見出し画像

青春140字小説まとめ②

【No.639 黒歴史鍋】
気心の知れた友人達と黒歴史鍋を食べる。フタを開けると黒歴史が広がっていた。湯気の中から好きな子に送ったオリジナルラブソングがくぐもった音で流れてくる。鍋の底からは先生をお母さんと呼んでしまった思い出が見つかる。ぐつぐつと煮え立ったスープからイキッたツイートが浮き上がった

【No.666 花火の種】
花火の種を植える。大事に育てているとある日、地面から導火線が顔を覗かせる。あともう少しだ。ジョウロでガソリンを撒きながら、夜空に大きく花を咲かすことを願う。途中で雨に流されてしまう花火が多い中、今日も誰かの育てた花火が夜の帳を彩る。僕の花火も、誰かの光になることを祈った

【No.-042 思い間違い】
嫌なことがあったので、日記に「辛い」と書こうとしたら「幸い」と書き間違えてしまった。それだけのことなのに気持ちまで思い間違えてしまったようで笑う。誰かの「幸せ」から「一」を盗まないように、「辛い」と書かれた文字と気持ちを消しゴムで消して、新しく「幸せ」を書き綴った

【No.692 書く恋慕】
ラブレターという響きが苦手だった。なんとなく軽い気がして心がもやもやしてしまう。そんなことを思いながら今日も片思いの男の子に手紙を書く。本当は好きなのに、恋心をこっそりと隠しながら文章にする。私からは告白なんてできないけど、いつか、私の気持ちを彼に知ってもらえたのならば

【No.700 春疑き】
失恋したので春のパウダータイプを購入する。ペットボトルの中に春パウダーと、甘酸っぱさやほろ苦さを混ぜて涙で溶かす。フタを開けるとぽかぽかした陽気が部屋を包んだ。桜の花びらが舞う。息を吸って、淀みを吐く。新しい出会いを、新しい生活を夢見る。もう一度、春を思いきり吸い込んだ

【No.-046 線香花火】
恋の病を患って入院することになった。病室の窓から覗く線香花火の木を見つめる。パチパチと燃える花火が全て散ってしまったら私は死んでしまうだろう。ドキドキする度に花火が落ちていく。ふいに好きな男の子がお見舞いに来て心臓が高鳴る。蝉が鳴く。ラムネが弾ける。線香花火が淡く光った

【No.-049 結い鍵】
彼から結い鍵をもらえなかった。相手の心を開けたり閉めたりできる結い鍵は、本音を伝えたり身の潔白を示すのに効果的だ。きっと、私には言えないやましい気持ちがあるからだろう。内緒で結い鍵を作って彼の心を覗くと、私への愛で溢れていた。目覚めた彼が「恥ずかしかったんだよ」と照れた

【No.721 曲がり角禁止条例】
曲がり角禁止条例が制定された。パンを咥えた美少女とぶつかって事故にならないように、恋愛にうつつを抜かして学業を疎かにしないように。角っこは丸く抉られて、新しい道はゆるやかなカーブで舗装される。人生の道に迷う人はいなくなったけど、代わりに、紆余曲折もない平坦な毎日が続いた

【No.≠001 アカシアの冠】
「十年後も一緒にこの場所で遊ぼう」この公園がまだ草原だったころ、私は幼なじみの男の子と約束したことがある。アカシアで作った冠の交換をゆびきりの代わりにした。結局、その約束が果たされることはなかったけれど。思い出の中の草原は大人になった今でも、翠色の光を鮮明に放っていた

【No.≠004 嫌いな味】
自動販売機でアタリが出たから、焦ってボタンを押し間違えてしまう。飲めない緑茶を前に困っていると、嫌いな男子に会ったので一本差し出す。「俺、苦手なんだけど」「知ってる」「お前が飲めよ」「私も苦手なの」「知ってる」嫌いな男子と飲む苦手な緑茶は、なぜかほんのり甘い味がした

