女優ノート『夏木マリさん』
気になる女優さんの出演作についての覚え書き「女優ノート」。今回は朝ドラ『おかえりモネ』に出演、主人公(清原果耶さん)の下宿先の資産家を演じる夏木マリさん。
1971年にアイドル歌手としてデビュー後、1973年に改名してセクシー・シンガーとして再デビュー。歌手と並行して、舞台や映像作品にも進出、多彩な活動で知られます。また、『カーネーション』(2011年)では、主人公の晩年を演じた、朝ドラ主演女優でもあります。
民放ドラマでいうと、まずは『毎度おさわがせします』(1985年)。思春期の性が描かれた青春コメディで、中山美穂さんのデビュー作として知られます。夏木さんは、ヤンキー中学生役の中山さんと格闘する母親を演じました。旦那役は板東英二さん。
80年代放映当時に、その過激な内容で日本中のお茶の間を騒がせた青春ドラマ。性への関心が人一倍高い、徹(木村一八さん)と祐介(高橋一也さん)と良太(江端郁世さん)。中学生の彼らが、毎回家族や街中の人々を巻き込んで、ドタバタ劇を引き起こす。
2000年代に入っても、『野ブタ。をプロデュース』(2005年)、『医龍-Team Medical Dragon-』(2006~2014年)、『夜行観覧車』(2013年)、『ファーストクラス』(2014年)、『中学聖日記』(2018年)など人気ドラマの出演多数。
映画では、『鬼龍院花子の生涯』(1982年)や『北の螢』(1984年)などのセクシー系から、『男はつらいよ』シリーズ(1989年~)などがありますが、ここではヒット映画『ピンポン』(2002年)。夏木さんは卓球場を経営しているオババ役。クールでカッコイイです。
高校卓球を舞台に、卓球のナンバー1をめざすペコ(窪塚洋介さん)と、実力と可能性を秘めながらも、ペコの背中だけを見続けようとするスマイル(井浦新さん)など、5人の若者たちの青春ドラマ。宮藤官九郎さんの脚本による傑作。
最後はやはりアニメ映画『千と千尋の神隠し』(2001年)でしょう。宮崎駿監督の代表作にして大ヒット作のこの作品で、夏木さんは、湯屋「油屋」の経営者の魔女・湯婆婆と、その姉の銭婆の二役を演じました。釜爺役の菅原文太さんと共に、一番印象に残る声でしたね。
引っ越し先の家へと向かう途中、異世界に迷い込んだ10歳の少女・千尋が、名を奪われ「千」と呼ばれるようになり、その町を支配する魔女・湯婆婆の下で働き始める。様々な出会いと試練の中で、成長し“生きる力”を取り戻していく姿を描く。