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小5の凄腕バイヤー『モント』

私は大阪生まれの大阪育ち。
大阪の街が好きなんです。
温かいし、人の距離感も好きでした。
グイグイくる感じ。

大人と八百屋さんとのやり取りも
面白い。


『ちょっとそこのお姉さん』
めっちゃお年寄りやん!
という人に声かけてます。


お金を支払う時に
『これもつけとくわ!』
と何か別の野菜もつけてくれたり
お釣りを返す時には
『はい、300マンエンのお返し〜』
と300円返してくる。


オバちゃんの言葉も面白いし
お客さん同士が喋るのも楽しい。


そんな土壌だからか
子どもも早くから商売人とのやり取りを
覚えて値切るようになる。


私の友達のモントの話をしますね。
小3から同じクラスになった友達。
愛くるしい笑顔と物おじしない態度と
声のデカさはピカイチの男。


小5の頃、流行っていた川釣りに
モントと一緒によく行きました。


だんだん釣り道具にもこだわりだした。
隣町に大きな釣具屋さんがあり
モントと自転車で足を運んでいた。


そこで、モントは店で1番お偉いさんを
素早く見つけて近寄る。

子どもらしい可愛い笑顔で

『なぁなぁオッチャン。竿ほしいねんけど、
高くて買われへんねん。ちょっとまけて〜や』

と言う。


店長とおぼしき人は
「わかった。わかった。どれがほしいねん?」
と聞く。


『これ』と
モントは五千円の竿を指差す。
「あーこれか。よし、千円まけたろ」
と店長は言う。


モントはすかさず

『ムリムリ、三千円しかないねん。
半分の二千五百円にして〜や』

と笑顔で言う。

この後、少しのやり取りがあり
結局、店長は
「君には負けるわ〜。わかった。ほな
二千五百円な。半額にされたがな〜」
と笑いながらまけてくれた。
レジの女性店員には口添えしてくれた。


五千円の竿を半額にするモント。
頼もしい〜


帰り道にモントは
『ホンマは五千円あるねん。二千五百円余ったから、これでタコ焼きおごったるわ』
と愛くるしい笑顔を向けてくる。

小5ながら、
まるで凄腕バイヤーの貫禄だ。
小学生という武器を存分に使い
自分の価値をわかっている。


私はモントに弟子入りし
釣具屋さん、小売店等で値切り倒した。

当時のジャスコ(現イオン)のカメラ屋さんで
値切った際には、店長に
『ここで値切られたん初めてや!』
と言われたものだ。


基本、商売人は会話のやり取りを楽しむ
傾向がある。
そこを、くすぐりながら
話を進めると良いとわかった。
あまり嫌がられたことは無かったかな。


私は弟子として
すくすく成長していきました。
モントのおかげで
お金のやり取りの実践を重ねる
ことができたのは幸いでした。


30年以上、モントには会っていない。
今もあの愛くるしい笑顔で
値切りまくっているのだろうか?


同窓会で会える日が早く来てほしい。
きっと、noteに書くネタ満載の会話が
聞けるはず。
その時はまた皆さんに報告しますね!


最後まで読んでいただきありがとうございます。


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