【No.≠005 宇宙人ごっこ】
「ワーレーワーレーハーウーチュージーンーダー」扇風機に向かって彼女が口を開く。どこでそんなもの覚えたんだとおかしくなる。「これね、宇宙人ごっこ」「ごっこじゃないだろ」彼女が振り返ってけらけら笑う。透明感のある水色の皮膚と、おでこに存在する第三の目がとても可愛らしかった

【No.≠012 IXY】
二十三回目の誕生日を迎えた。しかしどうにも生きにくい日々で、あいかわらず後ろ向きな人生である。だけど振り返ってみると、今まで私を構築してきたものが見えてきた。音楽。水風船。ギター。嘘。写真。落花。白。鈍い光でも、私は今日まで生きてきたから。ちゃんと見ててね、明日の私も

【No.≠018 存在証明】
彼が私の名前を呼ぼうとして、少し気まずそうに苗字で呼び直す。「そんな関係じゃないよな」と、間違ったみたいな顔をして笑う仕草が嫌いだった。私の名前をちゃんと呼んでよ。透明じゃない色にして。あなたの声で、私の存在を呼んでほしかったのに。この関係の名前は未だにわからなかった

【No.≠019 時の鐘】
押入れの奥から古い万華鏡が出てくる。昔、彼女と行った観光名所で買ったものだ。そっと覗いて、静かに筒を回す。景色がゆっくりと変わっていく様子が、時の鐘を撮っていた彼女の姿と重なる。時間も、夢も、将来も、気付けば少しずつ移り変わっていく。季節はもうすぐ冬になろうとしていた

【No.≠024 当たり前の日々】
嫌いな夢を見る。嫌いな人と会う。嫌いな嘘をつく。嫌いな野菜を食べる。嫌いな声を聞く。嫌いな仕事をする。嫌いな花が咲く。嫌いな言葉を綴る。嫌いな夜を迎える。嫌いな今日を振り返る。嫌いな朝が迫る。人生は嫌いなことで溢れている。だから、また明日も、好き勝手に生きようと思った

【No.≠029 ガーネット】
『そちらは晴れていますか。あなたとの交換日記も、卒業旅行の写真も、全部燃えてしまいました。空からは火の粉が降りかかります。街は今日も炎に包まれています。この手紙もきっと、あなたの元へ届くころには燃えてしまうでしょう。それでも私は、あなたと生きたこの街で死にたいのです』

【No.≠033 不恋ゴミ】
彼への恋心を不燃ゴミの袋に入れて捨てた。これで綺麗さっぱり忘れることができるだろう。だけど袋は回収されなかった。次の日、粗大ゴミに捨てる。袋はまた置かれていた。私の恋心なんて楽に燃やせるし、そんなちっぽけなものだったのか。けれど、だからこそ捨てずに大事にしようと思えた

【No.-060 空の落とし物】
空港の落とし物センターには多くの思い出が集まってくる。旅の記憶を忘れてしまうのは、どこかに思い出を落としたからだ。遠い地に転校した、男の子との思い出を探す為に私は受付をしている。ふと、初めて会うはずの男性に懐かしさを覚える。ことん。と、落とし物箱に誰かの思い出が届いた」

【No.≠036 ハッピーカード】
幸福量が一万ハッピーポイントも貯まった。不幸を受け入れる代わりに同じ分だけ幸せが増える。いつか訪れる大きな幸せのために、小さな、小さな幸せを手放した。このハッピーポイントを使って男の子に告白すると、カードを見ながら悲しそうに呟く。「ごめんね。有効期限が切れてるみたいだ」

【No.≠042 恋の等式】
問①【私と彼の適切な関係と距離を求めよ。但し、最適解はあるものとする】『愛、良い子でいる虚しい事情』なんて、どっかの理論物理学者も唱えていた。彼は授業中によそ見する私のような悪い子は嫌いだろうか。ふと、彼も私の方を何度も振り向く。今はまだ、悪い子仲間でもいいかと笑った

【No.≠043 星粒の記憶】
その駄菓子屋では、人々の思い出が詰まったこんぺいとうが売られていた。口に含めば甘さと誰かの思い出が流れ込んでくる。私は人々の思い出を食べながら生きてきた。私には、思い出を作る居場所がなかったから。水色のこんぺいとうを舌で転がすと、知らない青春の、知らない恋が私を包んだ

