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生涯の転機をどう乗り越えるか


今回は、アドラー心理学を応用した、マーク・L・サビカスのキャリアカウンセリングについて語ります。
現在のように、変化することが当たり前の時代には、個人一人ひとりが自分のキャリアをデザインし、作り上げていく必要があります。
特に、大学生の就職活動、転職や中年期など転機が訪れたときには、自分自身の生涯を振り返り、働く目的・働く理由を考える、問い直すことで、その転機をよりよく乗りきることができると期待できます。

キャリアカウンセリング?


こんにちは、キャリアコンサルタント 松川です。

今回は、アドラー心理学を応用したキャリアカウンセリングについて語っていきます。

キャリアカウンセリング、利用されたことありますか?

キャリアコンサルタント、この資格は国家資格ですが、いろいろなフィールドで活躍されていらっしゃいます。
大学生の方であれば、キャリア支援センター、大学によって名称はいろいろあると思いますが、就職活動をサポートしてくれるところですね、そこでもキャリアコンサルタントが、就職先の相談やエントリーシートの書き方といった就職活動のサポートをしています、キャリアデザインといった授業を行っている方もいます。

企業にお勤めの方であれば、社内のキャリアコンサルタントに相談にのってもらったという方もいらっしゃるかもしれません。

キャリア、つまり、就職や働き方の相談といっても、その中身は実際、多種多様です。
相談に来られる方をご支援する、といっても、相談に来られた方が就職活動を考えている大学生なのか、子どもを抱えながら働いている方なのか、あるいは、職場の人間関係がうまくいかない方なのか、障害や病気を持たれている方なのか、相談に来られる方によって、どういうご支援をするのかは変わってきます。
相談といっても、何らかの情報提供やアドバイスをすれば完了、ということもありますし、履歴書や職務経歴書の作り方をレクチャーするといったこともキャリアコンサルタントは行います。
今いった情報提供やアドバイス、レクチャー以外にも、自分のキャリアをどのように考えればいいのか、迷われている場合にもキャリアコンサルタントはご支援します。

今言った、自分のキャリアについての迷いは人生の節目で起きることが多い。
節目、つまり、学生から社会人への就職活動時期、結婚、子どもができた、異動、転職、
定年など、人生の中で大きな出来事の時期に、
自身の働き方や働き場所、年収などについて、迷いが生じることが多い。
自分がやりたいことは何だろうか、とか、
このまま、ここで働いていていいんだろうか、とか、自分のやりがい、働きがいは何だろうか、とか。

こういった迷いを持たれる方に、その迷いを解消するお手伝いも、キャリアコンサルタントは行います。
実際、キャリアコンサルタントによって、具体的にどういうお手伝いをするのかはいろいろありますが、今回は、マーク・サビカスというアメリカのキャリア心理学者が編み出したキャリアカウンセリングについてご紹介します。

5つの質問

サビカスのキャリア・カウンセリングは、アドラー心理学のライフスタイル分析を応用した手法です。
どういう風に進めていくのか、
大まかにいうと、
先ず、相談に来られた方に、どんな成果をカウンセリングに期待しているのかをお聞きして、次に現在迷われていることを話していただきます。
そして、インタビュー形式で、5つの質問に答えていただきます。
子どもの頃、憧れたり、尊敬していた人はどんなひとですか?
いつも読んでいる雑誌、またはよく見るテレビ番組は何ですか?
映画や本で、どんなストーリーが好きですか?
好きな格言・名言は何ですか?
幼い頃の思い出は何ですか?
そのインタビューの回答を、カウンセラーがライフ・ポートレートにまとめます。
そして、このライフ・ポートレートを、話し合いを通じて、より内容を具体化していきながら、そのひとのキャリア上の目的、それを実現するための目標を探り当てていきます。

5つの質問に答えていただくと、そのひとが迷いをどのように対応していくことになるのかの手がかりがつかめます。それをカウンセラーはライフ・ポートレートと呼ばれるレポートにまとめるのですが、これは下書きです。
この下書きを元に、そのひとのこれからの物語を、相談者とカウンセラーがいっしょに作り上げていきます。より具体的なものへ、ビジュアル化していきます。

生きる、自分の物語をつくる


前回お話ししたアドラーのライフスタイル分析では、子どもの頃の記憶の話からそのひとの生きる目的を探りあてていきます。
サビカスのキャリアカウンセリングも、子どもの頃の記憶を手がかりに、相談に来られた方が自分自身について、また、自分を取り巻く世界について、どんな思いや気持ちをもっているのかを読み取っていきます。
質問を通して、そのひとの理想像や興味、価値観、世界観を聴きとり、それをひとつの物語としてまとめ、その物語の結末を、相談者とカウンセラーがいっしょに作り上げていく。
物語のハッピーエンドに向けて、ストーリーを考え、シナリオをつくっていく。

このキャリアカウンセリングは、最初にお話ししたとおり、人生の節目で行うのが効果的です。
就職活動を始めようとする学生の方。
特に自分はどういう職業につくのがいいのだろうか、どんな仕事が自分には向いているのだろう、そもそもなぜ就職しないといけないのだろうと迷われている学生の方には、このキャリアカウンセリングによって、就職活動する上での自分軸を見極めるに役立ちます。このキャリアカウンセリングを通して自分の物語を作っておくと、それがそのまま、エントリーシートや面接でアピールする志望動機になります。ブレない、筋が通った志望動機をより強く採用担当者にアピールすることができるようになります。

人生の節目にいらっしゃる方、
結婚、子どもができた、異動、転職、
定年などで、自身の働き方や働き場所など、
迷いを持たれている方にも、
このキャリアカウンセリングによって、
進むべき方向性がはっきり見えてくるようになります。

臨床心理学者の河合隼雄先生は、
生きるとは自分の物語を生きること、
とおっしゃっています。

自分の物語はどんな物語なのか。
サビカスのキャリアカウンセリングは、その物語をつくっていく作業です。

サビカスのキャリアカウンセリングは、今、日本でも注目されている、キャリアの分野では先進的と呼ばれている手法です。
アドラー心理学は、このような最先端の分野で、今も、脈々と受け継がれています。


それでは、また、次回、よろしくお願いいたします。




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