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天気140字小説まとめ②

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【No.-224 捨て箱】
紙に『拾ってください』と書かれたダンボールが捨てられていた。「さよなら」飼えないお詫びに餌のパルプを与えると雨がぽつぽつ降ってくる。「だーん、ぼー……」切り傷でいっぱいの体を私の頬にすり寄せた。「……さよならって言ったじゃない」まぁでも、晴れるまでは家に入れてあげるか。

【No.-227 虹焦がす命】
人間は亡くなると傘に変化する。遺された者が涙で濡れないように、後悔で身を焦がさないように。あの日、豪雨による自然災害で多くの犠牲者が生まれた。夏になると故人の魂を弔うため、傘を一斉に飛ばす行事が行われる。色とりどりの傘がふわり浮かぶと、薄暗かった空に大きな虹が架かった。

【No.-232 ザザ降り、ザザ鳴り。】
運動会のリレーでバトンを落としてから、私の心には雷雨が降り続く。乾いた地面を歩けば水音がして、生きづらさを感じる度に雷鳴が落ちる。雨なんか降ってないよ、雨なんか降ってないよ。そう言い聞かせても、あの日の後悔は止まないのだ。傘を差す癖が抜けない。雨なんか降っていないのに。

【No.-242 在りし夏】
匂いの記憶と言うけれど、人が最後まで覚えている五感は嗅覚らしい。蚊取り線香の煙、夕立の香り、手持ち花火の匂い。幾許の年月を一緒に過ごしただろうか。病室で眠る妻の走馬灯が、僕との在りし夏であってほしいと願う。人生最期の日に思い出す妻の記憶が例え、薬品の臭いしかしなくても。

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改めまして、秋助です。主にnoteでは小説、脚本、ツイノベ、短歌、エッセイを記事にしています。同人音声やフリーゲームのシナリオ、オリジナル小説や脚本の執筆依頼はこちらでお願いします→https://profile.coconala.com/users/1646652