【No.-065 青濁を併せる】
歩道橋の上から高校生の男女を眺める。距離的に付き合っているのだろうか。二人とも携帯画面に夢中となっている。目の前の青春より大事なものってなんだろう。煙草を吸って、深く息を吐いた。私にもあったはずの思春期が灰色に濁っていく。色んなことを見て見ぬ振りしてきた報いだった

【No.≠064 光を映す】
壁に太陽の光が反射していた。右手を添えると、ほのかな暖かさが広がる。見えないけれど、光は確かにあったのだ。「散歩でもしようか」彼に惹かれて、彼の左手に引かれて、私は立ち上がる。もうすぐ、私達はこの町から去っていく。錆びて軋んだ扉を彼の右手が開けて、私の左手が鍵を閉めた。

【No.756 青春の味】
高校生になって初めて彼女ができた。不器用なのにお弁当を作ってくれて嬉しくなる。彼女が「せっかくの手作りなのに茶色ばっかりでごめんね」と目を伏せる。そんなことない。絆創膏から滲む赤色と、薄桃に染まった頬。長い黒髪が揺れる。彩り豊かな、青春にも似たやさしい味が心に広がった

【No.≠069 三等分の青春】
葵家は三姉妹だ。産まれた季節にあやかって姉が夏、私が秋、妹が冬と名付けられた。私達の暮らしは繊細で、ゆるやかで、鮮やかで、面倒で、騒がしくて、喧騒に負けないくらいの力強さがあった。名前のように青い春なんて存在しなかったけど、いつだって、私達は青春のど真ん中を生きていた。

【No.≠074 タルトタタン】
待たされるのが嫌いなのか、彼女の食べる早さには驚かされる。でも、デートのときは僕が待つことが多い。「食べ終わったら帰るよ」「うん」いつも先に食べ終わる彼女は僕の顔を確認しながら、甘くて少しほろ苦いタルトタタンを、小さく、小さく分けて、数秒、数分と時間をかけて食べていた。

【No.-070 恋と稲妻】
彼女の涙には電撃が宿っている。だから、人を傷付けないように彼女はひとりぼっちだった。ある夜、大停電に見舞われた街は混乱に陥る。展望台に立つ彼女が何回も、何度も、何粒も涙を流せば、街は色が溢れるように明かりを灯す。泣きじゃくったあと、彼女がはにかむ。僕の心に稲妻が走った。

【No.≠089 繋がる、隔てる。】
私の住む街に同級生の女の子が遊びにきた。「まだ公衆電話があるよ」緑の受話器から私の携帯に電話をかける。「私の声は届いていますか?」彼女がおどけながら笑う。「私の思いは届いていますか?」なんて、透明な箱を隔てて言葉が消えていく。私もおどけながら、打ち明けてしまいたかった。

【No.769 斜めの恋】
斜め右前に座っている女の子のことが好きだけど、斜め右前の女の子は斜め右後ろの男の子が好きだ。斜め右後ろの男の子は斜め左後ろの女の子のことが好きだけど、斜め左後ろの女の子は斜め左前の僕のことが好きらしい。真ん中の男の子は蚊帳の外で、つまらなさそうに呟く。「ダイヤ関係かよ」

【No.≠100 憐夏】
彼女が「憂鬱に名前を付けて、それを水風船に書いて割りたいね」と言っていた事を思い出す。彼女は失うために、自身の名前を水風船に書いて割ってしまったのだろうか。熱に浮かされている間に夏が終わってしまう。夕方のニュースが流れる。「深刻な寒波が続き、この国の四季は春秋冬に──」

【No.-076 もちもち】
雪見だいふくを食べるときは彼女なりのルールがあった。最初に皮を食べ切ってからアイスだけを口に含む。もっちりした感覚を先に楽しめば、しっとりした食感がより際立つと言う。おかしなルールだなと思いつつ、彼女の白くてふっくらとしたほっぺをつつく。愛情を示す僕なりのルールだった。

