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チケットの一枚 6

※珍しく、少しネタバレがあります。
これからこの映画を見る方は、ここでこの記事をそっと閉じましょう。
それでも大丈夫だよ!という方は、どうぞ下へお進みください(^^)











久しぶりにスクリーンで見たよ。

めったに、映画をスクリーンで見ることがない私だが、ふと思いついて「そうだ!京都行こう!」ぐらいの感覚で「そうだ!映画見に行こう!」と映画館へ足を運ぶ時がある。

今回見た映画はこちら。

劇団・ヨーロッパ企画の『リバー、流れないでよ』という映画である。

もともと興味を持っていた劇団だった。が、なかなか舞台を観に行く機会にも恵まれず、でも一度は見てみたいなぁと思っているところへ、ヨーロッパ企画の永野宗典さんが出演したこの舞台を観劇するチャンスを得た。

俳優ムロツヨシさんの『muro式.がくげいかい』を観る機会に恵まれて、ヨーロッパ企画の永野さん、そして、当時はまだヨーロッパ企画所属だった本多力さんの演技を目の前で観た。

プロなので、当然ではあるのだが、演じられているキャラをとても大事に自分のものにされており、そして、心の底から楽しんでおられる。だから、観ている方は、遠慮なく大笑いできるのである。

それまで、テレビでも拝見したことはあったが、生の舞台を見てから、俳優さんに、劇団ヨーロッパに一歩足を踏み入れることになったのだ。

『リバー、流れないでよ』

まず、タイトルの字を見て、
「うーん・・・リバー・・・川・・・川を堰き止める???」
と妄想しながら、ホームページの予告動画を見たら、主人公のミコトが立ち尽くす場面が繰り返されている。周りもドタバタしている。
うむ、これは・・・おもしろそうだ。

京都の貴船神社から物語は始まる。ある女性の静かな参拝から、カメラは神社のふもとにある老舗旅館ふじやへ。そこで繰り広げられる、なんてない日常がふとした瞬間から、2分間がひたすらループする時間が始まる。

2分間。カップラーメンは3分間だから、それよりもちょっとだけ短い時間。ラーメンを待っている3分は長い時もあれば、短い時もある。旅館の人々やお客さんにとっては、それと同じ感覚であろうか。いや、カップラーメンより1分短いのだから、圧倒的に短いと感じるのではないかと思うのだ。

でも、この映画の登場人物たちは、その「2分間」をそれぞれの考えのもと、動いていく。最初は「2分間」に振り回される。状況が見えてくると、いったん休憩したり、それでも事態をなんとかしようと動き続けたりする者も出てくる中、今度はそれぞれの感情が飛び出してくる。

感情が出てきたら、自分がやりたいことや言いたいことが表に出て来て、彼らはそれぞれがそれぞれの願望をかなえてみようと動いて、物語は複数の展開を見せるのだが、それでも話は「2分間」のタイムループの謎を解明、解決に向かっている。

最終的には、タイムループの謎が解決されて、また時間が動き出すのだが、そのタイムループの中で、登場人物たちの感情や環境が、「2分間」でものすごく大きく動いた、そんな感じがした。

撮った!

映画を見終わった後、帰路につきながら、あの2分間のタイムループの中に、もし自分がいたら、何の感情が出て来て、どういう行動を起こすのだろう?ということをずっと想像していた。
3つ離れた席に座って、ずっとクスクス笑いながら見ていたお兄さんも、きっとそんなことを想像しているのかなと思いながら。

そして、ふと思った。
今の私の初期位置は、がん治療で月に一度受ける、あのお尻に筋肉注射のベッドの上かなと。毎月毎月、うつ伏せになり、がん細胞をやっつける薬剤が注射が入った注射を待つ瞬間が、私の初期位置で、そこからループするのは、「2分間」ではなく「4週間」と長いけれども、時間が動いてほしい、あの時に戻してほしいとか、考えて、行動して、外観は何も変わっていなくても、身体の中は大きく動いているなあと思うのであった。

『リバー、流れないでよ』オススメです!


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