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俳優ノート『片岡鶴太郎さん』

気になる俳優さんの出演作についての覚え書き「俳優ノート」。今回は、朝ドラ『ちむどんどん』に出演中の片岡鶴太郎さん。太田プロダクション所属。

声帯模写、モノマネ芸人としてスタートした片岡さん。『オレたちひょうきん族』で、当時の事務所の先輩であるビートたけしさんとの「熱々おでん」芸が爆笑を誘い、一躍ブレイク。

当時は小太りで、その頃出演したのが大ヒットドラマ『男女7人夏物語』(1986年)と『男女7人秋物語』(1987年)。弄られキャラながら、シリアスな芝居もあり。高校時代は演劇部で、3年生では部長も務めたそうで、下地ができていたんですね。

そんな片岡さんはたびたびキャラクターイメージを激変させてきました。最初はボクサー。1988年、体を絞り込みプロボクサーテストに見事合格。鬼塚勝也さんや畑山隆則さんのセコンドまで務めました。

同年に出演したのが映画『異人たちとの夏』。『ふぞろいの林檎たち』の山田太一さんの小説を、「市川森一脚本賞」で知られる市川さんが脚本化。『時をかける少女』などの巨匠・大林宣彦監督がメガホンを取りました。

中年のシナリオライター(風間杜夫さん)が、幼い頃に亡くなった両親(片岡さん、秋吉久美子さん)と出会うという一種のホラーなのですが、泣けます。日本アカデミー賞では、市川さんが脚本賞、片岡さんが助演男優賞を受賞した隠れた名作。

ボクサーの次に始めたのが美術。NHK『趣味悠々』(2003年)では、「鶴太郎流墨彩画塾」で講師を務めました。現在では、草津の『片岡鶴太郎美術館』を始め、全国に片岡さんの作品を展示する施設があります。

『オレたちひょうきん族』を放送していたフジテレビとの縁も強く、『季節はずれの海岸物語』(1988年~1994年)、『金田一耕助シリーズ』(1990年~1998年)に主演。『サザエさん(2009年~2013年)では波平を演じました。

『仮面ライダードライブ』(2014年)ではライダー俳優の仲間入り。大河ドラマ『軍師官兵衛』(2014年)では、赤い鼻の小寺政職を、やややり過ぎなほどユーモラスに演じました。『4号警備』(2017年)での警備会社の部長役も記憶に残るところ。

近年はヨガの本格的な実践者と知られる片岡さん。これからもどう変化していくのか、映像作品ともども期待したいところです。


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