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置き去りの夜に


ビート板を齧って
見上げる空の
白糸のとぎれない一針をすうっと
のばしていきますと
雲の襞の
途切れ目の
綾の
くぐもった湿り気と暖かさを
わたしは飢える
どこまでもうわの空に
ひらめいていく指は
使い古した針を挟んで
まるで先端みたいな素知らぬ顔で
先へ先へ

旺盛な発泡の跡を
噛み千切れない口が
だらしなく分泌しつづける唾液に
夜を透かし見る
とこに仰臥した肌を
しんなりと浸し入る

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