入院して看護師について思ったこと ~第48話 パラグライダーで墜落 そして入院~
入院中にスタッフの皆さんを見ていて思ったことシリーズ。
今回は「看護師」についてです。
看護師さんについて思うこと。一言で言うと、
「こんな大変な仕事を日々、当たり前にやってくれてたんだ、、。すごい。マジで頭が下がる思いです。」
というのが率直な思いです。
大変さで一番わかり易いのが夜勤の話です。
夕方頃に出勤し、翌日の朝日9〜10時くらい、つまり実質15時間前後と、かなり長時間労働になります。さらに。。。
歩数が2万歩くらいになるらしいです。
やばいですよね。。。聞いたときには本当に驚きました。
でもそうなるのも頷きます。ある日、消灯時間後にお手洗いに行きたくなって、病室に出た日のことです。あることが気になり、ナースステーションの方へ行ったのですが、あまりにも悲惨な状況でした。。。
消灯時間が過ぎて15分後くらいだと思うのですが、、、ナースコールが鳴っていない時間のほうが短いんです。「みなさん、これからゆっくり寝て休んでくださいね」という時間になって、電気も暗くなってあとですよ。ナースコールがなりまくるんです。。。
記憶ではたしか、看護師さん2人とケアスタッフ2人の4人で回していたと思います。コールが鳴って、1人が対応に向かう。そうしている内に次のコールが鳴り、別の人が対応する。そんな感じで3人が行っては戻り、行っては戻りしていました。多いときには2件のコールが重なるタイミングもあったりで、ほんと何とかギリギリ回している感じでした。その様子から夜勤で2万歩歩くというのも、納得してしまうくらい動き回っていました。
なぜ4人ではなく、3人でナースコールの対応をしていたのか、、、。この日はもう一つの大変な要素があったんです。ナースコールステーション内に車椅子に乗った高齢の患者さんが数人いました。なかなか寝付けられず、話をしたいということで他の人のじゃまにならないよう、ナースステーションの中に連れてこらていたみたいです。看護師の1人はその対応のためにナースステーションから出られない状況だったんです。だからナースコールの対応は3人でしなければいけなかったんです。
しかも、、、その中の一人、この日からこのリハビリ病棟に入ったお爺さんがいたのですが、、その人への対応がとても大変そうでした。このお爺さん、認知症も患わっている方だったんです。感情的になり、色んなことに怒っているみたいで、看護師さんや周りの人への当たりもかなり強いというか、、、暴言をはいたりするような感じの人でした。事あるごとにすごく騒ぐし、暴れてしまいます。私がお手洗いに行った後にナースステーションに様子を見に行ったのも、この方があまりに騒いでいるので、気になってしまい、思わずナースステーションに行ったのです。他の患者さんは「もう寝ましょう」と病室に戻っても、この人は戻すことができない状況でした。
お爺さんは勝手に立ち上がり、どこかに行ってしまおうとするとのことで、車椅子から立てないようにストッパーのベルトがつけられていました。それにもすごく怒っていました。ベルトはあきらめたかと思うと今度は目の前にあったテイッシュを何枚も出しで重ねたり折ったりしはじめます。スタッフが「どうしてそんなことしているの?」と聞くと、怒って返答が来ます。「ちょっと前におむつに大きい方をしたのにオムツを替えてくれない!だから乾いてカピカピになってしまっている!拭くために用意しているんた!」といいました。
(ちなみに本当にそんな状態で放置されているのかは自分にはわかりません。状況的にお爺さんの勘違いだったんじゃないかと思います)
それを聞いて看護師さんが「それならトイレに行きましょう」と声を掛けると、まさかの反応が、、、。お爺さんは「行かない!!!」と逆ギレして拒否するんです。。。
もう、こうなると、、、「じゃあどうしたらいい??」という反応しかできないですよね。。。そんなやり取りが永遠に続くんです。。。悲惨すぎますよね。。。
このお爺さんに看護師さん1人はつきっきりになるので、実質通常より1人少ないマンパワーで回していかなければいけません。その負担は夜勤のスタッフ全員にかかってきます。それなのに、次々となるナースコール。。。本当に大変そうです。。。それを文句も言わず、笑顔で対応してくださっている看護師には本当に頭が下がる思いで一杯です。
私が入院している間に見た、最も大変そうな夜勤の出来後のお話でしたので、ちょっと極端な例なのかもしれませんが、看護師さんはそういうあまりにも理不尽なことをなんとかうまく対応していることが結構あるんじゃないかなと想像しています。
一晩の話でかなり長くなってしまいましたが、看護師さんの仕事を見てきて全体を通して思った事があります。それは
「医療業務のはずなのに、サービス業にあたる範囲まで仕事に入ってしまっていて、負担がかなり大きくなっているのではないか」
ということです。
もっとわかりやすく言うと、
