡村靖幸の新曲も「マクガフィン」

・バズリズム02 オザケン回
トークしてないで蕎麦ちゃんと食えよ!と思って話に集中できなかったけれども、バカリズムが話していた「お笑い」の快楽についての話は面白かった。考えてるうちが一番楽しくて、人前に出た瞬間には飽きる。そしてそれを繰り返す。というサイクル。それはもしかしたら、お笑いを作る人にしかわからないのかも。普遍、ということは簡単に言えるけども、実践するのは難しい。小沢健二が池田エライザについて語るとき、それっぽく言ってるけど、ただのおじさんになってたのがハイライト。

・金スマ

衝撃だ。岡村・中居の交遊録を振り返る番組だったのだが、二人が5年間絶交状態にあったことが初めて明かされた。いまさらそんなオッサンの昔話いいよ。と思いたいのだけど、『めちゃイケ』が大好きな僕にとっては未だド真ん中。しかも、絶交期間は2002年「中居ナイナイ日本一周」にかかっていた!あの『CRAZY FIVE』を何度見たか分からないくらい面白かったけど、大変だったんだろうなすごいな。「岡村のダンスパートを中居が教えるときの空気が地獄だった」という話もあったが、そもそもあの企画がどこまでフィクションだったかということは未だ語られていないはずだ。別にいいのだ。あれは打ち合わせ綿密にやったと言ってくれても。それに、ヤラセじゃないか!と批判する人間はイケてない。片岡飛鳥総監督が二人にそれぞれ「(絶交しているのは聞いたけど)プロとしてできないか?」と話した裏話も明かされ、改めて、自分が大好きだった番組はプロの最高の仕事が詰まった作品なんだな、と感動してしまった。

・『石橋貴明プレミアム第4弾 恋する沖縄48時間ムーンビーチでタカさんチェック!』(Abema)

『ねるとん紅鯨団』を知らない世代なので、ナイナイのお見合い番組のルーツを初めて知る。「おかげでした」に間に合った世代にとって、とんねるず石橋は、破壊や無茶イジりなどのノリに羨望が向けられていた時代に取り残され印象もあったりする。が、今なお古参ファンが求めるものを守ろうと奮闘するタカさんの姿勢は、テレビやラジオでも、野猿メンバーとB-pressure結成などからも見て取れる。この、Abema×石橋シリーズも"あの頃から変わらないタカさん"を見せる場であり、チームプレイバラエティに飽き飽きの視聴者に、"絶対王者"がいるお笑いを見せてくれる砦だ。近年ブームの「恋愛リアリティーショー」と、タカさんの相性はとてもよかった。
タカさん一人で恋愛ゲームの司会を務めるのが新しく見える。下世話な指摘やノリは相変わらずだけど、今のタカさんには父性も感じる。華のあるスーパースターがビーチをバックにタイトルコールするだけで、こんなにもワクワクしてしまうのか、とギリ「おかげでした」世代は思いました。
あと、モニタリングする五人の中で満島真之介が(他 石橋、山里、吉村、みちょぱ)とてもよかった。よくよく考えてみると、こういう企画のバラエティでもなんでも、今じゃモニタリングするのがオジサンかデキる若者で、もうそれにも飽き飽きだ。フジテレビをおちょくりはしないけど。

・池袋パルコで開催している広瀬すず/アリス姉妹の写真展に行ってきた。メルカリで高騰しまくっている姉妹Tシャツがどうしても欲しくて。しかし、物販コーナーへ行くには展示スペースを抜けなければならず、図らずも学校終わりのJKたちの邪魔をしてしまった。申し訳ない。もうあの頃には戻れないんだなと。


11/16(土)

・『森は生きている』森は生きている(2013)昔はこのバンドが「ロックの未来」と言われていた。ロッキンとかMUSICAにも取り上げられてたし。惜しくも解散してしまったが、このバンドが日本のポップスの中心になっていたとしたら?ということをつい考えてしまう。

