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休職日記#9 休職5ヶ月経った私が思うこと

休職してから5ヶ月が経った。私は今、「適応障害」と向き合っている。
医師によると、休職したての頃は働いている時の緊張感が残っていて意外と動けるらしい。私もそうで、胃腸の不調を抱えながらも結構動けていた。というか、何かしていないと落ち着かなかった。止まるのが怖かった。
医師には、とにかく何もせずにゆっくり休むようにと言われても、ゆっくりできない。そわそわする。仕事のことが頭から離れず、職場のことをつい考えてしまう。
いてもたってもいられないから、ひたすら歩き続けて気づいたら10km近く歩いた日もあった。何かしていないと不安で、英語のアプリを入れて勉強したり、何か資格を取ろうかと勉強したりした。でも、すぐにできなくなった。

そわそわ期が過ぎると、今度は起き上がれなくなる。布団と同化するのかというくらい寝続けるのだ。
私は20時間続けて寝ていた日もあった。トイレと水分摂取と少しばかり食事のために起きるだけ。食事を摂るのもエネルギーを使うらしく、すぐに疲れてしまってすぐに布団へ。
お風呂なんて到底無理で、何日も同じパジャマを着続け、ハミガミもできなかった。
いくらでも眠れた。一生この状態が続くのではないかと不安に襲われたときもあった。

しかし人間は不思議なもので、だんだんと眠ることにも飽きてくるのだ。
次第に、「そろそろ布団から出てみようか」と思うようになり、「ちょっとシャワー浴びよう」「歯磨きしよう」と少しずつ動けるようになっていった。
家の玄関前で蟻の巣をいじったり、草をいじったりできるようになり、そこから少しずつ散歩に行けるようにもなった。かと思えば、また体調を崩して寝ては起き、寝ては起き、の生活になったりもする。一歩進んで二歩も三歩も下がる。そしてまた一歩進んで…この繰り返し。

この状態が2〜3ヶ月続いただろうか。

5ヶ月経った今、入眠剤や胃腸薬を飲んでいるけれど、外には出られるようになった。
今日なんて、電車に1時間乗って遠出して旧友に会ってきたのだ。数日前、5分電車に乗ることができたのが成功体験になり、今日は割と抵抗なく電車に乗ることができた。すごい、すごすぎる。全力で自分を褒めた。

休職して思うのは、「焦らないこと」がとても大切だということ。
メンタルの不調や病気の診断をされた人は、きっとネットでいろいろな情報を探すと思う。私もそうだった。だけど、その情報が自分に当てはまるとは限らないし、あてはまらなくても不安に思う必要はない。体調が良くなるのにかかる時間も、人それぞれ。

何よりも大切なのは、自分の体の調子に耳を傾けて、「◯◯しなきゃ」ではなく「◯◯したい」を大切にしてほしい。「寝たい」「ずっと家にいたい」「誰にも会いたくない」「何もしたくない」どれもおかしくなんかなくて、全部、体と心が出している「助けて」の声だから。

金木犀の香りが、家の周りに充満している。外に出て、深呼吸。
休職している間に夏が来て、秋も来て、あっという間に時間が経った。
けれど、私には必要な時間だったなと思う。

こうして金木犀の香りを楽しめたり、友人に会うために遠出できるくらいには回復してきたのだから。


イラスト:あっこ
金木犀がいい香りですね。電車に乗りながら描いて、家で仕上げました。
絵を描いていたからか、電車でも自分の世界に入り込めて良かったです。

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