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映画日記『耳をすませば』

週一で映画館に足を運ぶ新習慣の第12弾。今回は、ジブリアニメ『耳をすませば』(1995年)の10年後を、実写映画で描く『耳をすませば WHISPER OF THE HEART』。当初は2020年公開の予定でしたが、例の感染症の影響でやっと公開となりました。

10年が経って24歳になった雫(清野菜名さん)は出版社に勤めて児童小説を編集していた。いつしか小説家になるのを諦め、夢を追って海外で暮らす聖司(松坂桃李さん)との間に距離も生じていたが…(シネマトゥデイより抜粋)。

以下、ネタバレあります。

アニメ版との設定などの違いが大きくいって3つ。一つは時代。アニメ版は1994年設定(作中のカレンダーで判明)。それに対して、実写化版は1987年に雫と聖司が出会い、1988年にイタリアへ。10年後の1998年が物語上の現在という設定。

二つ目は、聖司がイタリアへ旅立った理由。アニメ版ではヴァイオリン職人になるためでしたが、実写化版ではチェロ奏者を目指すためで、実際その夢は叶えている設定。

三つ目は作中に使われる曲。アニメ版は替え歌含め、「カントリー・ロード」が使われましたが、実写版は「翼をください」。エンディングでは、杏さんが歌っています。

ここからは感想。10年後を描くということで、中学時代は回想程度の描写と思っていたら、中学時代と1998年が同量程度、交互に描かれていて、アニメ版の名シーンが随所に実写版でも見られるという、アニメファンを楽しませるつくりになっています。

一つだけ挙げるなら、図書館で働く中学生の雫の父が弁当を忘れるシーンが、実写版でも描かれているのですが、1998年でも雫の父が弁当を忘れ、雫が届けることに。この中学時代の(アニメ)シーンが、1998年でも同じようなシーンで使われるという伏線は、最後の最後に活きてきます。

前半は、小説家になるという夢と、半人前の編集者としての現実の中で葛藤する雫がメインで描かれ、出した結論がイタリア行き。ここでハッピーエンドになるかと思いきや…。

帰国した雫に聖司から届いた手紙の内容は、遠距離恋愛は終わっても、ソウルメイト、みたいなこと!?あーそういうオチにするんだ、とちょっと残念に思いかけていると大どんでん返し。さて、どうなったか。結末は映画館でどうぞ。

映画としての完成度はそこまでではないと思いますが、ジブリアニメで『耳をすませば』が一番好きな自分としては大満足。アニメで完結した作品のその後を実写で描くなど、野暮という意見もあるでしょうが、描いてくれてよかった。

松坂さんは英語やイタリア語、チェロも相当頑張っていますし、清野さんも感情の幅の広い役どころを熱演。と同時に、雫と聖司の子役時代を演じた安原琉那さんと中川翼もすごく良かったです。

安原さんは最初はちょっと似てないかなと思ったのですが、シーンを重ねるごとにもはや雫にしか見えなくなり。中川さんは顔もちょっと松坂さんに似ているので、こちらは最初からはまり役。ちなみに、中川さんは松坂さんと同じトップコート所属で、絶賛売出し中というわけです。

余談:昨夜の『相棒season21』の第2話。寺脇康文さん亀山薫が特命係に復帰。


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