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「#わきまえない女」にすすめたい映画『デブラ・ウィンガーを探して』

東京五輪組織委員会の森喜朗会長の女性蔑視発言を受けて、ハッシュタグ「#わきまえない女」「#森喜朗氏は引退してください」が日本のトレンドのトップ3に入ったそうです。

「#わきまえない女」の文字を眺めながら、ふと頭に浮かんだ映像作品が、ドラマ『曲げられない女』(2010年)と大河ドラマ『八重の桜』(2013年)と、映画『デブラ・ウィンガーを探して』(2003年日本公開)でした。

菅野美穂さん主演の『曲げられない女は』は、9年連続で司法試験に落ちているパラリーガルが主人公。脚本は遊川和彦さんで、この頃は『女王の教室』や『家政婦のミタ』など充実してましたね。そして、朝ドラ『純と愛』…。

どうしても自分を曲げられないために、大切なものを失ったり大きな傷を負いながらも、一人闘い進んでゆく女性を描いたドラマ。

綾瀬はるかさん主演の『八重の桜』は、福島県会津出身で、同志社の創設者・新島襄の妻・新島八重の生涯を描いたもの。賊軍の汚名を着せられた会津のために、鶴ヶ城籠城戦では男装して入城、新政府軍とスペンサー銃で戦う姿に涙。

「ならぬことはならぬのです」たとえ「悪妻」と呼ばれようが、“不義には生きない”会津の頑固女。維新後、米国帰りの新島襄の妻となった八重は、男尊女卑の世情の中、時代をリードする“ハンサムウーマン”となっていく。

そして映画『デブラ・ウィンガーを探して』。女優ロザンナ・アークエットが初監督を務めたドキュメンタリーで、メグ・ライアンら34人のハリウッドトップ女優たちにインタビューをしていきます。

子育ての失敗を告白したジェーン・フォンダ、仕事と家庭の両立の困難さを素直に語ったダイアン・レイン、演技力のコンプレックスを吐露したシャローン・ストーンなど、その素顔が垣間見られる映像は貴重。また業界内のバクロ話なども。

2017年、大物映画プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインが、セクハラやレイプで告発され、逮捕されるはるか以前、MeToo運動の先駆的作品ともいえるでしょう。エージェントから、仕事が欲しければプロデューサーと寝るように言われたとか、赤裸々な話も。

最後に、劇中で女優のフランシス・マクドーマンが語った力強い言葉「40代に入った女性は外野に追いやられる。ホリーと話していてわかったのよ、女優が整形手術をしてはいけない理由がね。私は今44歳だけど、あと10年もすれば54歳の女の映画が必要になるわ」。

2018年、『スリー・ビルボード』で彼女は2度目のアカデミー主演女優賞を獲得。男性優位主義の中で権力を誇った“裸の王様”は追放され、米国映画界も変わりつつある現在、さて日本はどうなんでしょうね?




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