・『SONGS 小沢健二』
「つながる」ということが小沢健二の現在のテーマである。というのを、焼き鳥屋リアルタイムツイート&インスタポストという形で示していた。「彗星」のなかで歌われてる一説が、あいみょんからインスパイアされていた、という話は鳥肌が立った。彼はもともと過去の音楽を継承発展させることで言葉を生み出してきた人。その人が今度は継承される側になったことへの深い感慨があった。音楽的な意味でも、いまやオザケンは父親、なのである。けれども、彼はそんな子供たちが音楽を継承していることへの返答として、音楽を作った。子供で居続けるということは、そういうことなのかもしれない。

・我が家・杉山の悪口を1000個いただくまで帰れない酒場 (Youtube)

悪行ばかりで評判の悪い杉山を更生させるべく、先輩後輩問わず、近しい人たちが杉山に悪口を直接伝え、我が家の再生をめざす番組だ。我が家といえばこの前のロンハーの家庭訪問企画が最新だったが、それが何やらYouTube企画に繋がったらしい。ふーん、という感じだったけど片岡飛鳥が手掛けるというなら見ないわけがない。めちゃイケの岡村オファーシリーズや濱口ドッキリ企画など、タレントのプライベートに食い込む企画や、タレントの公私に関係する企画外の流れを企画に落とし込む手法はタレントが身を切る覚悟を持って成立する。そしてその覚悟が演者のリアルな感情の爆発を引き出すから視聴者も笑顔や涙を出して心を揺さぶられると思う。
この番組はタイトル通り、シンプルな企画だ。しかし、坪倉がロンハーで漏らした我が家に対する覚悟があるからこそ、片岡飛鳥が導くに値するエンタメの可能性がある。
今回公開されたのは三話まで。それぞれ企画説明と、ロッチ中岡、クマムシ佐藤の回。シリーズ通して注目すべきは杉山の変化であり、番組予告時点から、この企画が我が家の覚悟を問うリアルドキュメントになることを匂わせている。(めちゃイケの極楽山本復帰回のような)
三話までの時点では、まだ杉山がフワフワしている。あの日坪倉が見せた覚悟に比べると「お笑い」で済まそうとしている姿勢が腹立たしい。つまり、掴みとしては良い。大きな山場はハライチ岩井の登場であることは予告されているので、それまで、そしてそのあと、どう展開するのかが楽しみだ。
テロップやVTRの出し方が『めちゃイケ』で嬉しかった。

・今週分のテラスハウスを観た。春花は気の強い見た目だが、車を愛し、ポケモンを愛するあたり根っからのギークだ。香織とうまくいった別の世界線を想像せずにいられなかったが、先日、香織が某ビジネス系インフルエンサーと会食する姿がtwitterにアップされていてソッとスマホを閉じた。何はともあれ、凌のクラブグッズが素晴らしくキュートだったのでオンラインで購入した。

11/17 (日)

・Vapourwaveのプレイリスト
Spotifyのオススメ欄からかき集めてvapourwaveアーティストのプレイリストを作った。ちゃんと聴いた事がなかったので、発見や納得感があった。ケバケバしくてアーバンな音たちから浮かび上がるのは、輝かしい過去の時代とその当時から見た未来。しかしその像は、過剰に音圧の強いキックのせいか、どこか歪んでいる。

・森博嗣『小説家という職業』
サラリーマン時代、電車の網棚に置いてあったジャンプを偶然読んだら自分にも描けると感じて、実際描けてしまった。『バクマン。』に出てくる漫画家・平丸のモデルはこの人ではないか。娘が「面白い」というミステリーを読んだがつまらない。これならもっと面白いモノを自分で書けると考え、1週間で書き上げた。それがデビューのきっかけになったという天才・森博嗣による小説家という職業解説。2010年の本だが、消費者と生産者のやりとりがネットによって大きく変わり、出版社や書店、取次の在り方も変わるだろうと、今の出版会の現状をピタリと言い当てている。ビジネスとして作家人生を歩み始めてきたと言い切る姿勢は、彼のデビュー当時は美徳とされなかっただろう。しかし、戦略を練って作品を作り金を稼ぐというスタイルは今では当たり前。若い人からしたらYouTuberを生業にする文脈から共感できる部分も多いはずだ。が、あくまで「小説家を目指す人」に向けて書かれた指南書になっている。

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