スポーツ界の「名将」に共通する視点
✓選手一人ひとりにとって、何が必要なのか、それを見極めるのがコーチングにおける『アート』なんです
✓選手個々の能力を引き出すためには、どのようなコミュニケーションを取るべきなのか
✓コミュニケーションができていないプレーヤーを練習から外していきます
✓指示を出し合わないといけない
✓チームに最も大切なのは、チームとしてのアイデンティティやカルチャーをつくること
✓勝つことが目標ならば行動を変える必要があります
✓行動を変える為には極端な事をしなくてはいけません
✓いい練習をして、それを自信に変える
✓私が成し遂げたかった最大の目標は、日本代表が代表のジャージーに誇りを取り戻し、ファンが誇りを持って応援することだった
すべて、ラグビーW杯2015で日本代表を予選3勝に導き、W杯2019でイングランド代表を準優勝に導いた名将、エディー・ジョーンズの言葉です。
これを見れば、彼が「チームから最高のパフォーマンスを引き出す」上で、成功循環モデルを深く体得されていることが伺えます。彼がそのモデルを知っているかどうかは別にして。
スポーツチームの監督と企業のミドルマネージャー。
活躍する世界は違えど、与えられたリソースを前提にして、チームを育て最高のパフォーマンスを引き出すことを役割としている点で、実は同じような存在です。
スポーツチームの監督に憧れる人が多いのであれば、企業のミドルマネージャーに憧れる人が多くてもおかしくないのですが、必ずしもそうじゃない。むしろ、「管理職になりたくない」という人が増えているのが現実ですよね。。。(この「管理職」という言葉自体が、すでにミスリードを生んでいる気がします。)
さて、そのスポーツチームの監督には、どのスポーツの世界でも「名将」と呼ばれる人が多くいます。そして、彼ら「名将」へのインタビューも多く存在します。
そんな多くのインタビューに目を通していくと、彼ら「名将」がハイパフォーマンスなチームを育てる具体策を講じる上で、どこに焦点を当てているか?共通の視点があることに気づきます。
共通視点①名将と選手の関係性
共通視点②選手の個性
共通視点③選手相互の関係性
共通視点④共通の目的・目標の明確化
共通視点⑤勝ち方の具体策(戦略・戦術)
共通視点⑥戦術を実行・実現することにフォーカスした精緻なトレーニング
共通視点⑦選手の自信と誇り(やれるイメージと意味づけおよび自己受容)
こんなところでしょうか。
前提にあるのは、「試合をするのは、選手だ」ということ。
「選手が動き、選手を動かす」ことができなければ、結果は変わらないし、
監督がいる意味がないということ。
さて、企業の現場に置き換えて見た時に、
我々ミドルマネージャーは、自分自身の有限な時間を上記共通点のどこに割いているでしょうか?
もしかして、これ以外の何かに時間を割いていませんか?
上司への報告や上層部からの情報共有、メンバーの行動や結果のモニタリング、稟議の決裁、労務管理などに時間を割いているかもしれません。
プレイングマネージャーなら、自分の「プレイ」に時間を割くでしょう。
それらはもちろん必要なことも多くあるはずですが、結果として「名将の共通点」に時間を割けていなかったら、名ミドルマネージャーになることは無いのではないでしょうか?
特に多くの「名将」は、共通点①②③④⑦に多くの時間と労力を割いています。
そしてそこに具体的な方法論・スキルを持っています。
共通点⑤⑥は、コーチングチームで対応していることも多いでしょう。
また、インタビューにはあまり表れてきませんが、多くの「名将」はチームのフロント、つまり経営陣ともフラットで良い関係性を築いていることが伺えます。なので、選手のために、勝つために、必要な追加のリソースや環境を持ってくることができるのです。
マネージャーの視野・視界、行動様式が「名将の共通点」に向かって具体的に変化しない限り、スポーツの世界で実現されているような「チーム」は育ってきません。なので「ひとマネ」は、この変化を生み出すきっかけとなるよう設計しているのです。
最後に、サッカーの世界から。監督としてイングランド、ドイツ、スペインのリーグ戦と国内カップ優勝をすべて達成している名将、ペップ・グアルディオラの言葉を。
良い監督の条件?それは全てが終わったときに、選手が監督にかける言葉に現れるよ。
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