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大学院のこと(4) (留学・進学体験談)

香港の大学院でジャーナリズムを学ぶことになった私の個人的な体験談「大学院のこと()()()」の続き。

アジアの名門大学で、欧米人の先生からアジア人の学生が教えを乞うという構図。世界はアメリカを中心に回っており、ジャーナリストとはすなわち欧米リベラリストである、という前提で授業が進められたことに、入学早々にして違和感を覚えた。

というのが前回(3)の話である。

本編では、実際の授業内容や課題への疑問、また大学院において「ベテラン」が意味することなど、入学前には予想できなかった実態を順を追って書き進めていきたい。



時代錯誤なジャーナリズム

必修4科目、選択1科目で始まった前期の授業は、欧米人の先生6人(プラスTA1人)で構成されていたが、TAとデジタルジャーナリズムを教えていた先生以外は、全員が退職後や退職間際のベテランジャーナリストだった。そんなことで私は、入学時のオリエンテーションで、若いOBの一人が柱の陰に隠れて教えてくれた問題を、そのままそっくり体験することとなった。彼はこう言っていた。

「ここで教えていることは、完全に時代錯誤なジャーナリズムだ。今の時代には何の役にも立たない

大学院のこと(2)

そして先生たちの現状についても、彼の指摘は正しかったようだ。

あいつら(those guys)は、今このデジタルの時代に何が起きているかなんて、何も知らないし、教えることもできない」

大学院のこと(2)


退屈で退屈でたまらない授業


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