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【国語算数理科デザインってなーに?第二弾】

第二回:ゆのきち(柚木恵介さん)のお話

国語・算数・理科・デザイン!、運営チーム(MOD)のたいぴーです。暑さは続いてますが、秋田市は風が吹いてくれていてとっても気持ちがいいです。さて、今年も -若者と地域をつなぐプロジェクト事業-『国語・算数・理科・デザイン!』の開催が決定し、参加チームの募集を開始しました。

募集の開始から早4日経ちましたが、応募の前に皆さんのデザインや観察に対する疑問にお答えしたい!と、はじまったこの企画、
【国語算数理科デザインってなーに?】
ですが、本日は、早速第二弾でございます!!
先日7/10日に行われた事前説明会での運営チーム(MOD)、ゆのきちさん(柚木恵介)のお話を紹介させていただきます。秋田公立美術大学で准教授をされているゆのきちさんに、デザインについて、少しだけ踏み込んでお話していただきました。それではどうぞ!(^O^)/



7/10(日)『国語・算数・理科・デザイン!』事前説明会 @ココラボラトリーにて

こんにちは。柚木と申します。
えっとですね、観察の話ということでちょっと噛み砕いてお話できたらと思います。
今、渋谷さんからもお話あったと思うんですけど、観察ってみんなもすでにいろいろやっていることなんですよね。

この後プロジェクトが始まって活動し始めた時の事なんですけど、だいたい人に、
困っていることは何かありますか?
って聞くと、たいていの人はですね、
困っていません
って言うんですよ。
これねみんな必ず一度は経験するんじゃないかなと思うんです。1回壁にぶち当たる。みたいなね。
「困ってる人いませんでした」
って帰ってきたりするんです。
でも本当は、結構みんないろんな所でちっちゃい困りを経験してて、
例えば、何だろうペンでいっぱいの、ミチミチのペンケースを持ってたりする人がいたりとか、
カードとかレシートでパンパンになってるお財布持ってたり、
あと何だろう、切符をつい丸めて改札通らないとかさ、なんかあるでしょ?
そういうの。
こういう、ちっちゃい困りっていうのはいっぱいあるんだけど、皆困ってないフリをして生きていたり、何でしょう、なんとなくバランスをとって生きているんですよね。まぁ
気付いてない場合もあるんですけど 。
でね、これある本に挿絵であったんだけど、

「目の見えない人は世界をどう見ているのか」っていうような本の中でね、 面白い例えだなと思ったんですけど、普通の4本足の椅子があったとして、それの例えば1本足がなくなっちゃった場合に、じゃあ、どうしているかと言うと、こういうふうに足の場所を変えて、バランスをとって3本脚で使ってるんですよ。(目の見えない人は)そういう感覚を持っているっていう。これは、その一例の画像だったんだけど、みんなちっちゃい困りはあるんだけど結局はなんかバランスをとって生きていく、そういう世の中だったりします

でもさ、だからといって足がこう、五本も六本もあったら重くなっちゃうし邪魔だったりするじゃないですか?逆に、二本だとバランス取れなかったりする。なんだろう、デザイナーっていうのはもしかすると、そういういろんな人のいろんな場に合わせて、「何本足がいいよ」とかっていうのを提案してくれる役割の人なのかなという気もしてます
意外と3本って、地面がガタガタしているところにはちょうど良かったりするんですよね。必ず設置できるから。4本足だとこう、ガタガタしちゃうんだけど、まあいろんな場に合わせてそういうふうに適切なデザインがされていたりします。

えっとですね、デザインは、「相手のことを相手以上に思う姿勢」って僕は思っています。

さっき渋谷さんからもデザインの話、ちらっとあったんですけど、僕はいつもこういうふうに大学でも学生に言ったりしています。
そして、そのために観察が必要なんです。これね、もし観察していなかったとしても結局ね、最終的には必要になってくるんですよね。あの観察せずに何かデザインしてったとしても、それじゃダメだと相手から言われたりして、もう1回観察し直したりすることになるんです。でね、あの例えばなんですけど、誰かにプレゼントをあげようと思ったとします。 親でもいいし、 友達でもいいんだけど、その時にきっと相手のことを思うと思うんです。
例えば ~ちゃんってあのスイーツ好きだったよな?、とか
この色好きだったんじゃないかな?とか、
こういうことをなんとなく思いながら、買ったりすると思うんですよね。
で これって結局相手のことをすごく日頃から観察している行為になると思うんですよね。 そして、これってすごくデザインしていることに似ていると僕は思っています。

