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詩的散文

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私の書く文章に、主人公は必要ない
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2019年4月の記事一覧

夕闇と電光に浮かぶ桜雲

夕闇と電光に浮かぶ桜雲

いつもの日常から脱線して、僕は街に出かけた。

薄く淡い陽光が空気中に霧散して街を包む。

用無しの城と、快晴を写す池がある公園では、

雲ひとつない空色と、まだ美の途中にある、紅い桜色が対照的だった。

日暮れとともに、人々は公園へと集い始める。

桜から盗んできたピンク色で染まる池の水

空間に突如現れ、景色を投影するシャボン玉

屋台から立ち昇る炭の匂い

柳の葉が畏敬の念を不気味に漂わせる

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Schizo ; 精神分裂症

Schizo ; 精神分裂症

僕の中にどうしようもない衝動が在る

“僕”が何度も壊れかけた

何もかもが不快に感じる

父の無神経な嗤いが

母が筍を囓る音が

祖母の發する声が !

なぜ、「私」はここにいるのだ!!

あぁ、なんと可哀想な手なのでしょう。

その使い方を教えてもらえず、待機しているではないか!

何でもいい、私を世に出してくれ

団欒の箱にいる憎悪、閉塞感

呼吸が苦しくなる、視界が狂う、ノイ

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