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Rio Del Lago 100 Mile Endurance Race (前半)

2021年9月の頭にアメリカ、ユタ州で2回目の挑戦をした、Wasatch front 100 (100 mile endurance run race) での77mile地点(時間切れ2度目の)DNF(Do Not Finish)にて浮き彫りになった疑問、『果たして自分は100マイルを走り切れるのだろうか?』 

実際に2度続けて失敗すると不安で頭の中が一杯になり、今まで一人で独自にやっていたトレーニング方法にも疑問が出てきた。Wasatch100のレース後、日本から来られていたランナーの方達(皆、ベテランランナーの方々でもちろん今回も皆さん完走されています)と話をしていた際に、次回のレースどれに参加しよう?なんて話になっていきました。僕の頭の中はまだ完走できていないWasatch100でいっぱいでしたが、もちろん来年まで挑戦する機会はやってきません。

その中のひとりが、11月の頭にカリフォルニア州サクラメント近郊にて行われる Rio Del Lago100(RDL)と言われる100マイルレースに、仕事の出張を兼ねて参加しようと思っていると教えてくださいました。その時には即決できなかったのですが、頭の中の”モヤモヤ”した気持ちはNYの自宅に戻ってももちろん消えず、レースを完走できなかった思いと”モヤモヤ”した気持ちを吹き飛ばすつもりで数日後、RDLにエントリーしてしまいました。(家族にはこの時点では言えていませんでした。)

近所のプロスペクトパークは年中最高の練習場所を提供してくれる

アメリカ、New York Cityでは9月は新学期の季節、パンデミックで1年間(2020年)全てリモートスクールだった長女が、初めて高校2年生として学校に通い始めた。もちろん次女も小学校の新学期を迎えた。
年内で一番陽気のよい季節。温度が変わり、風がとても気持ちの良い秋のNYは初冬に行われるマラソン大会に向けてファンランナーからシリアスランナーまで、ものすごい数の方が走り始める季節でもあります。

くよくよしていた自分に、Wasatch100に参加されていたランナーでありコーチでもある方が、『もしRDL走るのであれば、練習メニュー考えてあげますよ』ってオファーしてくださいました。嬉しさで内心泣きそうでしたがグッと堪えて、彼のメニューを忠実に大会までの4週間、しっかり練習に取り組むことにしました。

この時点でもまだ家族には大会に出るとは言えず、通常の仕事と、日に日に負荷が大きくなる練習に黙殺されながら日時が過ぎていきました。

パンデミックで柔らかかったトレイルがカチカチになっている。

大会まであと2週間、ようやく大会参加の旨を家族に伝えられました。
走らない人には理解しづらい感覚です。こんな僕のわがままを聞いてくれて感謝しかありません。地味にきつかった4週間の練習プランを終了させ、怪我や故障が出るかなあと思っていたのですがどこも痛くならず、良いコンディションのまま旅の準備を整え、抱えていた仕事も終わらせ、11月4日の早朝にサンフランシスコへ旅立ちました。

超長距離の世界は狭く、なおかつアメリカで走っている日本人のコミュニティーはより狭いです。SNSでいつも交信していた方々に今回は大会で一斉に会えることになりました。その中にカナダから出張でアメリカに来ている間に大会に参加されている方がいました。好意でサンフランシスコからサクラメントまで車に乗せていただけることになり、滞在中は車での移動を全てしていただき大変助かりました。
なんだか皆さん初めてお会いするのに以前からの友達のような感覚があるのはなぜなんだろうと思いながら本当に良い時間をご一緒させていただきました。
本当にありがとうございました。

カリフォルニア州の首都サクラメントの街でハンバーガーストップ

11月5日にもう一人の参加者(Wasatch100を一緒に走った方)をサンフランシスコでピックアップして、大会会場のあるサクラメント近郊のフォーサムへ向かいました。大会受付に地元のランニングストアへ向かい、そこで残りの日本人の方々にもご挨拶をして、その後夕食を皆で地元のラーメン屋さんで素早く済ませて、滞在先のホテルへ戻りました。明日は3時半出発ということで、部屋に戻ったら細かい最終用意を済ませ、前日に貼っておいてもよい腰のテーピングをしたらすぐに眠りにつきました。
東海岸との時差3時間がちょうどよく眠気を誘い、うまい具合に眠れました。

北カリフォルニアの11月頭の天候は、同じ時期のNew Yorkよりも朝晩はぐっと冷え込む感じでした。
早朝の湖沿いのエリアは放射冷却もあってより寒く感じ、0度くらいまで気温は落ちていたようです。

前日のレース準備後にすぐ眠りにつき目覚ましが鳴る前、午前2時半には目が覚めました。New haleの足首、膝のテーピングを貼り、朝は、前日に立ち寄った日本食料品店で買った、大福とカップヌードル食べ(すごい食い合わせ)、それと以前友人にもらって試したことがなくレース中に試すのはちょっと怖かった、500mlで320カロリーあるFuel drink(Maurten Drink mix 320)を水代わりに飲んで体にエネルギーを溜め込んでおきました。味が甘くレース中はやはりちょっと無理かなあと思いましたが、スタート前だったので問題なかったです。
これで初めの2時間くらいは補給に追われないはず。

朝晩はグッと冷え込む、この時は例年より暖かいとは言っていたが2度くらいでした

4:15AM 車でスタート地点となるBeals Pointへ向かうと真っ暗な中、選手や関係者が続々と集まってきます。寒さも例年より悪くないと地元のランナーが言っていましたが、走り出すまではジャケットなしはきついかなあと感じました。
今回の日本人参加選手は合計で8名(1名は面識がなく最後までお会いできませんでした。)日本とカナダから1名ずつ、他は在米の方達でした。
中でもこのレースの地元でベテランランナーのクニさんは今回が10回目の出場とのことで、僕らに多くのアドバイスをくれました。
そしてさりげなく、皆にプレッシャーも!

『初めの21マイル間は極力スピードを抑える』
『怪我して骨が見えない限り棄権はなしです』

僕自身の100マイルレースチャレンジとしては3回目(うち2回は失敗に終わっています。)、 心の中は気負いと不安。
それらを果たして打ち消せれるのだろうか?
もちろんギブアップする気は一ミリもない、絶対に走り切る。
目標は完走!
真っ暗な中、RDL100は始まった!

後半へ続く


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