見出し画像

トルコ旅26<海辺の村オリンポス>

ギョレメのオトガルは夜8時を回っているにも関わらず、ザックを背負っている旅行者の姿をチラホラ見かけた。オトガルとはいえ待合室などはなく、外にベンチがある程度なので外でバスを待っていたが、10月中旬のギョレメの夜は寒くダウンジャケットを着ていた。

私たちが今回利用するのはYeni Aksarayというバス会社だ。予定時刻の9時少し前にバスがやってきた。アンタルヤまで8時間半の道のり。夜行バスの旅もだいぶ慣れた。大きな荷物はトランクに預け、それ以外の身の回り品はバス内に持ち込む。トルコのバスはそこまで騒がしい人は乗っていないが、できるだけバスの中で眠りたい私たちにとって耳栓は必須だ。

画像1

水やコーヒー、チャイ、ソフトドリンク、ちょっとしたお菓子がバス内で配られるのはありがたい。お菓子はその場で食べなくとも、小腹が空いた時に食べられるので助かっている。バスは途中で何度か休憩を挟み、アンタルヤに近づいてきた。朝6時前にはアンタルヤに到着。アンタルヤは町の規模も大きいようなのでオトガルもなかなか広い。

アンタルヤから私たちの次の目的地オリンポスに行くには、更にバスを2度乗り換えなければならない。私たちが到着したアンタルヤの長距離オトガルの隣に近距離オトガルがあり、そこからバスに乗り込んだ。どのバスに乗るかは、バスのドライバーらしき人や近くにいるような係員に聞けばすぐ教えてくれるから、探すのはそれほど難しくはない。ここからは1時間半のバスの旅。ちなみにこのような近距離間のバスは座席指定などもないので直接バスに乗り込み、料金を支払う。

画像2

バスの窓から見えるアンタルヤはとても大きな町だと感じた。実際アンタルヤは大都市で海辺のリゾートということで、ヨーロッパ人は結構訪れるらしくチェコ人からも人気があるエリアだ。ホンザの両親も過去に訪れている。

まだ朝7時くらいだったからか朝の通勤ラッシュのようで、中心部らしき辺りは渋滞していた。途中、進行方向の左側には海も見えてきた。生えている木も昨夜までいたカッパドキアとは全く異なり、南国にあるような木が多く、温かいエリアにやってきたんだ!という実感がわいてくる。

断崖絶壁とまではいかない海岸線をバスは走るが「静岡の伊豆に似ているな」と、ここでもまた日本を思い出していた。海を見ると日本を思い出してしまうのは、海なし国チェコに住んでいるからであり、私が静岡の出身だからであろう。

1時間半のバスの旅も終わり、オリンポス近くのバス停に到着。ここで降りたのは私たちだけだった。降ろされた場所は道路沿いにあるサービスエリア的な場所で売店、レストランがあった。そこでトイレ休憩しチャイを飲んだ。チャイは疲れた体を癒してくれる。

私たちの旅のお供のザックを並べてみた。お互い知り合う前から使っているザックなので擦り切れたり傷みもあるが、私のもホンザのもそれぞれ色々な国を一緒に旅してきたザックだ。だからこそボロくなってきても愛おしいと感じてしまう。

画像3

ここからは小さなミニバスに乗り換えるのだけど、レストランのお兄さんが「オリンポスかい?」と聞いてきた。そうだと答えると近くに停車しているミニバスを指しながら「このバスが、あと30分で出発するよ」と教えてくれた。

30分後、先ほどのお兄さんが「そろそろ出発するよ」と。そう、レストランの従業員かと思っていたお兄さんがミニバスのドライバーだったのだ。しかも乗客は私たち2人のみ。彼は英語が話せ「どこに宿泊するんだい?」と聞いてきたのでアリさんからもらったメモを取り出し「Bayrams」と言うと「OK!知ってるところだよ」と。

先ほどまでいたサービスエリアのような場所は高台の大通り沿いにあるが、オリンポスはそこから更に10km程崖のような坂道を下った場所にある小さな村である。大型バスが入れないような道を行くようで、結構な下り坂を下っていく。この辺りも伊豆っぽい。そうだ、伊豆の天城越えのような感じだ。もしくは熱海か。車で酔いやすい人は酔うだろうな・・・

20分くらい走ったら、ゲストハウスが並ぶようなリゾート地に辿り着いた。「ここだよ」と言って降ろされたのはBayramsの目の前だった。

画像4

おー!開放的でなかなかいい雰囲気ではないか。高級リゾート地でないことは分かっていたが、バックパッカーが沈没するようなチルっぽい雰囲気がある。敷地内はオレンジの木だらけで、しかも実がたくさんついているではないか!

画像5

この小屋が売店、バー、兼レセプションらしく、ここにいた人に「ギョレメの知り合いが連絡してくれたと思うんですけど・・・」と言い始めたら「アリね!!聞いてるよ!」と。対応してくれたのがどうやらオーナーだった模様。オーナーは感じもよく英語も堪能。部屋も空いてるからもう使っていいよとのことで、すんなりチェックイン完了。

オーナーが「朝食まだでしょ?朝食食べな」と。ありがたくいただくとします。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?