【No.-077 声の形】
いつも無口なあの子は、お昼の校内放送が好きだった。放送委員に立候補したときはみんな驚いたけど、今では誰もが楽しみにいている時間だ。かろやかな声は聞く人の心を弾ませる。話すのが苦手なだけで伝えたいことがいっぱいあるのだ。人見知りな僕も、いつか、本当の声であの子と話せたら。

【No.≠102 君利き】
『本日は左利きの日です。全ての道具は左利き用になります』ハサミ。改札口。定規。蛍光ペン。慣れない感覚に多くの人が戸惑った。「反対になると大変だね」右利きの彼が、おたまでスープを掬いながら笑う。少しは左利きの苦労もわかったか。いつもより温かいスープを飲みながら私も笑った。

【No.-082 影繋ぎ】
遊歩道に伸びる影を見ると、彼女と付き合っていた夏をいつも思い出す。人前で手を繋ぐのがもどかしかった僕達は、夕陽で生まれた手のひらの影を重ねて、間接的に手を繋いでいた。今にして思うとそっちの方が恥ずかしい気もする。夜になれば、否が応でも離ればなれになってしまう関係だった。

【No.-086 瞳の標本(藍煩い③)】
標本作りが得意な彼と夕凪公園に赴く。夜には天体観測で賑わう森林で、彼は愛おしそうに藍色の蝶を眺めていた。午後四時、ひぐらしが鳴く。亡くなったあとにも意味が残るなら、それは素敵なことなのかもしれない。どうか、私が死んだら体も、藍色の瞳も、全部全部。君の標本にしてください。

【No.-088 橙が沈む(藍煩い⑤)】
夕日の光が藍煩いの原因になると、根も葉もない噂が出回ったのはいつのころからだろう。別に信じてるわけじゃないけど、私の中学校生活の、そして人生最期の思い出作りだった。午後六時、仲の良い友人達と星見海岸に訪れる。夕日を壊すために、虹色のペットボトルロケットを空に打ち上げた。

【No.-089 味の記憶(藍煩い⑥)】
彼女と一緒にカレーを食べる。「私、二日目の方がもっと好き」ふと、僕に次の日が訪れないことに気付いて、彼女が口を噤む。「明日の夜も食べようね」慰めではない。僕特製のレシピは彼女が覚えているから、味の記憶は残り続ける。午後七時、最期の晩餐だ。「いただきます」「いただきます」

【No.-091 青春花火(藍煩い⑧)】
人生最期の日だというのに、高校の友人達が私を河川敷に連れ出す。電話越しにカウントダウンする友人の声がゼロを告げると、打ち上げ花火が夜を裂いた。後ろから「逃げろ!」と背中を押す友人達と一緒に、青春のくだらなさの中を走る。午後九時、藍色の夜に、藍色の花火と笑い声が上がった。

【No.-101 グッドモーニング(藍煩い⑱)】
大学の友人達とルームシェアを始めて僕は朝食担当になった。健康的なメニューを考えながら、健康なんて今さら気にしてどうするとおかしくなる。午前七時、あくびをしながら友人達が起きてきた。財布を取り出す。「焼肉とラーメン食べに行くぞ」朝からかよ!と、みんなでげらげら笑いあった。

【No.≠110 息を抜く】
彼女が僕に「だす!」と言ってきた。意味を聞いても「息抜き」とだけ答える。それだけで息抜きになるのかなと思いつつ、彼女が笑っているならそれでもいいかと一緒に笑う。「だす!」「だす!」ふと、その意味に気付いて顔が真っ赤になる。彼女が小さく「だす」と呟く。なるほど、息抜きだ。

【No.≠118 尾灯】
バイクで旅をするのが好きだ。けれど、将来や目的地も見えずに、暗闇の中を走り続けることに不安を覚えたりもする。その度に前を走る友人達のテールランプが光となって導いてくれた。自分もいつか、誰かを照らすテールランプになることができれば。そう思いながら、目の前の光を追いかけた。

