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「私のインクルーシブ教育論」(仮)

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2018年6月の記事一覧

「多様な子ども」がいることを前提とした教育へのアップデート

「多様な子ども」がいることを前提とした教育へのアップデート

以前書いた「『同じ場にいる』のみでは『インクルーシブ教育』と呼べない」には、「インテグレーション」と「インクルージョン」の違いについて書いた。

今日は、インクルーシブ教育の背景にある考え方についてと、定義について補足する。

以前、サラマンカ宣言などのユネスコ文書から引用し、私がいつも使っている「インクルーシブ教育」の定義を以下のように書いた。

インクルーシブ教育とは①子どもたちは誰もがニーズ

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無自覚な「条件付き」の「多様性の尊重」「インクルージョンの推進」への違和感

無自覚な「条件付き」の「多様性の尊重」「インクルージョンの推進」への違和感

「差別はよくない」「インクルージョンを目指すべき」と言葉で言うことはできるけれど、それを体現していくことはとても難しい。

よくあるのは、「インクルーシブな社会を作りたいけれど、一緒に働くのは難しい」や、「うちの子を差別して欲しくないし、差別はよくない。でもあの子はこのクラスにいるべきではない」といったケース。

not in my backyardというらしい。

「好きにならなくてもいいから、

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「同じ場にいる」のみでは「インクルーシブ教育」と呼べない

「同じ場にいる」のみでは「インクルーシブ教育」と呼べない

先日のnoteに、「普通級で学ぶべきという反対運動を押し切られて養護学校の義務制が作られたことに触れるべき」ということや、「障害のある子どもが教育へアクセスできるようになったと同時に分離されたことからインクルージョンの文脈で分離教育を語るべきでない」との声をいただいた。当時から障害児教育に関わっておられた方々かもしれない。確かに私は義務制当時まだ生まれてもいなく、当時のことは本で読んだり話を聞いた

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