見出し画像

身内の空き家は自分で解決! 〜その3 建物の見立て〜


今回は,「身内の空き家」ゆえ、家の中に入ることができるという前提で、建物の利用価値をどう見立てるか、という記事を書いてみます。

これまでは、登記簿と戸籍という切り口で、「権利」に焦点を当てて書いてまいりました。

タダで家がもらえると言えば聞こえはいいですが、利用できなければ何の意味もありません。
建物はある意味で生き物のようなもので、大切にしないと痩せ細っていく、つまり朽ちていきます。

また、何もしなくても、固定資産税といった税金がかかります。
お金がかかるという意味では、これも生き物と同じです。
一般的に、便利な場所にあればあるほど税金額が高くなります。

それで、利用価値があるかどうかを識別するため、家の外と内に分けて,専門家でなくても気付きやすい点を取り上げたいと思います。

実際は、さらに細かく見る必要があるケースもあります。
自信がない場合は、大工さんや建築士さんなど、専門家に同行しても診てもらったほうがいいかもしれません。

尚,点検の日程ですが,可能であれば,雨が降った直後がお勧めです。
(その理由は,この後を読んでいただくとお分かりいただけます)

外部

屋根

瓦がズレていることはないか、屋根の頂上はまっすぐか

軒裏(軒天)

屋根の裏側の部分(日差しになっている部分の裏側)が、剥がれていないか

外壁

雨のシミ(雨漏り)、苔、釘が浮いていないか、部材の剥がれ、クラック(亀裂やひび割れ)
塗装しているところを指でなぞる(白い粉がつけば塗り直し要)

基礎

亀裂、特に四角空気口の四隅がひび割れていないか

内部

傾き

窓やドアはスムースに開くか、隙間はないか
もし怪しければ、iPhoneの計測アプリに水準器が付いているので、それでチェック

雨漏り

天井や壁にシミや膨らみがないか → 雨の日の直後で濡れてなければ、過去のものである可能性が高い
もし可能なら,ライトを持って押入れの天井板を外して,もしあれば浴室の点検口から屋根裏を見る

隅々まで歩き回り、50㎝四方以上の凹みがあればシロアリの疑いがあるかも
もし怪しければ、点検口や畳をめくって床下を見る
ダイニングであれば、床下収納庫が外せるので、見ることができる

その他

排水口→ネズミなどの侵入の形跡がないか
浴室→壁を押す(腐食していないか)

次はどうする?

建物をチェックして、「これは人に貸せるかも?」と判断できるのであれば、あなたはいよいよ大家さんになれます。

「これはちょっと人には貸せない」という場合でも、倉庫として貸して利益を出している方もいるようです。

では、修繕すれば人に貸せるという建物であった場合、どのようにして借主を探すことができるでしょうか?

次回は、そのあたりを書いてみたいと思います。