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「新・北斎展」@六本木ヒルズの森アーツセンターギャラリー(東京)

「新・北斎展」@六本木ヒルズの森アーツセンターギャラリー(東京)
https://hokusai2019.jp/
1月17日(木)~3月24日(日)開館時間10:00~20:00、火曜日は17:00まで

番組を見て予習済み!
とても楽しみにしていた新・北斎展に先日行ってきました。

日曜日の15:30ごろ、エレベータで上がるまで40分待ち。
上がってから入場までは5分ほど。
会場内はそこそこ混んでいましたが、フェルメール展ほどではありません笑
年齢層は30代~で、外国の方もちらほら。

北斎を研究していた永田生慈(2018年に亡くなられました)さんの集大成として開催された本展。
今回出典されている作品の多くは島根県立美術館に収蔵されているとの事。
東京で多くの北斎作品を見れる貴重な機会です。

葛飾北斎といえば

日本のブランドイメージを決定づけた人。
欧米でジャポニズム旋風を巻き起こした人。
江戸時代から今日まで、ずっと世界中に影響を与え続けている人です。

北斎は生前から知れ渡っていた存在だろうけど、
まさか海を超えて世界中で、しかも200年以上経った現代でも
自分の絵が、自分が多くの人に知られているとは想像してなかったでしょう。

名前変えすぎ問題

「葛飾北斎」という名前で知られてますが、
北斎を名乗っていたのは30代後半-50代の一時期だけ。
知りませんでした。

北斎は30回も名前を変えたそうです。
世の中や心境の変化とともに画号を変えて、
絵のスタイルも変えて、晩年に名乗っていたのは「画狂老人卍」笑
絵の技量と同じくらい変わった人だったんだなと伝わってきます。。

浮世絵を極めた「為一」期

北斎時代の後、為一と名乗っていた時期の絵は
それ以前の絵よりも完成度がガツンと上がっています。
どれも見応えあり、時間をかけて見たいものばかりです。

為一期になると、本当に絵が精緻で線が針よりも細いのですが、
名もなき彫師と摺師に思いを馳せられます。
これらの絵を世に出せたのはかなり腕の立つ彫師と摺師がいたからです。
版木も展示されていましたが、細かく掘られておりひたすら感心しました。

そしてなによりも、きちんと管理されていたのでしょう、色がとてもきれいに残っていました。
藍色がとてもきれい。
ラピスラズリを連想するようなきれいな色。
藍色の濃淡だけで描かれた絵もありました。
日本画ならではの色使いが素晴らしく、摺師の腕の良さが際立っていました。

自然が師である。「画狂老人卍」期

北斎は、「師造化」という落款を使っていました。
自然を師とするという意味なので、ここはダヴィンチといっしょだなと。

絵が精緻すぎて浮世絵では表現しきれない場面が多くなり
晩年には肉筆画を主に描いていたという北斎。
70代で代表作「富嶽三十六景」を発表し一定の評価を得たあとでも、
絵の究極を求め続けていた姿勢が見て取れます。

弘法大師修法図

「弘法大師修法図」は最晩年の、集大成の絵ですが、
すごい迫力です。90歳でこの絵を描く北斎の意気込みよ。
魂感じます(魂感じる絵が好き笑)

何よりも大きい。思っていたよりも大きかったです。
なので空海の腕や額に浮かぶ血管など、北斎の工夫もわかりやすいです。

北斎は日常のささやかな一瞬を描いた作品が多かったように感じますが
この絵のはそんな静けさはなく、絵を極める執念と迫力が込められていると思いました。

とてもボリューミー。体力と時間の配分だいじ。

出品されている作品数は約480件(会期中展示替えがあるとのこと)。
体力と時間の配分を考えてみていかないと、
北斎が絵の境地に近づいた晩年の絵をじっくり見れなくなります!

私は時間がなく、最後は流し見に近い状態に・・・
西新井大師總持寺が所有している「弘法大師修法図」はも少しちゃんと見たかったな。
展示替えしたらリベンジしようかな。

#コラム #美術 #美術館 #浮世絵 #日本美術 #美術鑑賞 #森美術館

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