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ロックと現代アートの巨匠

現代のアートのおもしろさは、人々の価値観や社会への疑問を今までにないような形で表現することにあります。
歴史を辿り、価値観の更新をしていくのです。
そんな中で、消費文化や大衆文化についての問題意識を表現し、芸術界に新しい視点をもたらしたのがアンディーウォーホルです。


アンディー・ウォーホルは特にポップアートの代表的なアーティストとして知られており、20世紀のアメリカのアートシーンを代表する存在として、今日でも多くの人々に愛され続けています。
彼は、1928年にアメリカ合衆国のペンシルベニア州で生まれ、アートディレクターやグラフィックデザイナーとして活躍し、1960年代にはキャンベルスープ缶やマリリン・モンローの顔など、アメリカのポップカルチャーに関する要素を取り入れた作品を発表していきました。

そしてニューヨークで「ファクトリー」と呼ばれるアトリエを設立し、そこで多くの作品を制作しました。


ロックバンド

現代アートは昨今は絵画のみならず、造形物や映像などの媒体も多く取り入れられてきています。
そんな中、現代アートの巨匠は「ヴェルヴェット・アンダーグラウンド」というバンドをプロデュースしました。
バンドのメンバーは、ルー・リード、ジョン・ケイル、スターリング・モリソン、モーリン・タッカーなど。彼らの音楽は、従来のロックンロールのスタイルから脱却し、実験的で前衛的なものでした。

また、歌詞もショッキングで、薬物や社会的な問題にも取り組んでいました。
ウォーホルとヴェルヴェット・アンダーグラウンドは、アートと音楽の融合によって、新しい表現形式を提示し、現代の文化に多大な影響を与えました。
彼らの芸術作品や楽曲は、今日でも多くの人々に愛され、称賛されています。


アルバムジャケット

アルバムジャケットといえばジャケ買いという言葉があるように、アルバムの印象を大きく左右するものです。

有名なものでいえば、プログレッシブロックの先駆者ピンクフロイドの『狂気』とか横断歩道が印象的なビートルズ『アビい・ロード』など
視覚的なイメージは強烈で、音楽は知らないけどこのイラストは見たことがあるなんてことも起こり得ます。

ピンク・フロイド『狂気』
ザ・ビートルズ『アビイ・ロード』


そんなアンディーウォーホルとヴェルヴェットアンダーグラウンドですが、実は1967年発売の『The Velvet Underground and Nico』のジャケットのバナナの図案の使用権をめぐって裁判をすることになります。

(c) NME.COM / IPC Media 2013


このジャケットはかなり有名なもので、アルバムのプロデューサーを務めたポップ・アートの巨匠アンディ・ウォーホルが手がけたことで知られています。
作品の使用権を管理するアンディ・ウォーホル基金がiPadやiPhone用の保護カヴァーなどの商品の図案としてメーカーによるこの作品の使用を認めたことが火種となりました。


一審ではバンド側に図案の商標権を主張する足る著作権は所有していないとされましたが、更なる訴訟があった後に和解となっています。
(引用元:https://rockinon.com/news/detail/83068 )


このヴェルヴェット・アンダーグラウンドのアルバムが面白いのは、バナナの皮がステッカーになっていて、剥がすとバナナの果肉が現れる、、、
方ではなく、アルバムジャケットなのにバンド名ではなくアンディーウォーホルと書かれていることです。

音楽のジャケットなのに誰が歌っているのか一目見ただけではわからないのです。
そんな図案は当時は衝撃的だったでしょう。


しかし、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドは時代の波には乗れずに商業的には成功しませんでした。

ただし、ローリングストーン誌の歴代最高のアルバム500選で23位に選出されるなど、評価はとても高いものとなっています。
5年間で3万枚しか売れなかったが、ブライアン・イーノの「3万枚しか売れなかったが、3万員全員がバンドを始めた」という有名な言葉があるくらい。

この機会に良かったら聴いてみてください。

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