皆さ、小さい頃から「相手の身になって考えてみなさい!」とか 「人が嫌がることをしちゃいけません!」とかって言われてきたと思うんですよ。 それって、つまりは「相手のことを考える」ということだとしたらね、 国語とか算数とか理科とか社会とかを勉強する前から、そのデザインの根っこの部分を触っているようなものかもしれないなというふうに思うんですよね。

相手を想うということと、観察することっていうのは、実はすごく近い言葉なんじゃないかなというふうに、デザイン的に思ったりします。

でね、これから具体的な例をちょっとずつ見せていくんですけど、

「考えなしの行動?」という本があって、これはねデザインを実際に仕事でやっている人がどういう観察をしているのかっていう本なんですね。

なんとなくねこういうふうに、 生活のシーンの写真を撮ってそこにこう一文加えられているんですけど、ティーバッグの紐がさ、中にポチャンと落ちるのが嫌だからちょっとここでくるっと巻いているとか、柱にぴったりなんかゴミが置かれていたりとか、こういうふうにクシャッと丸めたのが差し込んで広がることで固定されてたりとか、そういうなんか街の中の観察シーンから、なんかこれって何かになるんじゃない?っていうなものを探している写真なんですね。

こういう所にゴミが置かれちゃってるっていうのは、ゴミを置いてはいけませんっていうふうに見るのか、あれ、なんかこれって、これができればゴミ箱ってできんじゃないの?とかね、自分もやられたりして頭きたりするんだけど、そもそもこのバスケットがゴミ箱を想起させてんじゃないの?とかね。
なんここう、いろんな可能性を感じるんですよね。


ポールがあるところになんで人って立つんだろう?とかね。近くで合格発表見ればいいのになんで遠くでいるんだろう?(笑)とか、何気ないそういう写真をいっぱい撮ってやっています。

実際に僕も街中をね、歩いて色々見てみたんですけど、

例えば、これ能代だったんだけど(笑)
この看板が多分何回も何回も倒れて、すごい嫌だったんだろうねこの人(笑)
この固め方やべーなっていう(笑)、めちゃめちゃ面白いなあと思って撮ったんですけど、そういうふうな目で見てないと通り過ぎちゃうよね。

これは新屋で見たんだけどネギが生えてるんだよね。街中に(笑) つい最近なんかさきがけ新聞で記事が出てたんですけど、あの、焼き鳥屋の店主がちょっとこう、割れ目の所に蒔いたら、ネギが本当に生えてきちゃったっていう(笑)
見つけた時に写真撮って、店主に先に聞けばよかったなってちょっと思ったんだけど、
そういうことがあったり、

これも能代だったかなぁ?
こういうのもさ、これ誰がデザインしてんだろうな?とかちょっと思ったりするんだよね。なんか、可愛いじゃんなんか。いい絵だなぁと思ってね、こういうがチラッとたまにあったりするとちょっと嬉しいなって思ったりもするし、
何でしょう、これとかも(笑)

これ前何だったんだろう?(笑)ここには一体何があったのかな?っていうのをちょっとこう調べたくなっちゃうような感じがしたりとかね。

あと、こういう落とし物がせめてもの気持ちで差し込まれてたりとかさ、
なんか追跡したくなっちゃったりとか、
あとこれね、うちの子どもの食卓の後なんだけど、

何だろう、なんか、普通このフィルム剥がしてから飲むんだけど、上に捲らせて頑張って取って最後締めてこのまま学校行くんですよ(笑)
なんでやってんのかよくわかんないんですけど、そういうのとかね?
これあの、冬場、お彼岸かな?の時にあの生花がないのでこういう造花を作る文化ができて、まぁ道の駅で買ったんですけど、そういう文化は知ってるんだけど、実際そういうのを作ってる人を見たことないなぁとかね。そういうのちょっと見てみたいなぁとか、思ったりもするんですけど。
だとか、例えば(笑)

ここにあの雨の後に水がたまっててさ、吸い殻があって、あ、面白いなぁと思ったんだけど、なんか、ポイ捨てなの?これ?って、、ポイ捨てじゃなくてちゃんと火を消してここに入れてんだ。とかね? 

