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医師でも知らない難病

翌日の朝、念のためにかかりつけの個人病院へ行き昨日あったことを全て話すことにした。
不安を取り除く為に採血検査もした。白血球の数値が少し高いが特に何も異常がないという事だった。
やっと不安もなくなりホットして帰宅したのだが、
その晩、採血をしたところの血がまだ完全に止まっておらず、慌ててかかりつけの病院へ連絡、医師から「至急来てください!」病院へと駆け込む。
(採血してからは8時間以上経っていた)

[前回の話しは⬇︎]


病院へいき簡単な診察の後、念のために国立病院へ検査入院をすることになった。
 一晩入院をし、ある病名を疑われた。医師の話では胆嚢が見えないということで、恐らく「胆道閉鎖症」ではないかということだった。
聞いたことのない病気だったが、胆嚢が見えないということで大変な病気ということは想像がついた。
しかし、あまりにも突然のことで信じられず、また信じたくなかったのか「大したことはない大丈夫!間違いのはず・・・。」と自分に言い聞かせ、不思議とそれ程慌てることも落ち込むこともなかった。
 胆道閉鎖症とは、肝臓と腸の間にある胆嚢・胆管がない、もしくは閉鎖しており、肝臓でつくられた胆汁が腸へと流れ込まないという病気だ。
胆汁が流れないことによって脂肪を分解することができず、脂肪からしかつくることが出来ないビタミンKが不足しているとのことだった。
ビタミンKが不足していると血を止める働きができなく、今回のように血が止まらないなどの症状がでるようだ。 
 胆道閉鎖症の場合、早くに手術を行ったほうが好ましいということで、その日のうちに医療の整った大学病院へと移ることになった。

 大学病院へ移り胆道閉鎖症ならすぐに手術を行わなければいけないということで、まず胆道閉鎖症かをきっちりと見極める検査をすることとなる。
 採血検査やエコー、鼻から腸まで管を通し胆汁が流れているのかを直接みる検査を行う。
生後2ヶ月の小さな身体には本当にどれも辛い検査。

週2回の採血も血管が細くなかなか血が採れないので、手や足など色々な場所で血を採られ手足が紫色に変色していた。
管を通す検査では、丸一日 水・ミルクが飲めず、空腹で夜も眠れず一日中本当に大泣きだった。

 年末から入院をし、病院の一部施設も正月休みということで詳しい検査も出来ず、胆道閉鎖症の断定もできず、病名もはっきりしないまま正月を過ごすことになる。生まれて初めての正月。家族5人がバラバラだったのが本当に残念だった。
 大晦日の晩、年が明けてからだったかもしれないが、私とお兄ちゃん達二人とで自宅近所の神社へ初詣へ行った。祈ることは、「今年も1年家族仲良く、病気も怪我もしないですごせますように!!!」 「真翔が無事でありますように!!!」

 年が明けてこのまま外からの検査ではなかなか診断がつかないという事で、腹腔鏡検査をすることになった。
腹腔鏡検査とは、お腹を3~4箇所程切り小型のカメラや管を入れ造影剤を流し、胆汁の流れ・胆管の有無を調べる簡単な手術。
当然、胆道閉鎖、胆管などに問題があった場合は、そのまま胆管を切除し肝臓と腸をつなぐ手術をすることになる。
 検査を行うこととなり、真翔が少し貧血気味だったので輸血をしなくてはいけないという話が出てきた。
輸血をするとなるとやはり問題となっている血輸病(肝炎やHIV感染)などの話もでてくる。
しかし、その内容を承諾しないことには先に進むことが出来ない。入院中、薬の使用など多くの場面でこのような選択に迫られる。病気のことだけを心配するのではなく、検査や薬の使用などさまざまなリスクと隣りあわせで、親として本当に辛い・不安な選択をしなければならなかった。

 約2時間後検査の結果がでた。胆管に胆汁がきっちり流れており、胆道閉鎖症ではないという診断だった。
ひとまず、妻も私もほっとした。手術室から出てきた真翔は、いくつものチューブに繋がれ、身体には大きな4つのガーゼを着けられて出てきた。まだ麻酔が切れていないのかボーっとした表情だった。
その後、重症室で担当の医師から手術の詳しな結果を聞く。

 今回の検査で胆道閉鎖症の疑いは晴れたが、その後便の白さも回復せず黄疸の数値も高いまま。乳児肝炎など5つ程の疑わしい病気があがっているものの病名が確定しないとのことだった。
 そのまま約2週間が過ぎ、詳しく診断を行うために肝生検を行うことになった。肝生検とは長い注射針みたいなものを肋骨の隙間から肝臓に刺し、肝細胞を取ってくるという検査だ。検査といっても全身麻酔をかけられるので、やはり心配はつきもの。その他心臓のエコー検査、レントゲン検査も行うこととなった。
 肝生検から二日後、結果がでた。カレンダーはもう2月になっていた。

結果、
・肝臓内の肝細胞その中の胆管が少ない
・心臓の動脈が細い(肺動脈狭窄)
・背骨に黒い筋がみえる(脊椎蝶形)
という診断を受け、医師から伝えられた病名は
アラジール症候群


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