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270の旅路 Day144

2017年10月25日
Masqoodの家


 未だに胃の状態は悪いけれど、腸の状態はすっかり改善した。便秘ではないことだけは祈りたいものだが…

 朝ご飯を済ますと、おばあちゃんから「500Rsを貸してほしい。年金のつなぎなんだ。」と言われた。一か月もお世話になったし、もうこっちに戻る見込みも薄いだろうから、お礼として渡すことにした。「Masqoodには内緒ね。」どうやらおばあちゃんもシャイーナも事が分かった時についてはよくわかっているようだ。

 旅のことをふりかえってみると、行きたいところに行けていないことに気づく。ただそれは、行く必要がなかったんだ。そしてその不完全である旅だからこそ、いい方向へ向かっていくための証なんだとわかった。まるで「完全は崩壊へと進む」というのを逆手にとって不完全さをあえて作り上げてよきものへと昇華させた、日光東照宮の逆さ柱を思い起こすような感じだった。
 そして次のことを考える。やはり、宿泊費をどこかで圧縮したい。カウチサーフィンであれば、色んな人とかかわることができるし、タダよりも高いものはないよい体験を得られる。そういうものを求めていくのがこれからのヨーロッパでの旅行にはいいだろうと思った。

 夜、ついにレーからインド出国への日程が決まった。28日ここをでて、レーに向かう。そして10月1日インドを去る。意を決してMasqoodにレーから直接インドを出国したいことを伝えるとあっさりOKしてくれた。自分が思うほどそんなに深刻に思うことではなかった。
 よし、ドバイで体調を直し、また完全に接種完了できていないB型肝炎ワクチンを受けよう。そして必要なものをもう一度取り揃えていこう。

 今日、ハールーンに5つのことを教えた。

1.嘘や悪口は言わないこと。
2.酒とたばこはやめておくこと。
3.誰かとやたらにファイト(戦うこと)はしないこと。
4.自分の心に従うこと。
5.どんな人であっても親切にすること。

 特に5番は口すっぱく言った。イスラム社会特有の女性への扱いが変わって女性が大切にされるような社会になってくれることをこういうところから願うしかないと思った。


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