【No.≠124 三分間の幸福】
カップ焼きそばにお湯を注いでからの三分間を、彼と話をしながら待つ。「あ、かやくじゃなくてソース入れちゃった」なんて笑って。昔から湯切りが苦手な私の代わりに、いつも彼がお湯を捨ててくれる。一つのカップ焼きそばを二人で分け合う。具も味もないのに、なんだかとてもおいしかった。

【No.≠126 月虹】
「月が綺麗だよ」と彼からメールが届いて、カーテンを少しだけ開く。『違う場所で同じ月を見ている』と言うけれど、私にはそう思えないのだ。私が見ている月は偽物かもしれない。なんて言ったら、彼は笑うだろうか。本物じゃなくてもよかった。偽物でも、彼と同じ光を見ていられたのならば。

【No.783 夢言葉】
「お」寝坊した私に彼は笑顔を向けた。「んー」ゆっくりとソファに座る。「お!」「ん?」彼がピザのチラシを指さす。「ん」「おー」適当に選んで猫と戯れる。言葉に嫌われた人類は一文字しか話すことができない。だからこそ、ふれあいが大切な世の中だ。「お?」彼の肩にもたれる。「ん!」

【No.≠137 夏の残り音】
裏通りにある風鈴屋を二人で覗く。夏の残り音を背に、店主から「彼女かい?」と訊ねられる。照れながら肯定すると、なぜか彼女が不機嫌になった。「なんで『はい』なんて言ったの?」大きなお腹を優しくさする。あぁ、そうか。「もう彼女じゃないでしょ」意味に気付いて、小さく笑った。

【No.-120 性善行路】
「失恋の度に小説を書いてるんですか?」文学の即売会で指摘される。言い分は確かで、性的倒錯なのかもしれない。だけど、そういった理屈で書くのは今日で最後だ。自分のブースで売り子をしている彼女と目が合う。カバンの底に忍ばせた婚姻届を気にする。新刊が全て売れたら、そのときは──

【No.-123 冬菜のお味噌汁】
雪の中という厳しい環境で育つ雪菜は、生命力の強さを感じさせてくれる。冷たい現実から逃れるために、私はファンタジーな世界観が好きになった。心も、言葉も、声も、凍ったままでよかったのに。絶対零度の私の世界を溶かしたのは、毎日お味噌汁を飲んでくれるあなたの穏やかな表情だった。

【No.-126 Starry Sky】
「えび天がロケットに見える」お昼にそばを食べながら妻が呟く。確かに尻尾が燃え盛る煙のように思えた。他愛もない話を交わしながらボードゲームに勤しみ、文章を綴り、退屈だった毎日は思い出のインクで塗り替えられた。明日は幸せじゃないかもしれない。それでも生活は、ゆるやかに続く。

【No.≠146 あまのじゃく】
長い髪が好きと言うから、髪の毛を切った。青色が好きと言うから、緑の服を着た。アクション作品が好きと言うから、ホラー映画を観た。甘いものが好きと言うから、辛い料理を食べた。恋愛漫画が好きと言うから、推理小説を読んだ。あまのじゃくなのに私が好きと言うから、私も好きと答えた。

【No.786 フリーフォール】
感情と浮力が繋がってから数年が経つ。嬉しいことがあれば体がふわりと浮かんでいく。幸せだけど貧乏な私と、裕福だけど不幸な彼は、何もかもを犠牲にして駆け落ちした。手を取り合って、自由な空をかろやかに泳ぐ。身分違いの恋だったけど、しがらみや呪縛から今、私達は解き放たれたのだ。

この記事は有料ですが全編公開になっています。私の活動を応援してくださる方がいましたら投げ銭してくれると嬉しいです。また、サポートやスキのチェック。コメント、フォローをしてくださると喜びます。創作関係のお仕事も募集していますので、どうか、よろしくお願いします。

ここから先は

0字

¥ 100

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

改めまして、秋助です。主にnoteでは小説、脚本、ツイノベ、短歌、エッセイを記事にしています。同人音声やフリーゲームのシナリオ、オリジナル小説や脚本の執筆依頼はこちらでお願いします→https://profile.coconala.com/users/1646652