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空き家を旅館にしてみます。#7〜グループホーム施設として利用する・・・?

空き家を贈与して頂いて火災保険に加入したまでが前回のお話。

このシリーズ名を見ればわかるようにこの空き家は旅館にするのですが、贈与してもらった直後は正直どう活用するか曖昧でした。
最終的には消去法で『もう旅館にするしかないじゃない・・・』という感じで決まったんですよ。
そんなお話。

僕はこれまで、人が定住する一般住宅賃貸にするために空き家を生まれ変わらせてきました。
そのためにまず絶対に外せないのがエリアマーケティング。
賃貸需要が無いエリアでは成り立たないのであらかじめエリアを絞り込んで物件を購入するのが定石。

出典:HOME'S 見える!賃貸経営

画像は神奈川県横須賀市。
赤色の部分はたくさん賃貸が検索されている=需要の高いエリア。
検索の少ないエリアは需要が少ないエリア。
だが、需要が高いエリアは当然ライバルも多いので需要が多ければ多いほど良いというわけではないのである。
需要が少なくライバルも少ないエリアで独占する作戦もありなので中々奥深く、この戦略を練るのがとても楽しいのでござるよ。

が!!

こちら今回の三重県鳥羽市周辺の賃貸需要マップ。

出典:HOME'S 見える!賃貸経営

あれ・・?ディスプレイぶっ壊れた・・?色が表示されないな・・・。

否。
賃貸需要が無いのだよ・・・。
ここで賃貸を探している人がほぼ0なのだよ・・・。

この時点で今まで培ってきた住宅賃貸として活用するという線は消えた。
ならばレンタルスペースか・・?
いや、そもそもそんな需要もとてもあるようには思えない。
最近流行りのグループホームの施設として貸し出すか?

物件の間取り図
急な階段

んー・・・。
部屋数が4つ確保できるのは良いが階段が急なのはネック・・・。
階段の傾斜を緩やかにするには構造的には無理がある。
グループホームの施設として重要なのは

  • 市街化区域であること

  • 送迎の車が通れる立地であること

  • 部屋数が多いこと

その他細かいこともあるが、戸建を利用したグループホームの運営では
これらがまずポイントになってくる。
今回の空き家は割と条件に当てはまっていたし、高齢者の多いこの町では需要もありそうだった。
難しいのはグループホームを運営する法人を誘致することであるが、それよりもまず僕自身があまり乗り気ではなかったのだ。

過去にいくつかグループホーム用に空き家をリフォームしたことがあったが、やはり重視されるのは施設利用者の利便性と収益バランスなのでデザイン性があまり評価されないというのが嫌だったのです。

当然、グループホーム運用もビジネスですから法人からすれば広くて利便性が良くて賃料の安い物件が良いので、デザインにこだわるくらいなら安くしてほしい、というのが本音。

さらにグループホームの施設として利用するためには消防設備の条件が厳しく、スプリンクラーの設置などが義務付けられているので改修費用がかなりかかるのですよ・・・。

グループホーム運用のためだけにそれだけの費用をかけても、万が一運用する法人が撤退してしまったら投資金額をペイするのは茨の道。

どうせ茨の道を進むなら自分が好きなようにデザインしてそれが直に評価されるような活用の方が胸張って進める。
ということでグループホームも却下。

・・・あとは・・・宿泊業しか思いつかん・・・・。

次回、なぜ旅館にすることに決めたのか綴ります。