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身内の空き家は自分で解決!~その1~

あなたのご親族名義の家屋が空き家になっていたとしましょう。
現在の空き家問題の原因の中には,この手のケースが多いようです。

では,自分で解決して心の重荷を下ろす、もし可能なら、お小遣い程度にでもお金に換えることができたらいいと思いませんか?

そのためにできることをお知らせしたいと思います。
設定として「お祖父さん」(故人)名義の空き家ということにします。



法務局に行ってみよう

まずは,間違いなくお祖父さんのものであることを確認するため,お住まいの町にある法務局へ行ってみましょう。
そこで,その物件の登記簿を取ってみます。

その法務局の管轄外の場所であっても取得することは可能です。

ただ、ご注意いただきたいのは,登記簿は住居表示(⬜︎⬜︎町○丁目○番○業)ではなく,地番(⬜︎⬜︎町○○番地○)並びに家屋番号で検索されるので,調査対象の地番と家屋番号を把握しておく必要があります。

もし分からなければ、電話で法務局に聞けば教えてくれるのですが、この時だけは、調査対象となっている物件を管轄する法務局に電話する必要があります。

あるいは、法務局に置いてあるブルーマップ(住宅地図)に地番が掲載されているので、それで調べることもできます。

尚、過去の記事についても参考情報が書いてありますので、ご覧ください。


登記簿の取り方

法務局に行きますと、「交付請求書」というものが置いてあります。
「土地・建物」というものと、「会社・法人」という2種類が置いてありますが、当然のことながら、前者のものを取ります。

書き方については、法務局のホームページにサンプルがアップされていますので、それを参考に必要事項を記載できます。

下のサンプルを見ていただくと真ん中の段の「共同担保目録」の『現に効力を有するもの』のところにチェックが入っていないのですが、ここはチェックを入れてください。
(その意味については、後でご説明します)

出典:法務局 https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/content/000130851.pdf

これを書いて窓口に提出します。
600円の印紙代がかかりますが、提出窓口の近くに印紙販売所がありますのでそこで購入できます。
登記簿の交付と一緒に上記の用紙がいったん戻されますので、買った印紙を右端の指定欄に貼付して窓口の方に渡してください。


登記簿のここを見よう

出典:法務局 https://www.moj.go.jp/content/001309856.pdf

まず、真ん中の段にある「権利部(甲区)」を見ます。
そこの右欄の「権利者その他の事項」の一番下の段に、あなたのお祖父さんの名前があれば,とりあえずは大丈夫です。

サンプルでは1つの欄(行)しかないのですが、実際は売買や相続で所有者が転々としている場合があり、この欄が何行にもなっているケースもありますので、一番の下の段=現在の所有者、を必ず確認してください。

次に権利部(乙区)を見ます。
サンプルにありますように,よくあるのが抵当権です。
この不動産を担保に銀行からお金を借りた場合,ここに情報が載ります。

もしそれがあれば、この不動産は借金付きということになります。

ただ、その欄全体に下線が引かれ、さらにその下の欄に「抵当権抹消」と書いてある場合、その借金は完済されていますので、ご安心ください。

前述の共同担保目録とは、担保として提供された不動産が複数ある場合に、それらがまとめて記載されている欄のことです。
そこに何も書かれていなければ、ローンなどはないと見なせます。


まとめ

このようにして、お祖父さんの物件の状況を把握することができました。これを他人の名義にすることが可能、ということになります。

次は市役所に行きます。
あなたとお祖父さんとの関係、そしてお祖父さんの空き家に権利を主張できる人の存在について調べます。
それがないと、名義変更はおろか、処分することもできません。

この件については、最近の法改正で手続きがかなり楽になりました。
次回のNOTEに書きたいと思います。

また、近いうちに、抹消し忘れではなく、抵当権の残債が残っていた場合にどうすればよいか、という点についても書いてみたいと思います。





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