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6月18日 インフラをどう維持するのか。

6月18日ですね。

このような記事が出ていました。

鉄道を維持するため、上下分離制にし、下の路盤や線路は一般道路等と同じように自治体の税金投入で維持し、上の車両の運行は民間事業者に任せるべきという論旨です。

この記事がいうとおり、鉄道に関しての考えについて、人々の考えが歪になっている気がします。
富める都会の鉄道が、地方の衰退する路線を養っているような認識。
それに加えて、旅好き鉄好きの感傷が入り混じっている。
だから余計にややこしくなっています。

むしろ本質に立ち返り、道路などのインフラと同じ考えで維持すべき、というのが藻谷氏の主張なのでしょうね。

ただ、この記事の中でも書かれている通り、道路の方が維持費は安いのが現実です。
上下分離制にしたところで、5倍の維持費をかけて鉄道を維持するべきかどうか。
本来、大量輸送に本領を発揮するはずの鉄道が、ローカル線ではその本領を生かせていない現実があります。

私もこの数年、できる限り地方のローカル線に乗るようにしています。

そこで感じるのは、学生の通学需要を満たしている側面を除けば、ローカル線は、旅好き鉄続きのコンテンツとしてしか成り立たないのではないかと言う気持ちです。

もう、どう考えても、ローカル線沿線に人口が増える事は無いでしょう。

特に、盲腸線と呼ばれる線に関しては、もうその終着駅付近や沿線住民のためだけに税金を投入するしかありません。
その正当性をどこまで主張できるのか。

応援したい気持ちはもちろん私の中にありますが、もうそれは私自身の嗜好の問題のように思っています。

ただ、私の諦めに近い論点は、鉄道だけに当てはまるものではないように思います。

上記の記事の中でも他のインフラが例に挙げられています。つまり、鉄道と同じ論点で考える限り、他のインフラも廃止するしかないと言う結論になってしまうことです。
言い換えると、ROI(投資収益率)を念頭におき、需給のバランスだけで考えると、鉄道に限らず地方のインフラは廃止するしかないということです。

前から書いている通り、今の首都圏一極集中の状況は明らかに異常です。
東京は東京で元から住んでいた方を中心に、日本の中核となる場所の一つとして今後も維持されるべきでしょう。ただ、それを踏まえても今のバランスは明らかにおかしいです。

今、私はいろんなところを旅し、その現地の人たちと交流を深めるようにしています。

崩れてしまっているバランスを少しでも是正するには、経営の視点ではもう不可能です。

地方を訪れ、その地のインフラの課題に遭遇するたび、私たちが一体どこに投資しどこを守るべきなのか、判断が求められているように思います。

私企業でやれるべき点はないか。AIやIoTや3Dプリンターの技術でできることはないのか。そう思うことが多いです。
ただ、上記のような技術を使ったとしても、今の状況はもう待ったなしです。もう記事がいうように公金の投入に踏み切るしかないと思うようになっています。

そう判断する上で、この記事に書かれた内容はとても示唆に富んでいます。

ありがとうございます。 弊社としても皆様のお役に立てるよう、今後も活動を行っていこうと思います。