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久々に構えたカメラは重かったけれど、足取りは軽かった

散歩をしていたら、黄色い花を発見した。
色彩が少ない風景の中、黄色が輝くように存在感を放っていて目を奪われた。調べてみると、「蝋梅(ロウバイ)」という花で、江戸時代に中国から日本へ入ってきたらしい。見た目的にも名前的にも「梅」の仲間かと思いきや、違う植物だという。じゃあなんで「梅」って名前つけたんや、と名付け親に聞きたいところである。

綺麗なものを見つけると、写真を撮りたい欲がむくむく。一眼レフでカシャカシャ。
カメラを持ち歩くのはかなり久しぶりだ。体力も気力も落ちて、重い物体を肩からぶら下げながら歩くなんて到底できなくなっていたのである。
最近はだいぶ体力がついてきてちょっと自信が出てきて、よし、一緒に散歩へ行こうかと棚から取り出してきたのである。

写真を撮る感覚は見事に鈍っていた。露出やシャッタースピードがうまく調節できなくて、なかなか思うように撮れない。カメラについているプレビュー画面で確認すると、手ブレもひどい。レンズを覗くが、焦点があっているのかよくわからない。目がかすむ。ドライアイだ。

なんだかムキになって撮り続けていたら、だいぶマシになった。よしよし、いい感じだ。
それでも、帰宅してパソコンでデータを拡大して見ると、ほとんどの写真がブレていて気落ちする。何十枚も撮ってやっと一枚、いい感じの写真が撮れる。素人はそんなもんである。

小気味よいシャッター音と、思い通りの写真が撮れた時の快感は、やみつきになる。やっぱり写真を撮るのって楽しい。何よりも、重いカメラを持ち歩けるくらいに元気になってきたことが嬉しい。

黒くてズシッと重いカメラを肩から下げ、ちょっと誇らしげな気分になる。足取りは、軽やかだった。

photo byあっこ



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