嫌なら別れる?とか言うやつ

恋愛関係でも、友達関係でも、どんな関係にだってトラブルはつきものだ。
私たちは少なからず他人に期待している。他人の言動にがっかりしたりイライラしたりするのは、その期待が裏切られるからだ。

他人に不快な思いにさせられるのなんて日常茶飯事。逐一文句を言う時間も気力もないので、ある程度のことは流してしまう。
どうしても嫌ならその人から離れればいい。職場の人間関係は別として、友達や恋人など、自分で選べる関係なら切ってしまえば衝突を回避できるではないか。

ところが、そう簡単に切れない関係がある。

義理の家族や夫婦、大切にしてきた友達、一緒に支え合ってきた恋人。
ある程度の愛情があるとそう簡単には切れない。

そんな時、私たちは勇気を出して文句を言う。
こんなことで傷ついた、ここを直して欲しい、これが受け入れられない、と
衝突を覚悟で相手に向き合っている。それなのに伝え方というのは本当に難しいもので、一歩間違うとすぐ喧嘩になる。

「嫌なら別れる?」

というのは私が言われたことのある、大っ嫌いなセリフの一つだ。
こんなに直接的な表現は恋人にしか言われたことがないけれど、身の周りの夫婦や友達同士がそういう言動を取ってしまう場面を幾度となく見てきた。あるあるなのかもしれない。


このセリフを言ってしまう人たちに伝えたい。

本人はどんなつもりか知らないけれど、こっちからすると「私は変わる気はないので嫌なら離れてください」と言っているのと同じだ。歩み寄る姿勢が全くない。
そんなに簡単に切り捨てられる関係だったのかよ、はぁその程度の愛情or友情ですか、と思う。大切にされていない気がしてくる。
そもそも、離れたかったら言われなくても離れますけど?みたいな。
気にかけてるから衝突覚悟で文句言ってんだろ!っていう。
不満をぶつけるに至ったのには理由がある。そこを汲み取って欲しい。
文句の付け所のない完璧など誰も求めていない。
大抵はこちらの言い分を聞いて欲しいだけだ。気持ちをわかって欲しい。傷つけないために歩み寄って欲しい。
そちらの言い分を聞かせて欲しい、というだけの場合もある。

面倒な言い争いから逃れたいのはわかるけれど、相手を深く傷つけてしまう危険な言葉であることを知っておいて欲しい。大切な人をうっかり手放さないで。相手はあなたのことを大切に思うからこそ向き合いたいのだ。


とはいえ、言われてしまう側に全く問題がないわけではない。

私たちは感情をぶつけないように努力する必要がある。
面倒くさい女or男になっていないだろうか。
相手の配慮が足りなかったかもしれない、沢山我慢させられたかもしれない。けれど大抵の場合、私たちの大切な人は故意に私たちを傷つけていたわけではないのだ。相手に理解して欲しいなら、絶対に責め立ててはいけない。
自分はなぜ相手にわかって欲しいのか、具体的にどうして欲しかったのか、自分が期待しすぎていなかったか、充分に考えて冷静に会話を始めなければいけない。

一時の感情で、大切な人を悪人のように言わないで欲しい。
悲しい感情は怒りになってしまう。相手を責める前に、先ずは自分の悲しみの原因を考えてみるべきだ。


大切な人のために、
今までよりちょっと大人になって、
ちょっと良い人になって、
ちょっと合理的に話し合いができたら、
きっと沢山の関係が一歩先に進める。

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