澁谷:正しい感じしますよね?(笑)

そうなんです。とか、
これうちの息子なんだけど、この靴下のなんていうの足の感覚がめちゃくちゃ敏感で、すっごい引っ張り上げていつもかかとの部分が上に来ています。すごい、鳥みたいだなと思ったりして、

澁谷:むしろ新しい靴下みたいですね。

なんかこういう、「何でそうなってんの?」って思う事って、観察しているとね、なんか出てくるんですよ。
なんか、そういうちょっとした、「ああ綺麗!」とか、「カッコイイ!」とか、「面白い!」とか、そういう本当に単純な気持ちからデザインというものが始まっていくんですよね。

プロのデザイナーの人たちというのは、みんなが思っているこういう気持ちから、さらに1個深い階層で、「なんでそうなのかな?」「いつから?」とか、「他のみんなはどうしてるんだろう?」とか、「未来はどうなっていくんだろう?」みたいなことをさらにちょっと深掘りして考えていったりします。たぶんみんなも今回やっていくうちに、こういうことに繋がっていくんじゃないかな?という気がしています。

で、ちょっと概念図なんですけど、皆、河川の働きとかなんかやったりした?小学校のときとかね上流があって下流があってね、やれ 三角州だの、なんやらかんやらやったと思うんですけど、
問題が目に見えているって言うのは、下流域のだいぶもう海に流れ込む辺りなんですよね。世の中でね。でみんなが観察するのはその過程とかちょっと先のこと。
概念だからね?これね。
例えば、中流とかこういう河川の脇には、どうゆう生物がいるんだろう? どういう人がいるんだろう?とか、 この川に流れ込んでくる支流とかって、どういう川なんだろう?とか、それこそ、例えばこの地域に関わっている人って、どういう人たちなのかなぁ?とか、会社とかで言うとさ、一つの部署に対して、そこに関係している部署ってどういうところなのかな?とかね。 まあそういうことを考えていくんですね。

結果的にデザインが必要があるというのは、源のこの上流の部分だったりするんですよね。

まぁすごく概念的なんだけど、
例えば、僕すごい花粉症なんですけど、僕らが、鼻水ズルズルになって大変になっているのはこの辺(下流)なんですよ。
で、その途中(中流)には、マスクがあったりメガネがあったり、注射があったり、何だろう、スプレーとか、いろんなグッズがあると思うんですけど、
本当に大事なのって、ここ(上流)の花粉が誕生するスギの林の部分だったりするんですよ。
人々はこの辺(中流)でね、売れるものだったりとかブロックするものをいっぱい作ってるんだけど、でも本当はさ、森とか山をデザインしないと花粉症って根本的には何も治らなかったりするんですよね 。なので、実はこの部分(上流)をデザインして、長い時間はかかるけど、結果的にみんなよくなっていく。というのが理想なんですよね。

まあ、そういうデザインの話をしたんですけど、みんなはまずは観察から入って、「地域」とか「場」みたいなものを探して、いろいろ観察しながら、いろんな人に出会って行って、
最終的に上流の部分に何を見ることができるのかな?と言うことを、期待したいなと思っています。

というわけでちょっとデザインと観察の話でしたけど、
いろんな人がいればそれぞれのストーリがあるので、それを楽しんでいければいいんじゃないかなと思います。
以上です。

澁谷:面白いでしょ?なんか。こんなことをずっとやってるんですよね我々は。
それでお金もらって生きてるんですよ。(笑)
いやぁ、でもね、そう、あのね、観察ということをすごく言っていますが、観察です。
半年間とにかく、目だけじゃないかもしれないね。嗅覚も触覚も全部使って観察するっていうことをやりたいんです。

事前説明会の様子はこちら



柚木さん、ありがとうございました。

「相手のことを相手以上に想う姿勢」は、デザインの垣根を超えて、人として持っていたいものだと思いました。日々の小さな気づきに正直になれたら、その先に、人や地域に寄り添う力がつくのかなぁ?と考えさせられました。今日も面白いもの見つけに観察してみます!

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【採択チーム数】
12チーム採択します。12チームに採択されなくても、今後のプログラムには閲覧者として参加可能です。

【締め切り】
2022年7月24日(日)締め切りです。
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