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人気者と表現者 ~ガールズバンドLoVendoЯから学ぶ~

世の中で注目される人は、大きく2つのタイプに分けられます。
それは、人気者表現者です。

人気者の代表例としては、テレビタレントや政治家、アイドルなどが挙げられます。
一方の表現者としては、作家や評論家、ミュージシャンなどが挙げられます。

これら2つのタイプは、社会のルールやモラル、つまり社会の規範への対応の仕方が異なります。

人気者は、社会の規範を守るように振る舞うことが求められます。
人気タレントの不倫は責められ、政治家がお金にセコいと糾弾されます。

一方の表現者は、社会の規範を批判することが求められます。
作家は当たり前とされていることに問いを投げかけ、バンドマンは自らの信念を貫くことが期待されます。

したがって、人気者に対して尖っていないことを責めても仕方がなく、逆に表現者に対して社会的なモラルに従うよう求めても意味がないのです。

人気者と表現者のいずれにせよ、あくまでも自らの役割に徹することが大切なのです。
また、彼ら/彼女らにコメントする側も、この基本的なことを押さえた上でなければ、逆に世間からバッシングを受けることになります。

以前、T.M.Revolutionの西川貴教さんがとあるネットの番組で、LoVendoЯ(ラベンダー)というガールズバンドのボーカルの田中れいなさんに対し、アイドルともバンドマンともどっち付かずな彼女の態度に、少し厳しい言葉を掛けたことがあります。
というのも、田中れいなさんは元々モーニング娘。に所属していたアイドルであり、モー娘。を卒業する際に、事務所がメンバーを募集・選考して結成されたLoVendoЯの一員となって、バンド活動を始めたという経緯があったからです。
西川さんの苦言は虚しく、その後もLoVendoЯはアイドルなのかロックバンドなのかはっきりしないような活動を何年も続けましたが、案の定人気は伸び悩み、結局2019年にメンバーが次々と卒業して活動休止となってしまいました。

当時、LoVendoЯのメンバーや関係者の方々は、色々と試行錯誤や苦労を重ねていたのでしょうし、ぼく個人としてはわりと好きな面もあったのですが、結果的にはあまりうまくいかなかったと言えるでしょう。
バンドとアイドルを融合させるという試みは、本質的な困難を抱えているのかもしれません。

このことからも、世間から注目を集める人でいるためには、自分がまず人気者なのか表現者なのかを決め、しっかりとその役割を果たしていく必要があるようです。

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