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【空き家の現場で16年】肌で感じたいろいろな変化とこれからの事 その3

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空き家の特措法は結局「仏造って魂入れず」だったのか・・・。

空き家問題の救世主になるかと期待された、「空き家の特措法」施行から7年がたち、今後検討会などの段階を経て、来年度の通常国会への空き家対策特別措置法改正案提出を視野に準備が進んでいます。

7年の時を経てどのような状況になってきたのか・・・。

あえて言いますが、空き家率や、空き家の戸数は問題ではありません。
管理や、利用・活用されず放置されている空き家が問題なのです。

1「空き家法」の施行から7年。空き家対策のその後

2015年5月に完全施行された、いわゆる「空き家法」(空き家等対策の推進に関する特別措置法)。
施行後7年経って、空き家対策はどのように進展しているのでしょう?
来年度の法改正も視野に入れながら、 現状の実態と課題について、詳しく見ていきましょう。

空き家対策の第一歩は、市区町村などが「空き家等対策計画」を策定することから始まります。
国土交通省が令和2年3月末時点の状況を調査したところ、全市区町村の約69%が策定済みで、今後策定予定を含めると90%を超える見込みとなっています。

次に、空き家かどうかの実態把握や、空き家の所有者の特定をする必要があります。
そのうえでそれぞれの計画に基づいて、具体的な対応策を打ち出すこととなります。

所有者が適正な管理を行えば、賃貸や売却ができるものは「空き家バンク」などに登録してマッチングを促したり、住宅以外の用途に変更して、改修などを行い活用できる空き家には再活用への道筋を提示したり、管理が不十分で問題のある空き家は除却を促したりといったことになります。

さらに、管理不十分で放置することが不適切な空き家があれば、「特定空き家」に指定する必要があります。
国土交通省の調査によると、市区町村などが令和2年3月末までに特定空き家に指定して助言・指導を行ったのは19,029件、このうち勧告に至ったのは1,351件、命令に至ったのは150件、代執行に至ったのは260件だったそうです。

下の表を見てもわかるように実際には所有者が分からないまま緊急性を考慮して執行する、略式代執行の方が多いというのが現状です。

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