ドラマ日記『ドラゴン桜』(初回)&『青天を衝け』(第11話)ほか

かつて三流高校から東大合格者を輩出した元暴走族の弁護士・桜木建二(阿部寛さん)が、元教え子の水野(長澤まさみさん)と共に、破綻寸前の高校を再建しようとする『ドラゴン桜』初回。前作とは別物の「日曜劇場」風味でした。

桜木は法律事務所を設立し、学校再建のエキスパートとして順風満帆な弁護士人生を歩んでいた──。そんな中、経営破綻寸前の龍海学園で、教頭・高原浩之(及川光博さん)が、桜木による再建案を提案する。しかし、理事長・龍野久美子(江口のりこさん)は進学校化に反対し、意見が割れていた。

続編ドラマにも色々な方向性があると思いますが、今回は放送枠を金曜→日曜劇場に移動させ、脚本家も変更。演出を『半沢直樹』などで知られるTBSのエース福澤克雄さんが務めるということで、まるで別物であるかのように、「日曜劇場」風味のある作品に仕上がっていました。

前作は、社会的メッセージが根底にはあったものの、独自の受験テクニックを前面に出した明るい学園ドラマでしたが、今回は、学校経営の危機と学内対立、生徒たちの表と裏の顔、桜木の過去の挫折と元教え子の復讐、ネット社会の歪みやマスゴミなど、複雑かつ重めで、社会派ドラマ寄り。

ツッコミどころはありつつも、きっちりと盛り上げてくれるのが日曜劇場。元生徒役の紗栄子さんや林遣都さんをサプライズ登場させ、前作の山下智久さんや新垣結衣さんの出演を期待させる手法も見事。地味と言われた新生徒役もなかなかいい。加藤清史郎さんなどは、安心感すらあるなあ。

続いては、“日本資本主義の父”と呼ばれる、渋沢栄一(吉沢亮さん)の激動の人生を描く、大河ドラマ第60作『青天を衝け』の第11話。

惇忠(田辺誠一さん)の横濱焼き討ち計画を秘密裏に準備する栄一。武器や仲間を集め始める。一方、謹慎を解かれた慶喜(草彅剛さん)は、将軍・家茂(磯村勇斗さん)の後見職となり政の表舞台に復帰するも、薩摩の島津久光(池田成志さん)らから「一刻も早く攘夷の決行を」と迫られ…。

現代の視点から見ると尊王攘夷にかぶれ、無謀な焼き討ち計画を夢想するなど、痛々しい栄一たちではありますが、これらの迷走を経て、初回に栄一が慶喜に叫んだ「徳川家はすでに命が尽きています」「(自分を)取り立てて下さい」につながるのでしょうから、しばらくは仕方なし。

円四郎(堤真一さん)に再会した慶喜の笑顔も良かったのですが、今週は栄一の父(小林薫さん)がMVP。そこに千代(橋本愛さん)がナイスアシスト。小林さんは『ふぞろいの林檎たち』の最終回を思い出しました。嫁に辛く当たる母(佐々木すみ江さん)に、無口な息子がついに口を開くシーン。

もうよせよ、お母ちゃん。若いもんがどうだか知らないが、世間がどうだか知らないけど、俺は幸子じゃなきゃ嫌なんだ。お母ちゃんはそんな事信じないかも知れないけど、そうなんだからしょうがねえ。こいつが良いんだからしょうがねえ。

最後は、7月期の新ドラマ『武士スタント逢坂くん!』。漫画原作で、江戸時代の春画師が、現代のエロ漫画家のアシスタントになるという、一種のタイムスリップもののようです。主演はジャニーズWESTの濱田崇裕さん。脚本は、今期『RISKY』『カラフラブル』を掛け持ちしている坪田文さん。

江戸時代の人気春画師・逢坂総司郎が、処刑寸前で現代にタイムスリップ。マンガ家・宮上祐樹のエロ漫画に感激し、アシスタントに。さらに、一人の女性に一目ぼれするコメディ。

春画といえば、4月24日~5月1日に開催されるインターネットの祭典「ニコニコネット超会議2021」の「ニコニコ美術館」で、ネットで鑑賞ができる展覧会「春画展」を開催してるそうですよ。

2013年には大英博物館で、2015年には永青文庫で春画展が行われ、長蛇の列ができたこともありました。いずれ春画については、別記事で書きたいと思います。


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