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長期化してしまう転職活動の特徴

転職を希望する人たちと会ってみると、すでに半年、場合によっては1年以上転職活動を続けているという方とお会いすることがあります。
中には100社以上応募したとか、何社応募したのか覚えきれないくらい応募したという方もいらっしゃいます。
そういう方たちは、
・送られてくる求人広告のメールに、軒並み応募している
・スカウトしてくるエージェントにすすめられるまま応募している
といった活動をしていることが多いのです。
結果、転職活動じたいが長期化し、現職でも仕事に身が入らない状態が続いていたりすることもあります。
こういった人たちには、転職活動でのいくつかの共通点があります。

自分を求めている会社を探している

これまでの応募履歴を聞くと、業界だけでなく、職種も多種多様に応募している方がいらっしゃいます。
理由は、スカウトが送られてくるのは自分に可能性を感じてもらっているからだと感じたかららしいのです。
ところが、書類を送ってみたところ、「ご経験がミスマッチ」との見送り理由を受ける。そこに憤慨されている方もいます。
客観的な立場から見ると、業界、職種とも未経験であり、お見送り理由は至極順当です。本人からすると、率直に受け入れることができないようなのですが、エージェントとしては書類が通過するとは思えないということは割とあります。確かに、推薦したエージェントから見れば可能性はあると判断したのかも知れません。ただ、エージェントのスカウトメールは、求人企業がそのひとを求めているから送られてくるのではありません。あくまで、エージェントが通過する可能性があると考えたということにすぎません。

職務経歴書を使い回している

どの求人にも同じ職務経歴書を送っているというケースはよく見られます。
求人の要件がとても近いのであればあまり問題にはならないのですが、たとえば、コンサルタントでも、ポジションによって求めている経験やスキルが異なることはよくあります。
その結果、求める経験やスキルが合わない、あるいは不足していると判断されてしまうのです。
職務経歴書に書かれていないことは、採用担当者は判断できないのは当たり前です。それよりも、なぜウチの会社に応募したのかもわからないというケースもあるのです。

見落としてはいけない市場原理


2つのケースをご紹介しました。
これらのケースでは共通して見落とされていることがあります。
それは、転職はビジネスだということです。
労働市場にも、売り手、買い手がいます。
需要と供給で動いているのです。
市場では、売り手と買い手が合意するところでしか取り引きは成立しません。
転職も同じです。
こういう経験、スキル、マインドを持った人材が欲しいという企業と、自分の強みを売りにする人材が、それぞれの目論見に適うと判断して取り引きは実現します。
企業と人材、双方がお互いにベネフィットがあると判断しなければ取引は成り立ちません。
先に挙げた2つのケースは、いずれも、企業が何を求めているのか理解していません。また、自分の売りを相手にきちんと伝えていません。
取り引きする前提が出来上がっていない以上、企業はお見送りするしかないのです。

相手に刺さる自分の売りは何か

企業が中途採用で求めているのは即戦力の人材です。そもそもなぜキャリアをもった人材を採用するのかといえば、育成する時間と手間を省き、早期に体制を整えて、事業を伸ばしていきたいからです。
だからこそ、転職活動では自分が即戦力であると採用担当に認めてもらう必要があります。自分はなぜ即戦力なのかを、正しく、採用担当に伝える必要があります。
自分の売りが相手が求めているものにあっているのかどうか。その売りはどれくらい信頼できるものなのか。具体的に伝えていく必要があります。
売りが何なのかわからなければ、採用担当は判断のしようがありません。
売りがわかったところで、自社が求めているものでなければ採用しようとは考えません。

転職活動の長期化を避けるために

やたらめったに応募数を増やせば、自ずと結果はついてくる。転職活動は、そういうものではありません。
通過率という一般的な統計も、あまり、意味はありません。
通過率は、エージェントのための用語です。
何人応募してもらえば、おおよそ、何人くらいは内定獲得するはずという、それも期待値でしかありません。
応募者にとっては、何ら判断材料にはなりません。
もちろん、候補者を比較して採用を決めるということもあります。ただその比較もそのとき、どういう応募者が集まったか次第です。あまりにも自社が求めている人材像から離れている人しか集まらなければ、再募集をとることもありえます。

転職活動を素早く、効果的に進めるには、自分の売りを見定め、その売りにマッチする求人に応募する。
逆に言えば、自分の売りが漠然としている状態では転職はおすすめしません。

転職活動は、ずるずると半年、一年かけてやるものではありません。

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