希望ある未来へ『おかえりモネ』最終週

朝ドラ『おかえりモネ』の最終週となる第24週「あなたが思う未来へ」。演出はチーフの一木正恵さん。最後まで容赦ない脚本ではありましたが、現実世界のその先までを描き、希望ある未来を見せてくれました。

月曜日、モネ(清原果耶さん)の職場に菅波(坂口健太郎さん)がやってきた先週の続きからのスタート。りょーちん(永瀬廉さん)の大事な人をなくすかも知れないという不安への、菅波の回答が満点。その後のりょーちんの行動への後押しとなりました。

まったくの不可抗力で突然大事な人を失ってしまうという可能性をゼロにはできません。未来に対して僕らは無力です。でもだから、せめて今、目の前にいるその人を最大限大事にするほかに、恐怖に立ち向かうすべはない

みーちゃん(蒔田彩珠さん)との待ち合わせの場所となった喫茶店。りょーちんは「時々、俺より苦しそうなんだよね(後の伏線でした)」「心の底から笑えるようにしてやれんの、たぶん俺しかいない」と宣言。人目も憚らぬハグでした。

まさかの耕治(内野聖陽さん)が“逃亡”した翌火曜日、酔って帰ってきたコージーに、一瞬小動物化した菅波でしたが、コージーを持ち上げながら上手く話しを進め、見事な結婚挨拶。しかーし、先輩医師の中村(平山祐介さん)から、例の感染症らしい問題で、東京に呼び戻される展開。

モネに見送られる菅波が、不穏なスローモーション映像で始まった水曜日。みーちゃんが抱えていた本当の闇が明らかに。震災時、「おばあちゃんを置いて逃げた」の告白に視聴者層然。「あと2回」がトレンド入りなど、最後まで容赦ない脚本。

木曜日、気仙沼にやってきたサヤカ(夏木マリさん)に改めて感謝を述べ、妹にとってサヤカのような存在になりたいというモネ。その流れで、みーちゃんを浜に連れ出し「みーちゃんは悪くない」「これからは私がここにいる。だから今度はみーちゃんが好きな所に行きな」と背中を押しました。

時が経ち、みーちゃんの大学合格&りょーちんの船購入祝いに集まった幼馴染メンバー。壁には恐らく宇田川さんの書。 スーちゃん(恒松祐里さん)は「私が育てた」のノロケ発言。そしてついに、何年も封印していたサックスの箱をモネが持ち出して(いいところでやってくるりょーりん)。

金曜日、やっと箱を開けることができたモネに、スーちゃん、そしてりょーちんが「おかえり、モネ」の伏線回収(数度目)。りょーちんの船の初出航。新次(浅野忠信さん)からもらった長はんてんを着て、船の上で雄叫びをあげるりょーちんの解放感よ。

一方で、初出航のお祝いには行かないという耕治の言葉が、簡単ではない現実を忘れさせない鬼脚本(誉めてます)。

そして2年半。塾(または民宿?)の子供たちと浜辺で語らう亜哉子(鈴木京香さん)とモネ。やがて、モネの背後に「#俺たちの菅波」が!例の感染症が終息したと思われる未来の中で、二人はハグ&手つなぎ。『とと姉ちゃん』の悲恋リベンジを果たしたね、星野(葉っぱの兄ちゃん)‼

5月17日からスタートし、約半年の全120回を視聴者として完走。ここ数年、毎回朝ドラは見ていますが、1回も欠かさなかったのは、『まんぷく』(2018年)か『ひよっこ』(2017年)以来かも。出演者&スタッフのみなさんお疲れさまでした。賛否ある意欲作でしたが、自分は高く評価します。



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