「本来、患者自身でやるべきことまでナースコールで呼ばれて対応しなければいけない状況になっているのではないか」
ということです。
これは日本が文化的に過剰サービスをする風習があることもかなり影響していると思います。どこまでが看護師がやるべきことで、どこからが患者がやるべきことかを線引きするのはとても難しい話にはなってくると思います。患者によって症状が違うので線引することすら出来ないことが多いかと思います。でも、、、「お客様は神様だ」精神のような部分もあり、結果的に患者から頼まれたことを看護師は基本的には拒否できない流れになっているように私は感じてしまいました。
入院中、患者はそこで「生活」をしています。生活をしているのだから、医療に関係することも、関係しないことも当然ながら色々と問題が起きてきます。そういった時にまず頼りにされるのは看護師です。その問題の内容は医療行為にあたるものもあれば、そうでないものあります。でも看護師はそういったお願いの内容に関わらず、基本的に拒否ができない。だからなんでも困ったらまず看護師に相談。相談するのが当たり前。やってくれて当然。みたいな悪循環になってしまっている部分はどうしてもあるんだろうなと感じてしまいました。
患者が入院生活を快適に過ごせるよう、本来の業務に当たらないことまで嫌な顔ひとつせず、毎日笑顔で明るく対応してくれる。そんな看護師さんには頭が下がる思いで一杯でした。
そんな様子を見ていたので、自分はなるべく自分でできることはして、看護師さんの仕事を増やしたくないと思っていました。
なので具体的には
ハードなリハビリ後に汗だくになるので、新しい寝巻をもらうのにナースコール、そして着替えた後に汚れた寝巻を片付けてもらうためにまたナースコールと2回呼ばなきゃいけなかったんです。看護師さんに交渉して新しい寝巻を棚から勝手にだしていい許可と、患者が出入りできない「使用済みの物を入れるボックスのある部屋」へ入る許可をもらいました。これで2回ナースコールを減らせます。
ちなみにハードなリハビリについて詳しくはコチラ↓
他にも看護師さんに頼らない工夫の話としてはもう一つあります。入院中ずっと、自分でズボンが履けなかったんです。腰が曲がらず、手が足の先まで手が届かないために履くことができなかったんですが、アマゾンで買ったマジックハンドで対応!ナースコールしなくてすむようにしていました。実はこれがきっかけで加入していた医療保険の保険料が大きく減らされそうになる出来事があったのですが、それは別の機会に「保険の話」でしていきますね。
あとは、看護師さんへの負担を減らす工夫以外にも、看護師さんに感謝の言葉や「いいな」と思う部分を伝えるようにしていました。例えば
「細かい事に気づいてくれるし、仕事がテキパキしていてすごく早い。すごく仕事ができる人なんだなって思っています。何かお願いをする時も安心感があります。ありがとうございます!」
「朝の挨拶から、何か作業してもらう時までいつも笑顔だし、すごく楽しそうに作業してくれるので、こっちまで元気が出てきます。ありがとう!」といったことを伝えてきました。
看護師さん、すごく喜んでくれました。看護師さんたちは当たり前のよう普段からやっていて「当たり前のこと」になってしまっているのかもしれません。でもだからこそ、言葉にして伝えるべきことだなと思います。
このプラスのことをちゃんと言葉にしていくというのは看護師さんにだけじゃくて、もっと周りの人に、普段の生活の中で会う人、お世話になっている人、みんなに積極的に直接伝えたほうがいいよね、という話に広がっていってしまう話ではあります。自分も全然上手く出来ているとは思っていませんが、入院時からそのことは強く思い、今でもそうあろうと意識し続けています。
さて、ここからはまたちょっと毒を吐きますよ。
そんな感じで平均で週に1回過酷な夜勤をしつつ、土日祝日も関係なく、本当に大変な仕事を看護師はしてくれているいます。何度も言いますが、頭が下がる思います。
それなのに、、、、土日祝日は必ず休みで、夜勤もない。しかもあの適当以下の、、、いい加減な働きぶりで、看護師の2倍、3倍の給料をもらっている医師のC先生にはすこし怒りのような感情が込み上げてきてしまうのは人間としては当然なんじゃないかと思っています。資格がある、ないで給料や社会的立場が大きく変わるのは仕方のないことではありますが、「今、ちゃんと頑張って仕事をしている人」にそれ相応のお金が払われる世の中になってほしいなと強く思いました。
C先生の話はコチラから↓
最後になりますが、全国の看護師のみなさん、私は今回の入院を通して看護師の頑張り、重要性、そして偉大さ痛感しました。今日も沢山の患者さんを相手に頑張ってくださっていると思います。本当の意味で患者を支えているのはあなた達だと思います。本当に応援しています。
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