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『三重スパイ』監督:エリック・ロメール

ずっと観たかったロメール作品のひとつ。

配信で観ることが出来るロメールの作品はすべて観終わってしまい、

唯一レンタルにある貴重な作品で、渋谷のTSUTAYAで借りました。
GWに観ました。

1930年代のパリを舞台に、実際にあったスパイ事件を元に想像で作成したというナレーションから始まる。2010年に死去したロメール監督が2003年に発表した作品。

あらすじ

第二次世界大戦前夜のパリ。亡命ロシア人の夫を、画家のギリシャ人の妻の、純粋な目から見たお話。

主人公の夫がスパイなのか、同じアパートに引っ越して来た共産主義者の夫婦がスパイなのか…

めちゃくちゃハラハラした。

ギリシャ人の妻を演じる実際にギリシャ出身のカテリーナ・ディダスカルの演技が見事。


ほぼ室内の会話で当時の政治情勢を伝えたり、ここまでサスペンスフルなのすごい。

ラスト前のセリフがロメールらしくて好きすぎる。

会話劇でここまでサスペンスな、難解で、めちゃくちゃ面白い!!てなるのはさすが。


結末は残酷すぎてつらかったが、ラストのセリフがウィットに富んでいて、あっさり終わる。それにやや救われた。ロメールらしい終わり方。

スパイの夫はロメール作品に出てくるいやな人ランキング一番かも。

誰も信用できない、誰を信用したらよいかわからなくなってくる、どんどん精神も追い詰められ、
最後は庇ってしまう、心細さ、衰弱、信じたい気持ち

ほとんど室内での限られた少ない交友関係の中だけでここまで表すことが出来る

傑作だと思う。



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