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【空き家な人々と対談】真っ白なキャンバスに自由に絵を描くような家づくり〜ZERO CANVAS 後篇〜

前回はゼロキャンバスさんの物件づくりに対する思いや、空き家買取専科でのリノベーションについてお話いただきました。
後篇では、ゼロキャンバスさんによってリノベーションが完成した“ごちそうマート”についてもお話を伺いました。

ごちそうマートを運営している鈴木俊夫さんにも、取材に同席いただきました。

ごちそうマートのリノベーション

右:ごちそうマート 左:俊夫さん義実家のふとん屋さん

俊夫)ゼロキャンバスのお二人に出会ったのは、空き家買取専科さんの取材がきっかけでしたね。
また、ここは、静岡市の長谷通り沿いにあって、元々はおでんも置いてあるような昔ながらの駄菓子屋さんだったんです。お店をやられていた方が亡くなってからは、しばらく空き家になっていて、隣が義実家の私はいつも気になっていました。そこでご家族から私に売ってもらうことになり、私はこの店舗を使って静岡県内の素敵なお店が日替わりで出店する「ごちそうマート」を始めました。

俊夫)私がSBSテレビの「元気!しずおか人」という番組で、県内の各所で取材をしているのもあって、多くの人と出会います。取材だと1回限りで終わってしまうことがほとんどなのですが、その後も繋がりを続けるために、取材先の人にごちそうマートにご自身の商品を持ってきて、売ってもらうことにしました。お店にとっても、この場所にとってもいい関係だなと思ったのが今のごちそうマートの始まりです。

始めてから3年ほどになり、今では、週に3回ほど静岡県内のお店が自分たちの商品を持って販売をしてくれています。ご近所の方にも好評で、人気のお店は早い時間に売り切れてしまうなど、賑わいが生まれていて、やってよかったなぁと思います。

そんな中、多くのお店が出店してお客さんも入るようになると、やっぱり耐震を気にする必要が出てきたんです。そこで、空き家買取専科さんの取材を通じて出会ったゼロキャンバスさんに相談を持ち掛けることにしました。お二人は実際に見に来てくれて、この大変な物件も面白がって取り掛かってくれました。嫌がられそうな物件なので、興味を持って取り組んでくれるのはありがたいですね!

三輪)我々の取材から、ご縁が繋がっていって私も嬉しいです!

↓弊社を取材いただいた際の映像はこちら。

三輪)ゼロキャンバスさんは、どんな物件でもワクワクしながら取り掛かってくれるので、私たちも非常に信頼していますよ。
ごちそうマートのリノベーションは、まだまだこれから施工していくんですか?(取材日:2022年11月中旬)

裕香)お褒めの言葉ありがとうございます!
この場所は、これでほとんど完成です。
元々あるものにしっかりしているものも多いので、なるべくそのままに、そしてあえてむき出しの状態のままにしている箇所も多いです。土壁も剝がれている箇所が所々あるので、本当は塗り直したり上から何か張り替えたりしてもいいんですが、あえてそのままにして、必要な補強のみにしています。新たに入れた木材と、既存の木の感じと喧嘩しないような味わいのものを選んだのが特徴です。初めて見た方はもしかしたら、施工途中と思われるかもしれませんね(笑)

俊夫さん、出来栄えはいかがでしょう?

ここは、どの部分も【説明できる】のがいいよね。例えば「ここはシロアリに食われてたから柱を変えた」「梁を新しくした」「コンクリートが新しいのは、基礎がレンガっだから」のように、どうやって直したのか、どう苦労したのかが分かるようになっているのが、気に入っています。

長年かけて深まった建物の味を残しつつ、新しくしないといけない部分をどう加えていくのかを考えて施工してくれたので、満足ですね。

これからは安全な建物で開催できるだけでなく、棚ができたので常設の展示をしてみたり、奥のスペースも空いたので、より広く販売場所が確保できたりともっとごちそうマートが盛り上がりそうで楽しみです。

三輪)俊夫さんありがとうございました。これからのごちそうマートも楽しみですね!

ゼロキャンパス が考える空き家の可能性

三輪)それでは最後に、淳也さん・裕香さんから“空き家の可能性”についてお話いただけますでしょうか?

裕香)そうですね、空き家は「夢と可能性の塊」だと思っています。今後人口が減っていく世の中になると、一人が複数の不動産を持つ時代になると考えられます。そうなると、保有している物件を如何にうまく利用するかが重要になってきます。何もしないでおくと、どんどん痛んでいき、そんな空き家が増えると地域の資産価値も下がるという悪循環が生まれてしまうので、何もしないのは避けたいですね。

私たちはリノベーション業者なので、空き家をリノベーションすると、こんなに変わるんだよということを伝えていきたいと思います。一般の人はリノベで、どう変わるのかを知らない人が多いので、私たちが伝え続けることで、“空き家のリノベーション”の認知が広がり、皆さんの選択肢の一つになれば嬉しいと思っています。

最近完成したばかりのリノベーション物件はこちらです。ビフォー&アフターでガラリと印象が変わりますね。

Before
After

裕香)例えば家を建てよう!と思った際に、新築を考える方がまだまだ多いと思います。新築となると、これからさらに費用が上がっていく可能性が高いです。中古住宅であれば、元々物件にあるもので使えるものがあればなるべく使い、良いものがつくれれば環境にもいいですし、材料費という面ではコストも抑えられます。それに昔から残っている部材は、立派なものも多いので修繕して使うことができるのも中古物件の特徴です。ただリノベーション物件を見たことがない方からすると、どうなるのか想像がつかないことが多いんですよね。古いままで、あんまり変わらないのでは?と思う人もいるかもしれません。でも実はリノベーションをすることによって、中は新築のように生まれ変わることができたり、住宅メーカーさんでは難しい個性の詰まった家づくりができたりと、新築よりも可能性が広がることもあるんです。

妻も言っていましたが、僕たちは施工を通じて、そうしたリノベーションの可能性を伝え続けることが使命だと考えています。

三輪)淳也さん、裕香さん、本日はありがとうございました。

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